オンプレミスとは?メリット・デメリット、クラウドとの違いを解説

オンプレミスとは?メリット・デメリット、クラウドとの違いを解説

ITの初心者

先生、『on-premise』って最近よく聞くけど、どういう意味ですか?

ITアドバイザー

そうだね。『on-premise』は、会社がコンピューターやシステムを自分たちで持っていて、会社の中で使うやり方のことだよ。

ITの初心者

じゃあ、会社の中にコンピューターを置いておくってこと?

ITアドバイザー

そう! 自分たちで管理するから、自由度は高いけど、その分、設置や管理に手間もお金もかかるんだ。最近はインターネットを通じて必要な時に必要なだけ使う『クラウドコンピューティング』が増えてきたから、それと比較して使われる言葉なんだよ。

on-premiseとは。

情報技術の分野で使われる「オンプレミス」という言葉について説明します。「オンプレミス」とは、会社などが情報システムの機器を自社で所有し、ソフトウェアも自分で導入して運用することを指します。従来は、情報システムといえば自社で運用するのが当たり前だったので、特にこの形態を表す言葉はありませんでした。しかし、近年、インターネットを通じて情報システムを遠隔で利用するクラウドコンピューティングやクラウドサービスが広まってきたことで、従来の自社運用を表す「オンプレミス」という言葉が生まれたのです。「premise」は英語で「建物」や「構内」、「店内」という意味を持つ単語です。

オンプレミスとは

オンプレミスとは

– オンプレミスとはオンプレミスとは、情報システムを構築し運用する方法の1つで、サーバーやネットワーク機器といったハードウェアから、システムを動かすためのソフトウェアまで、全て自社の設備で管理し運用する形態を指します。かつては情報システムといえば、このオンプレミスが一般的でした。企業は、自社のニーズに合わせたシステムを構築するため、必要なサーバーやソフトウェアを購入し、自社の建物内に設置して運用していました。専門の担当者を雇い、システムの保守や管理を任せることも少なくありませんでした。しかし、近年ではクラウドコンピューティングの登場により、情報システムのあり方も変化しつつあります。クラウドコンピューティングとは、インターネット経由でサーバーやソフトウェアなどのITリソースを利用するサービスです。必要な時に必要な分だけ利用でき、初期費用も抑えられることから、多くの企業で導入が進んでいます。このような状況の中、従来型の情報システム運用形態を明確に示す言葉として、「オンプレミス」という言葉が使われるようになりました。クラウドコンピューティングと比較した場合、オンプレミスは初期費用がかかる、運用管理に手間がかかるといったデメリットがある一方、セキュリティ面で安心感がある、自社専用のシステムを構築できるといったメリットもあります。企業は、自社のニーズや状況に合わせて、オンプレミスとクラウドコンピューティングのどちらを選択するか、あるいは組み合わせるかを検討する必要があります。

項目 内容
定義 情報システムを構築・運用する方法の一つで、ハードウェアからソフトウェアまで全て自社設備で管理・運用する形態
従来の主流 かつては情報システムといえばオンプレミスが一般的だった
メリット – セキュリティ面で安心感がある
– 自社専用のシステムを構築できる
デメリット – 初期費用がかかる
– 運用管理に手間がかかる
クラウドコンピューティングの登場 – インターネット経由でITリソースを利用するサービス
– 必要な時に必要な分だけ利用でき、初期費用を抑えられる
– 多くの企業で導入が進んでいる
今後の選択 企業は、ニーズや状況に合わせて、オンプレミスとクラウドコンピューティングのどちらを選択するか、あるいは組み合わせるかを検討する必要がある

オンプレミスのメリット

オンプレミスのメリット

– オンプレミスのメリット

オンプレミスとは、自社の施設内にサーバーなどの情報システムを設置し、運用する形態を指します。近年ではクラウドコンピューティングの普及により、その存在意義が問われることもありますが、オンプレミスには以下のような独自のメリットが存在します。

まず、セキュリティやシステムに関する柔軟性の高さが挙げられます。クラウドサービスでは、サービス提供事業者のセキュリティ対策やシステム仕様に依存しますが、オンプレミスであれば自社のポリシーに基づいたセキュリティ対策を講じることができ、必要なシステムを自由に構築・運用できます。特に、機密性の高い情報を扱う企業や、独自の業務システムが必要な企業にとって、自社で全てを管理できる安心感は大きな魅力と言えるでしょう。

また、長期的な運用を見据えた場合、クラウドサービスと比較してコストを抑えられる可能性もあります。クラウドサービスは利用量に応じた料金が発生するため、長期的に利用すると高額になる可能性があります。一方、オンプレミスは初期費用はかかりますが、長期的に運用することでコストメリットが生まれる場合があります。ただし、ハードウェアの維持管理や更新費用などが発生するため、注意が必要です。

