106キーボードってなに？

106キーボードってなに？

キーボードの種類

パソコンを操作する上で欠かせないものの一つに、文字を入力するためのキーボードがあります。キーボードには様々な種類が存在しますが、大きく二つに分けることができます。一つは、机の上に置いて使うパソコン、すなわちデスクトップパソコンに接続することを前提としたキーボードです。もう一つは、持ち運びを前提としたノートパソコンに組み込まれているキーボードです。
デスクトップパソコン用のキーボードは、一般的にサイズが大きく、キーの数も多いという特徴があります。これは、机の上など広い場所に置いて使うことを想定しているためです。また、キーの数が多いため、様々な機能を割り当てることができます。一方、ノートパソコン用のキーボードは、デスクトップパソコン用のキーボードと比べてサイズが小さく、キーの数も少ない傾向にあります。これは、ノートパソコンは持ち運んで使うことを前提としているため、コンパクトなサイズが求められるからです。そのため、ノートパソコン用のキーボードには、限られたスペースにキーを配置するために、様々な工夫が凝らされています。

106キーボードの登場

机の上のパソコンで欠かせないものといえば、文字を打ち込むためのキーボードです。その中でも、一昔前には「106キーボード」と呼ばれる種類のキーボードが主流でした。名前の通り、106個ものキーがずらりと並んだキーボードです。

106キーボードが広く知られるようになったのは、1980年代後半のこと。当時、IBMという会社が「PC/AT互換機」というパソコンを発売し、そのパソコンに106キーボードが採用されていたのです。このパソコンがビジネスの現場で人気を集めたことをきっかけに、106キーボードも急速に普及しました。

106キーボードの特徴は、日本語の入力をスムーズに行うための「テンキー」が搭載されている点です。テンキーを使うと数字入力が楽になるだけでなく、矢印キーを使って画面上のカーソルを動かすこともできます。さらに、多くの機能をキー操作だけで実行できるのも便利な点でした。例えば、アプリケーションを切り替えたり、文字をコピーしたりといった操作も、キーボード上のキーを押すだけで行えました。そのため、106キーボードはマウスを使うよりも効率的に作業ができるとされ、多くのビジネスパーソンに愛用されました。

106キーボードの特徴

106キーボードは、その名の通り106個のキーを搭載したキーボードです。これは、一般的なキーボードと比べてキーの数が多く、多くの機能をキー操作だけで実行できるという特徴があります。
例えば、文章を作成している際に、コピーや貼り付けなどの操作をキーボードショートカットで行うことができます。マウスを使うことなく、キーボードの上で手を動かすだけでこれらの操作が完結するため、作業効率が大幅に向上します。
また、106キーボードはテンキーが独立しているため、数値入力をスムーズに行うことができます。表計算ソフトなど、数字を頻繁に入力する作業を行う際には、この独立したテンキーが非常に便利です。
さらに、106キーボードは、日本の工業規格であるJIS規格に準拠したキー配列を採用しています。そのため、多くの日本人ユーザーにとって馴染みやすく、違和感なく使用することができます。

106キーボードの変遷

かつて日本のパソコン市場において、106個のキーを持つキーボード、通称「106キーボード」は、パソコン操作の代名詞とも言える存在でした。多くのパソコンに標準搭載され、文字入力からデータ処理まで、あらゆる作業をこのキーボードで行っていた時代が長くありました。
しかし、時代は変わりつつあります。近年では、持ち運びに便利なノートパソコンの普及や、机の上のスペースを有効活用したいというニーズの高まりから、106キーボードは主流ではなくなりつつあります。 かつての絶対的な地位から一転、今ではその姿を目にする機会も減ってきました。
その代わりに台頭してきたのが、テンキーと呼ばれる数字キー部分を省略したコンパクトなキーボードです。限られたスペースでも快適に作業ができることから、特にノートパソコンユーザーに広く受け入れられています。また、ケーブルの煩わしさから解放される無線接続が可能なBluetoothキーボードも人気を集めています。
さらに、近年ではパソコンの使用用途も多様化しており、それに伴ってキーボードも進化を遂げています。例えば、ゲームを快適にプレイするために設計された、反応速度に優れたゲーミングキーボードなど、様々な種類のキーボードが登場しています。
このように、キーボードの世界は今、大きな転換期を迎えています。

まとめ

かつて、事務作業やパソコンを使った作業をする人々にとって、106個のキーが並ぶキーボードは、ごく当たり前の風景でした。多くの人がこのキーボードを使い、長い文章を打ったり、複雑な表計算ソフトを操作していました。しかし、時代は変わり、ノートパソコンやスマートフォンが普及するにつれて、106キーボードを見かける機会は減ってきました。コンパクトなデザインや、タッチパネル操作に重点が置かれるようになり、大きなキーボードは場所を取る存在と見なされることも少なくありません。

しかし、106キーボードには、長年の歴史の中で培われた確かな魅力があります。長年使い続けてきた人にとっては、キーの配置や感触は体に馴染んでおり、スムーズなタイピングを可能にします。また、豊富なキー数は、ショートカットキーを駆使することで作業効率を大幅に向上させることができ、プロの現場でも重宝されています。そのため、106キーボードは、今でも根強い人気を誇っています。中古市場では、状態の良い製品が高値で取引されることもあり、往年の名機を求める人々にとって、今もなお魅力的な存在と言えるでしょう。