データ転送速度を理解する
ITの初心者
先生、「データ転送速度」って、よく聞くんですけど、何のことか教えてください。
ITアドバイザー
簡単に言うと、データをある場所から別の場所に送る速さのことだよ。たとえば、インターネットで動画を見るとき、動画データがインターネット回線を通って君のスマホやパソコンに送られてくるんだけど、その速さがデータ転送速度なんだ。
ITの初心者
なるほど。速ければ速いほど良いんですか?
ITアドバイザー
その通り!データ転送速度が速いと、動画が止まらずにスムーズに見れたり、大きなファイルを早くダウンロードできたりするんだ。単位はbps(ビーピーエス)やMbps(エムビーピーエス)などで表されるよ。
データ転送速度とは。
『情報技術』に関する言葉である『データ転送速度』(別の言い方では『転送速度』。詳しくは『転送速度』の項目を見てください)について
転送速度とは
情報のやり取りの速さを表す言葉に「転送速度」というものがあります。これは、一秒間にどれくらいの量の情報を送ったり受け取ったりできるのかを示すものです。例えば、家のインターネット回線や、持ち運びできる記録装置であるUSBメモリなど、情報をやり取りする場面で、この転送速度は大切な働きをしています。
この転送速度は、ふつう「bps」や「Bps」といった単位を使って表されます。「bps」は「ビット毎秒」のことで、一秒間に送れる情報の最小単位であるビットの数を表します。一方、「Bps」は「バイト毎秒」のことで、一秒間に送れるバイト数を表します。八つのビットで一つのバイトとなるため、「Bps」の値は「bps」の値の八分の一になります。
さらに、千、百万、十億、一兆といった大きな数を表す「キロ(k)」「メガ(M)」「ギガ(G)」「テラ(T)」を組み合わせて、「キロビット毎秒(kbps)」「メガビット毎秒(Mbps)」「ギガビット毎秒(Gbps)」「テラビット毎秒(Tbps)」といったように表現することもあります。これらの単位を使うことで、膨大な量の情報のやり取りをわかりやすく表すことができます。
転送速度が速ければ速いほど、多くの情報を短い時間で送受信できます。例えば、大きな動画を見たり、大きな資料を他の機械から取り込んだりする時、転送速度が速いと待ち時間が少なくなります。反対に、転送速度が遅いと、読み込みに時間がかかったり、動画がスムーズに見られなかったり、色々な問題が起こるかもしれません。
快適に情報機器を使うためには、転送速度を理解し、自分に合った機器や通信サービスを選ぶことが大切です。転送速度が速いほど、快適な情報体験を得られる可能性が高まります。
単位 | 意味 | 補足 |
---|---|---|
bps | ビット毎秒 | 情報の最小単位であるビットの数を表す |
Bps | バイト毎秒 | 1バイト = 8ビット |
kbps | キロビット毎秒 | 1kbps = 1,000bps |
Mbps | メガビット毎秒 | 1Mbps = 1,000,000bps |
Gbps | ギガビット毎秒 | 1Gbps = 1,000,000,000bps |
Tbps | テラビット毎秒 | 1Tbps = 1,000,000,000,000bps |
転送速度の種類
データのやり取りをする際、その速さを示す指標として転送速度が使われます。この転送速度には、大きく分けて二つの種類があります。一つは理論値と呼ばれるもので、これは理想的な環境下で実現可能な最大の速度を示しています。製品の仕様書などに記載されている速度は、多くの場合この理論値です。つまり、実際に使ってみた時にこの速度が出るとは限りません。もう一つは実測値で、これは実際にデータを送受信した際に計測された速度のことです。インターネットの混雑具合や接続機器の性能など、様々な要因が影響するため、理論値よりも低い値になるのが一般的です。
さらに、転送速度は読み込み速度と書き込み速度という二つの側面からも捉えることができます。読み込み速度とは、記憶装置に保存されているデータを読み出す速度のことです。例えば、書類を保管庫から取り出す作業の速さに例えることができます。一方、書き込み速度はデータを記憶装置に書き込む速度で、書類を保管庫にしまう作業の速さに相当します。よく使う例として、USBメモリへのデータの保存が挙げられます。USBメモリに保存されているファイルを開く速さが読み込み速度、ファイルをUSBメモリに保存する速さが書き込み速度です。読み込み速度と書き込み速度は必ずしも同じではなく、機器によっては読み込みの方が速い場合や、書き込みの方が速い場合もあります。例えば、高速にデータを読み込めるけれども書き込みは遅い機器や、その逆の機器も存在します。そのため、どのような使い方をするかによって、適切な転送速度を持つ機器を選ぶことが重要になります。動画編集など大きなデータを扱う場合は高速な読み書き速度が求められますし、単純にデータを保存するだけならそこほどの速度は必要ありません。目的に合った機器を選ぶことで、作業効率を上げることができるでしょう。
転送速度の種類 | 説明 |
---|---|
理論値 | 理想的な環境下での最大速度。製品仕様書などに記載。 |
実測値 | 実際に計測された速度。環境要因に影響され、理論値より低いのが一般的。 |
転送速度の側面 | 説明 | 例 |
---|---|---|
読み込み速度 | データを読み出す速度 | USBメモリからファイルを開く速度 |
書き込み速度 | データを書き込む速度 | ファイルをUSBメモリに保存する速度 |
転送速度に影響する要因