このように、オンプレミスは自社専用のシステムを構築できるため、柔軟性やセキュリティ面で優れており、長期的なコスト削減の可能性も秘めています。一方で、導入や運用には専門的な知識や人材が必要となるため、自社の状況に合わせて慎重に検討する必要があります。

メリット 解説
セキュリティやシステムに関する柔軟性が高い – 自社ポリシーに基づいたセキュリティ対策が可能
– 必要なシステムを自由に構築・運用できる
– 機密性の高い情報を扱う企業や独自の業務システムが必要な企業に最適
長期的な運用でコストを抑えられる可能性 – クラウドサービスと比較して、長期的な利用でコストメリットが出る場合がある
– 初期費用はかかるが、運用コストを抑えられる
– ハードウェアの維持管理や更新費用には注意が必要

オンプレミスのデメリット

オンプレミスのデメリット

– オンプレミスのデメリットオンプレミスは自社でシステムを管理するため、自由度が高いというメリットがある一方で、導入や運用には費用と手間がかかるという側面も持ち合わせています。まず、初期費用としてサーバーやネットワーク機器などのハードウェアを購入する必要があるため、多額の費用が発生します。また、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアのライセンス費用も必要となります。さらに、システムを物理的に設置するためのスペースも確保しなければなりません。運用面においても、システムの保守や運用を行う人材を確保する必要があるため、人件費がかかります。また、システムの故障やトラブル発生時には、迅速な対応が必要となり、担当者の負担が大きくなってしまう可能性もあります。さらに、ビジネスの成長や変化に合わせてシステムを拡張したり、更改したりする際には、オンプレミスでは手間と費用がかかるという問題もあります。場合によっては、ハードウェアの入れ替えやシステムの再構築が必要になることもあり、その間は業務が停止してしまう可能性も考慮しなければなりません。このように、オンプレミスは導入や運用に費用と手間がかかるというデメリットがあるため、自社の経営状況やシステムの規模などを考慮した上で、導入を検討する必要があります。

メリット デメリット
自由度が高い 導入や運用に費用と手間がかかる
初期費用としてハードウェア購入費用やソフトウェアライセンス費用、設置スペースが必要
運用面では、人材確保による人件費やシステムの保守運用が必要
故障やトラブル発生時の迅速な対応が必要で、担当者の負担が大きい
ビジネスの成長や変化への対応として、システム拡張や更改に手間と費用がかかる。

クラウドとの違い

クラウドとの違い

– クラウドとの違い近年、急速に普及が進んでいるクラウドコンピューティング。インターネットを通じて、必要な時に必要なだけ情報システム資源を利用できるサービスとして、多くの企業で導入が検討されています。一方、従来からあるオンプレミスは、自社でサーバーやネットワークなどの情報システム資源を保有し、運用する形態です。では、クラウドコンピューティングとオンプレミスは何が違うのでしょうか?最も大きな違いは、情報システム資源をどこで保有し、誰が管理するかという点にあります。クラウドコンピューティングでは、サーバーやネットワークなどの情報システム資源は、クラウド事業者が保有・管理します。利用者は、インターネット経由でこれらの資源にアクセスし、必要なサービスを利用します。そのため、自社で高額なサーバーやネットワーク機器を購入する必要がなく、初期費用を大幅に抑えることができます。また、システムの運用や保守もクラウド事業者が行うため、情報システム部門の負担を軽減できるのも大きなメリットです。一方、オンプレミスでは、自社で情報システム資源を保有し、管理する必要があります。そのため、初期費用は高額になりますが、システム全体を自社で自由に設計・構築できるというメリットがあります。また、機密性の高いデータやシステムを扱う場合、セキュリティ面で安心感があるという点も挙げられます。このように、クラウドコンピューティングとオンプレミスにはそれぞれメリットとデメリットがあります。どちらの形態が適しているかは、企業の規模や事業内容、IT戦略によって異なります。重要なのは、それぞれの特性を理解した上で、自社のニーズに最適な選択をすることです。

項目 クラウド オンプレミス
情報システム資源の保有と管理 クラウド事業者 自社
初期費用 低い 高い
運用・保守 クラウド事業者 自社
セキュリティ クラウド事業者に依存 自社で管理可能
自由度 低い 高い
メリット – 低コスト
– 運用負荷の軽減
– 高いセキュリティ
– システムの自由度が高い
デメリット – セキュリティへの不安
– システムの自由度が低い
– 高コスト
– 運用負荷が高い
向き不向き – コストを抑えたい企業
– 情報システム部門の負担を軽減したい企業
– 機密性の高いデータを扱う企業
– システムに高い要件を求める企業

