ASPで変わる業務システム
ITの初心者
先生、『ASP』って、よく聞くんですけど、何のことかよく分かっていません。教えてもらえますか?
ITアドバイザー
はい。『ASP』は、インターネットを使って、会社などで使う業務ソフトを使えるようにするサービスのことです。例えば、お店の売上管理とか、会社の経理で使うソフトなどを、インターネット経由で使えるようにしてくれるんだよ。
ITの初心者
なるほど。インターネット経由で使えるようにしてくれるサービスなんですね。でも、自分のパソコンにソフトをインストールするのとは何が違うんですか?
ITアドバイザー
いい質問だね。自分でソフトをインストールするのと違って、ASPはソフトの管理や更新などをサービス提供者がやってくれるんだ。だから、利用者は自分でソフトを管理する手間が省けるんだよ。例えば、新しいバージョンが出たら、自動的に更新してくれるので、とても便利なんだよ。
ASPとは。
インターネットなどの計算機ネットワークを通じて、仕事で使う応用ソフトを提供する事業者や設備、またはそのサービスについて説明します。このサービスは『エーエスピー』と呼ばれることもあります。提供されるサービスの種類は、財務会計、資産管理、販売管理、表計算、統合基幹業務システムなど様々です。利用者側にとっての利点は、保守や管理、更新の手間が省けることです。
ASPとは
ASPとは、アプリケーションサービスプロバイダの略称で、インターネットなどの通信網を通して、会社が必要とする業務用の処理手順を提供する事業者、またはそのサービスを指します。
従来のように、処理手順を自社の計算機に組み込んで使うのではなく、ASP事業者が管理する大型計算機にある処理手順を、インターネット経由で利用する形態です。具体的には、ASP事業者が保有するデータセンターの大型計算機に、様々な業務用の処理手順が用意されており、利用者はインターネットに接続することで、これらの処理手順を必要な時に必要なだけ利用することができます。
ASPを利用する最大のメリットは、導入費用を抑えられることです。従来のように、処理手順を購入して自社の計算機に組み込む場合、高額な初期費用が必要でした。しかし、ASPを利用すれば、必要な機能だけを必要な期間だけ利用できるため、初期費用を大幅に削減できます。また、月額料金も利用量に応じて変動するため、費用を予測しやすく、予算管理もしやすくなります。
常に最新の処理手順が使えることも、ASPの大きな利点です。自社で処理手順を管理する場合、新しい型に合わせるための更新作業や、不具合修正のための対応などに、多大な時間と手間がかかります。しかし、ASPでは、事業者が常に最新の状態を維持してくれるため、利用者は常に最新の機能と安全な環境で作業を行うことができます。自社で更新作業を行う必要がないため、管理の手間も大幅に削減できます。
ASPが提供するサービス内容は様々で、財務会計、販売管理、顧客管理など、会社の様々な業務に対応した処理手順が提供されています。会社の規模に関わらず、多くの会社で導入が進んでいます。インターネットに接続できる環境さえあれば、場所を選ばずに利用できるため、在宅勤務の推進にも役立っています。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | アプリケーションサービスプロバイダの略。インターネット経由で業務用処理手順を提供する事業者またはサービス。 |
利用形態 | 自社で処理手順を保有する代わりに、ASP事業者の大型計算機にある処理手順をインターネット経由で利用。 |
メリット | 導入費用削減、常に最新の処理手順利用可能、管理の手間削減、予算管理しやすい。 |
導入費用 | 初期費用を抑えられ、月額料金も利用量に応じて変動。 |
最新機能 | 事業者が常に最新の状態を維持するため、利用者は常に最新の機能と安全な環境で作業可能。 |
サービス内容 | 財務会計、販売管理、顧客管理など多様な業務に対応。 |
導入状況 | 企業規模問わず導入が進み、在宅勤務推進にも貢献。 |
提供されるサービス
