
仮想メモリとページファイル:役割と仕組み
記憶する場所が足りなくなった時に助けてくれるのが、ページファイルです。まるで絵を描く時の下書き用紙のように、普段あまり使わないものを一時的に置いておく場所として、パソコンの中にある記憶装置の一部を使います。この記憶装置は、ハードディスクやSSDといった、情報の出し入れは少し遅いけれど、容量の大きいものが使われます。
パソコンで色々な作業をする時には、たくさんの情報がメインメモリと呼ばれる場所に読み込まれます。このメインメモリは、情報の出し入れがとても速いので、作業をスムーズに進めるためには重要です。しかし、メインメモリの容量には限りがあります。もし、たくさんのプログラムを同時に開いたり、容量の大きな作業をする際に、メインメモリが足りなくなってしまうと、パソコンの動きが遅くなってしまいます。
そこで、ページファイルが活躍します。メインメモリがいっぱいになりそうになると、あまり使われていない情報を一時的にページファイルに移動させます。こうして空いたメインメモリのスペースを使って、新しい情報を読み込むことができるので、パソコンの動きが遅くなるのを防ぐことができます。ページファイルに移動された情報は、再び必要になった時に、メインメモリに戻されます。
このページファイルを使った仕組み全体を仮想メモリと呼びます。仮想メモリのおかげで、パソコンは持っているメインメモリの容量よりも多くの情報を扱うことができるのです。ちなみに、このページファイルは、マイクロソフト社のウィンドウズでは「スワップファイル」とも呼ばれています。
通常、ページファイルの大きさはパソコンが自動的に調整してくれるので、私たちが特に何かをする必要はありません。しかし、パソコンの動きをもっと速くしたい場合は、手動でページファイルの大きさを調整することもできます。ただし、むやみに大きくしても効果がない場合もあるので、注意が必要です。