どのような企業に向いているか

どのような企業に向いているか

– どのような企業に向いているか自社のシステムを構築する際、従来型のオンプレミス型にするか、それとも最新のクラウドコンピューティングにするか、企業にとって大きな選択となります。どちらにもメリットとデメリットがあるため、それぞれの特性を理解した上で、自社のニーズに合った方を選ぶことが重要です。オンプレミス型は、自社でサーバーやネットワーク機器などの情報システム資源を一括して管理・運用する方法です。この方法は、特にセキュリティやコンプライアンスの観点から厳格な管理体制が求められる企業や、独自のシステム構築やカスタマイズが必要な企業に向いています。例えば、金融機関や医療機関など、顧客情報や機密情報を厳重に保護する必要がある企業や、製造業など、自社の業務プロセスに特化したシステムを構築する必要がある企業などが挙げられます。一方、クラウドコンピューティングは、インターネット経由でサーバーやストレージなどの情報システム資源をサービスとして利用する方法です。初期費用を抑えたい、システム運用管理の負担を軽減したい、柔軟なシステム拡張を求める企業に向いています。例えば、スタートアップ企業や中小企業など、情報システムへの投資を抑えたい企業や、急成長している企業など、システムの拡張性や柔軟性を重視する企業などが挙げられます。このように、オンプレミス型とクラウドコンピューティングは、それぞれ異なる特徴を持つため、自社のニーズや状況に合わせて最適な方を選択することが重要です。

オンプレミス型 クラウドコンピューティング
特徴 自社で情報システム資源を一括管理・運用 インターネット経由で情報システム資源をサービスとして利用
メリット – セキュリティやコンプライアンスの観点から厳格な管理が可能
– 独自のシステム構築やカスタマイズが可能
– 初期費用を抑えられる
– システム運用管理の負担軽減
– 柔軟なシステム拡張が可能
デメリット – 初期費用や運用コストがかかる
– システムの拡張性や柔軟性に欠ける場合がある
– セキュリティやコンプライアンスのリスク管理が重要
– サービス提供者の選定が重要
向いている企業 – セキュリティやコンプライアンス重視
– 独自システム構築やカスタマイズ必要
例:金融機関、医療機関、製造業など
– 初期費用を抑えたい
– システム運用管理の負担軽減を望む
– 柔軟なシステム拡張を求める
例:スタートアップ企業、中小企業、急成長企業など

まとめ

まとめ

– まとめ

情報システムを構築する際、従来型のオンプレミスと近年普及が進むクラウドコンピューティングという二つの選択肢があります。どちらにも利点と欠点があり、企業の規模や事業内容、システムへの要求、そして予算などを総合的に考慮して最適な方を選択する必要があります。

オンプレミスは、自社でサーバーやソフトウェアなどの情報システム資源を一括して管理する形態です。初期費用は高額になりがちですが、長期的に運用する場合には費用を抑えられる可能性があります。また、機密性の高いデータを扱う企業にとっては、セキュリティレベルを自社で管理できる点も魅力です。しかし、導入までに時間がかかり、専門知識を持つ人材の確保も必要となります。

一方、クラウドコンピューティングは、インターネットを通じて必要な時に必要なだけ情報システム資源を利用する形態です。初期費用を抑えられ、導入も比較的スムーズに行えます。また、利用状況に応じて柔軟にシステムの規模を変更できるため、変化の激しいビジネス環境にも対応しやすい点がメリットとして挙げられます。しかし、インターネット接続が必須となるため、通信環境に左右される可能性があります。また、データは外部のデータセンターに預けることになるため、セキュリティ面で不安を感じる場合もあるかもしれません。

情報システムの導入は、企業にとって重要な意思決定です。それぞれの特性を理解した上で、自社のニーズに最適な選択をするようにしましょう。

項目 オンプレミス クラウドコンピューティング
費用 初期費用は高額だが、長期運用でコスト削減の可能性あり 初期費用が抑えられ、利用状況に応じた課金
導入期間 導入までに時間がかかる 比較的スムーズに導入可能
運用・管理 自社でサーバーやソフトウェアなどを管理する必要があるため、専門知識が必要 専門知識がなくても運用・管理が容易
セキュリティ 自社でセキュリティレベルを管理できる データセンターのセキュリティレベルに依存する
柔軟性 システムの規模変更は柔軟性に欠ける 利用状況に応じて柔軟にシステムの規模変更が可能
その他 機密性の高いデータを扱う企業に向いている インターネット接続が必須