アプリケーションサービスプロバイダ(ASP)が提供するサービスは多岐に渡り、企業の様々な課題解決を支援しています。企業活動の基盤となる代表的なサービスとして、日々の金銭の動きを記録・管理する財務会計システム、商品の販売状況を管理する販売管理システム、顧客情報を一元管理する顧客管理システムなどが挙げられます。
これらのシステム以外にも、従業員の情報を管理する人事管理システム、給与計算を自動化する給与計算システム、工場の生産活動を管理する生産管理システムなど、企業内のあらゆる業務に対応した様々なソフトウェアが提供されています。そのため、企業は必要なシステムを個別に導入する手間やコストを削減できます。
近年では、企業全体の経営資源を統合的に管理するためのソフトウェアである統合基幹業務システムパッケージもASPで提供されるようになってきています。従来、このシステムパッケージは導入費用が高額であるため、中小企業にとっては導入が難しいものでした。しかし、ASPの登場により、高額な初期投資をすることなく、必要な機能だけを必要な期間だけ利用することが可能になりました。これにより、中小企業でも高度なシステムを導入しやすくなり、業務効率化や経営の見える化を促進できます。
さらに、ASP事業者によっては、顧客の要望に合わせてシステムを調整する個別対応のサービスを提供している場合があります。そのため、自社の業務内容や規模に最適なシステムを構築し、競争優位性を高めることができます。ASPは、企業の情報システム部門の負担を軽減し、より戦略的な業務に集中できる環境を提供する、現代の企業活動に不可欠な存在と言えるでしょう。
サービスの種類 | 内容 | メリット |
---|---|---|
財務会計システム | 日々の金銭の動きを記録・管理 | 個別に導入する手間やコストを削減 必要な機能だけを必要な期間だけ利用可能 業務効率化や経営の見える化促進 |
販売管理システム | 商品の販売状況を管理 | |
顧客管理システム | 顧客情報を一元管理 | |
人事管理システム | 従業員の情報を管理 | |
給与計算システム | 給与計算を自動化 | |
生産管理システム | 工場の生産活動を管理 | |
統合基幹業務システムパッケージ | 企業全体の経営資源を統合的に管理 | 高額な初期投資をすることなく利用可能 中小企業でも高度なシステム導入を容易に 業務効率化や経営の見える化促進 |
個別対応サービス | 顧客の要望に合わせてシステムを調整 | 自社の業務内容や規模に最適なシステムを構築 競争優位性を高める |
導入のメリット
私たちの提供するサービスを利用する利点は、主に三つあります。一つ目は、費用の節約です。従来のように必要な道具を一式自社で購入する場合、多額の初期費用が必要でした。さらに、仕組みの維持や管理にも費用がかかります。しかし、私たちのサービスを使えば、初期費用を抑え、維持や管理も私たちが行うため、費用を節約できます。二つ目は、常に最新の技術を使えることです。私たちは常に最新の技術を取り入れています。自社で仕組みを作る場合、最新技術への対応は大きな負担となりますが、私たちのサービスを使えば、常に最新の技術の恩恵を受けることができます。三つ目は、仕事の効率が上がることです。私たちのサービスは、仕事に必要な機能がすべて揃っているため、仕事が効率化できます。また、私たちが提供する手助けを利用することで、仕組みの不具合を素早く解決できます。これらの利点により、会社は本来の仕事に集中できます。
利点 | 説明 |
---|---|
費用の節約 | 初期費用を抑え、維持管理費用も削減できます。 |
常に最新の技術を使える | 常に最新の技術を取り入れているため、最新技術の恩恵を受けられます。 |
仕事の効率が上がる | 必要な機能が揃っており、さらにサポートもあるので、効率的に仕事ができます。 |
導入時の注意点
業務を効率化し、維持費を抑えるために、様々な会社でASPの導入が進んでいます。しかし、ASPを導入する際には、いくつかの注意点に気を配る必要があります。導入前にしっかりと確認しておかないと、後々大きな問題に発展する可能性がありますので、注意深く検討しましょう。
