共通部品で効率アップ:DLL
ITの初心者
先生、『DLL』って複数のアプリで共通部分を再利用できるって書いてあるけど、どういうことですか? 例えば、文字を表示する機能とかもDLLになるんですか?
ITアドバイザー
そうだね。文字を表示する機能のような、多くのアプリで使う基本的な機能がDLLになることが多いよ。例えば、色々なアプリで同じフォントで文字が表示されるのは、共通のDLLを使っているからなんだ。
ITの初心者
なるほど。じゃあ、もしDLLに不具合があったら、それを利用している全部のアプリに影響が出ちゃうってことですか?
ITアドバイザー
その通り!DLLを使うことで開発効率は上がるけど、もしDLLに問題があれば、それを利用している全てのアプリに影響が出ることがある。だから、DLLの管理はとても重要なんだよ。
DLLとは。
『DLL』と呼ばれる情報技術の用語について説明します。DLLとは、たくさんのアプリケーションソフトで共通して使われる部分を、コンピューターの基本ソフト(OS)にファイルとして保存しておき、必要な時に呼び出して使う仕組み、またはそのプログラムそのものを指します。あらかじめ用意されている部品を使うので、新しいソフトを作る手間が省け、開発の効率が良くなります。また、必要な情報を何度も保存する必要がないので、記録装置や作業用のメモリの容量も節約できます。DLLは『ダイナミックリンクライブラリー』の頭文字をとったもので、『ライブラリー』とは、部品のようにまとめられたプログラムが入ったファイルを意味します。
共通部品の考え方
様々な応用ソフトを作る時、たくさんのソフトで共通して使われる機能や処理があることに、よく気が付きます。例えば、画面に文字を出す、記録を読み書きする、といった基本的な操作は、ほとんどのソフトで必要になります。これらの共通部分を、ソフトを作るたびに一から作るのは、無駄が多く、作る速度が遅くなる原因となります。
そこで、共通部分をまとめて一つの部品のように用意し、必要な時にそれぞれのソフトから呼び出して使うという考え方が生まれました。これは、例えるなら、家を作る時に、毎回、釘やネジを手作りするのではなく、既製品を使うようなものです。同じ釘やネジを様々な場所で使い回すことで、作る手間を省き、効率的に家を作ることができます。
部品化された共通部分は、まるで積み木のように、様々なソフト開発で自由に組み合わせることが可能です。例えば、文字を表示する部品、計算をする部品、通信をする部品などを用意しておけば、これらの部品を組み合わせて、様々な機能を持つソフトを簡単に作ることができます。これは、まるで、様々な形の積み木を組み合わせて、家や車など、様々なものを作るようなものです。
このように、共通部分を部品として用意し、再利用することで、ソフト開発の効率を大幅に向上させることが可能です。また、同じ部品を複数のソフトで共有することで、ソフトの品質を均一化することもできます。もし、部品に不具合があった場合でも、その部品だけを修正すれば、すべてのソフトに修正が反映されるため、維持管理の手間も大幅に削減できます。これは、家を作る際に、ある部品に欠陥が見つかった場合、その部品を取り替えるだけで、すべての家に修正が反映されるようなものです。
共通部品の考え方は、ソフト開発の効率化に大きく貢献しており、現代のソフト開発においては欠かせないものとなっています。
共通部品の考え方 | 具体例 | メリット |
---|---|---|
ソフトで共通して使われる機能や処理を部品化し、再利用する。 | 画面に文字を出す、記録を読み書きするなど。釘やネジを既製品として使い回すようなもの。 | 開発速度の向上、品質の均一化、維持管理の手間の削減。 |
部品は積み木のように自由に組み合わせることが可能。 | 文字を表示する部品、計算をする部品、通信をする部品などを組み合わせて様々な機能のソフトを作る。様々な形の積み木を組み合わせて家や車などを作るようなもの。 | 様々な機能を持つソフトを簡単に作れる。 |
部品に不具合があった場合、その部品だけを修正すれば良い。 | 家の部品に欠陥があった場合、その部品を取り替えるだけで修正が反映されるようなもの。 | 修正が容易 |
部品の保管場所
部品を保管する場所は、共通の部品をまとめて保存することで、作業効率を高める上で非常に大切です。部品とは、例えば、機械を作るためのネジや歯車、あるいは、建物を作るための木材やコンクリートブロックといったものを指します。これらの部品を整理整頓して保管することで、必要な時にすぐに取り出すことができ、作業時間を短縮することができます。