何かを別の場所に送る速さ、いわゆる転送速度は様々な要因で変化します。まず、インターネット回線を使う場合を考えてみましょう。回線そのものの速さが速ければ当然転送も速くなりますが、それ以外にも様々な要素が関わってきます。例えば、多くの人が同じ回線を使っている時間帯は、道路が混雑するのと同様に回線も混雑し、転送速度が遅くなります。また、利用者の多い地域では、回線の混雑が起こりやすく、転送速度の低下につながります。同じ回線を使っていても、時間帯や場所によって転送速度が変わるのはこのためです。つまり、回線速度だけでなく、回線の混み具合も転送速度に大きく影響するのです。
次に、パソコンや外付け機器に保存されている情報を読み書きする速度について考えてみましょう。この場合、機器同士をつなぐ部分の種類や、情報の記録方法によって転送速度が変わります。例えば、機器をつなぐ規格が古いものだと、転送速度は遅くなります。新しい規格のものほど速く転送できます。情報の記録方法も重要です。昔ながらの硬い円盤を使うよりも、最近よく使われる半導体を使う方法の方が、読み書きの速度が格段に速いため、転送速度も速くなります。このように、情報のやり取りを行う経路や保存方法が転送速度に大きく影響します。
さらに、機器の不具合や古くなっていることも転送速度に影響します。機器が壊れていたり、古くなって性能が落ちていたりすると、転送速度が遅くなることがあります。また、機器を動かすための命令の集まりである駆動方式も転送速度に影響します。この駆動方式が最新のものになっていないと、転送速度が遅くなることがあります。転送速度が遅い場合は、これらの要因を一つずつ確認し、原因を探ることが大切です。
要因 | 詳細 |
---|---|
インターネット回線 |
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パソコン/外付け機器 |
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転送速度の測定方法
情報を送ったり受け取ったりする速さを調べるには、いくつかの方法があります。よく使われるのは、専用の道具や、インターネット上で使えるサービスを使うやり方です。これらの道具を使うと、家のインターネット回線や、パソコンの中の記憶装置がどれくらい速く情報をやり取りできるのかを、実際に数字で確かめることができます。
インターネット回線の速さを調べる場合、決まった相手先の機械との間のやり取りの速さを測ります。画面には、応答にかかる時間、情報を受け取る速さ、情報を送る速さといった数字が表示されます。応答にかかる時間は、情報を送ってから返事が来るまでの時間を、千分の一秒単位で表したものです。これは、回線がどれくらい機敏に反応するのかを示しています。情報を受け取る速さは、情報を自分の機械に取り込む速さを、情報を送る速さは、自分の機械から情報を出していく速さを表します。
記憶装置の速さを調べる場合は、情報の読み込みと書き込みの速さを測ります。読み込みは、記憶装置にしまわれている情報を取り出す速さ、書き込みは、記憶装置に情報を保存する速さです。
ただし、これらの測った数字は、あくまで目安です。回線の混雑具合や、機械の状態などによって、実際の速さは常に変化することを覚えておきましょう。同じ道具で何度も測っても、毎回少しずつ違う結果が出るのが普通です。ですから、目安として考え、大体の速さを把握するために役立てるのが良いでしょう。
測定対象 | 測定項目 | 単位 | 説明 |
---|---|---|---|
インターネット回線 | 応答時間 | ミリ秒 | 情報を送ってから返事が来るまでの時間 |
受信速度 | bps, Kbps, Mbps, Gbps | 情報を自分の機械に取り込む速さ | |
送信速度 | bps, Kbps, Mbps, Gbps | 自分の機械から情報を出していく速さ | |
記憶装置 | 読み込み速度 | bps, Kbps, Mbps, Gbps | 記憶装置にしまわれている情報を取り出す速さ |
書き込み速度 | bps, Kbps, Mbps, Gbps | 記憶装置に情報を保存する速さ |
転送速度の改善方法
資料などの移動にかかる時間を短くするには、様々な工夫があります。まず、使う通信回線を見直してみましょう。提供会社が用意している様々な料金プランの中で、より速い通信速度のプランに変更することで改善できる可能性があります。また、通信機器である接続機や送受信機を新しいものに取り換えることも効果的です。
通信回線を使う人が多い時間帯は、回線が混み合って遅くなることがあります。そのような時間帯を避けて資料を送受信することで、速く送れる場合があります。また、使っていないソフトを閉じることも、回線の混雑を避けることに繋がります。
資料を保存する機器にも注目してみましょう。機器と接続機の間にどのような種類の接続口を使っているかを確認し、3.0以上の高速な接続口を使うことが大切です。さらに、従来の記憶装置よりも、固体記憶装置(SSD)のような新しい記憶装置を使うことで、転送速度を大幅に速くすることができます。
機器を動かすための指示書である駆動ソフトを最新のものに更新することも重要です。古い駆動ソフトを使っていると、機器の性能を十分に発揮できない場合があります。また、不要な資料を消して記憶装置の空き容量を増やすことも、転送速度の改善に繋がります。記憶装置に空き容量が少ないと、転送速度が遅くなることがあるためです。
項目 | 対策 |
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通信回線 |
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接続方法 | 3.0以上の高速な接続口を使う |
保存機器 |
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駆動ソフト | 最新のものに更新する |