まず、最も重要なのは情報保護の対策です。ASPは重要な業務の情報を取り扱うため、情報漏えいや不正アクセスといった脅威から情報を守る必要があります。ASP事業者がどのような対策を実施しているのか、具体的に確認することが不可欠です。例えば、情報通信の暗号化、アクセス制限、不正侵入検知システムの導入状況などを確認しましょう。また、事業者が情報保護に関する資格や認証を取得しているかどうかも、判断材料の一つになります。
次に、安定した利用ができるかを確認しましょう。システムがどれくらい安定して稼働するのか、システムの稼働率を確認する必要があります。また、障害が発生した場合の対応についても、事前に確認しておきましょう。どのくらいの時間で復旧できるのか、連絡体制は整っているかなどを確認することで、安心して利用できます。
さらに、自社の業務内容に合っているかどうかも重要な点です。ASP事業者と綿密な話し合いを行い、自社の業務内容をしっかりと伝えましょう。その上で、ASPが自社の業務に最適なシステムであるか、必要な機能がすべて揃っているかを確認する必要があります。導入後に「こんなはずではなかった」とならないように、事前の確認が大切です。
最後に、契約内容を細かく確認することも忘れてはいけません。利用料金の仕組みや契約期間、解約条件などをしっかりと理解した上で、契約を結びましょう。特に、解約時に発生する費用やデータの移行方法などは、事前に確認しておくことが重要です。契約内容をよく理解せずに契約を結んでしまうと、後々トラブルが発生する可能性があります。以上の点に注意し、ASPの導入を成功させましょう
ASP導入時の注意点 | 詳細 |
---|---|
情報保護対策 | 情報漏えいや不正アクセス対策(暗号化、アクセス制限、不正侵入検知システムなど)の実施状況、情報保護に関する資格・認証の取得状況 |
安定した利用 | システムの稼働率、障害発生時の対応(復旧時間、連絡体制) |
自社業務との適合性 | 自社の業務内容との適合性、必要な機能の網羅性 |
契約内容の確認 | 利用料金の仕組み、契約期間、解約条件(解約費用、データ移行方法など) |
今後の展望
利用者が必要とする機能を必要な時に必要なだけ利用できるという利点を持つ貸与型の情報処理サービスは、今後も成長を続けると考えられます。特に、これまで情報処理の仕組みを自社で持つことが難しかった中小の会社にとって、情報処理への設備投資を抑えつつ最新の技術を取り入れることができるという点で、この仕組みの利用はますます増えていくと予想されます。情報処理の仕組みを外部の会社に任せることで、会社は本来の業務に集中できるという効果も期待できます。
近年広まっている、必要な時に必要なだけ情報処理の資源を借り受けることができる仕組みは、貸与型の情報処理サービスの需要をさらに高めています。インターネットを通じて提供される様々な情報処理の資源を必要な時に借り受けることで、自社で情報処理の仕組みを持つよりも低い費用で、より柔軟に情報処理の能力を調整することが可能になります。
人工知能やあらゆるものがインターネットにつながる仕組みなどの新しい技術を取り入れた貸与型の情報処理サービスも次々と現れており、この分野はこれからも発展していくと考えられます。貸与型の情報処理サービスは、会社の仕事を進める上での効率を高め、費用を減らすことに大きく役立ちます。そのため、今後、多くの会社にとってなくてはならないものになるでしょう。
働く場所や時間が多様化している現代において、貸与型の情報処理サービスは、働く人が場所を選ばずに仕事ができる環境を作る上で重要な役割を担っています。いつでもどこでも仕事ができる環境はますます求められており、貸与型の情報処理サービスの重要性は今後さらに高まっていくと考えられます。
貸与型情報処理サービスの利点 | 詳細 | 対象 |
---|---|---|
必要な機能を必要な時に必要なだけ利用できる | 情報処理への設備投資を抑えつつ最新の技術を取り入れられる | 中小企業 |
本来業務への集中 | 情報処理の仕組みを外部会社に任せることで実現 | 全企業 |
低費用と柔軟な能力調整 | 必要な時に必要なだけ情報処理資源を借り受けることで実現 | 全企業 |
新しい技術の活用 | AIやIoTなどの新技術を取り入れたサービスが登場 | 全企業 |
業務効率向上と費用削減 | – | 全企業 |
場所を選ばない働き方の実現 | いつでもどこでも仕事ができる環境を提供 | 働く人 |