部品の保管場所には、幾つかの種類があります。まず、倉庫は、大量の部品を保管するのに適した場所です。倉庫内は、部品の種類や大きさごとに整理され、棚やパレットに保管されます。また、工場内の保管場所として、部品棚や保管庫などが用いられます。これらは、作業現場の近くに設置され、頻繁に使用する部品を保管するのに便利です。さらに、部品供給業者は、自社の倉庫で部品を保管し、顧客からの注文に応じて部品を配送します。
部品を保管する際には、幾つかの点に注意する必要があります。まず、部品の種類や特性に合わせて適切な保管方法を選ぶことが重要です。例えば、湿気に弱い部品は、乾燥した場所に保管する必要があります。また、重い部品は、安全に保管できるよう、専用の棚やパレットを使用する必要があります。さらに、部品を整理整頓し、どこに何が保管されているかを明確にすることも大切です。これにより、必要な部品をすぐに探し出すことができます。また、定期的に在庫を確認し、不要な部品を処分することで、保管スペースを有効活用することができます。
このように、部品の保管場所は、作業効率の向上に欠かせないものです。適切な保管場所を選び、部品を整理整頓して保管することで、作業時間を短縮し、生産性を高めることができます。
項目 | 説明 |
---|---|
部品の例 | 機械部品(ネジ、歯車)、建築材料(木材、コンクリートブロック) |
保管場所の種類 | 倉庫、工場内(部品棚、保管庫)、部品供給業者の倉庫 |
倉庫 | 大量保管に適した場所。種類/大きさごとに整理、棚/パレットに保管 |
工場内保管場所 | 作業現場近くに設置。頻繁に使用する部品を保管 |
部品供給業者 | 自社倉庫で保管、注文に応じて配送 |
保管時の注意点 | 種類/特性に合わせた保管方法、湿気に弱い部品は乾燥した場所に保管、重い部品は専用棚/パレット使用、整理整頓、在庫確認と不要部品の処分 |
呼び出しと利用
応用ソフトが持つ様々な機能は、時に応用ソフト自身ではなく、部品となる別の小さなプログラムに処理を委託することで実現されます。この部品プログラムは「動的リンクライブラリ」、略して「ライブラリ」と呼ばれ、多くの応用ソフトで共通して使われる機能をまとめて提供しています。
例えるなら、ある仕事を行う際に、全てを自分一人でこなすのではなく、専門業者に外注するように、応用ソフトも自分自身ですべての処理を行うのではなく、ライブラリという専門業者に処理を依頼するのです。応用ソフトは、必要な処理とデータだけをライブラリに伝え、ライブラリは処理を終えた結果を応用ソフトに返します。この一連の流れを「呼び出し」と呼びます。
応用ソフトはライブラリ内部の複雑な仕組みを理解する必要はありません。ただ、どのような処理を依頼すれば、どのような結果が返ってくるのかを知っていれば良いのです。これは、専門業者に依頼する際に、作業内容の詳細は分からなくても、最終的な成果物が得られれば良いのと同じです。
また、ライブラリには、修正や更新が容易という利点があります。もし、共通で使われている機能に不具合が見つかった場合、ライブラリだけを修正すれば、そのライブラリを利用している全ての応用ソフトに修正が反映されます。これは、それぞれの応用ソフトを一つ一つ修正するよりも、作業の手間を大幅に削減でき、効率的です。
このように、ライブラリを呼び出して利用する仕組みは、応用ソフト開発の効率化に大きく貢献しています。複数の応用ソフトで共通の機能を再利用することで、開発の手間を省き、保守作業も容易にする、まさに「縁の下の力持ち」と言えるでしょう。
項目 | 説明 | メリット |
---|---|---|
動的リンクライブラリ(ライブラリ) | 応用ソフトが機能実現のために呼び出す部品プログラム。多くの応用ソフトで共通利用される機能を提供。 | 開発効率向上、保守作業の容易化 |
呼び出し | 応用ソフトがライブラリに処理とデータを渡し、結果を受け取る一連の流れ。 | 応用ソフトはライブラリ内部の仕組みを理解する必要がない。 |
ライブラリの修正・更新 | ライブラリを修正すれば、利用する全ての応用ソフトに反映される。 | 修正作業の手間を大幅に削減。 |
再利用性 | 複数の応用ソフトで共通の機能を再利用できる。 | 開発の手間を省く。 |
開発効率の向上
プログラムを作る際、共通で使える部品があると、作業がとても楽になります。例えるなら、家を作る時に、毎回レンガから作るのではなく、既製の窓やドアを使うようなものです。同じように、プログラム開発においても、既に作られた部品を再利用することで、開発にかかる時間や費用を大幅に減らすことができます。この再利用可能な部品の一つが、DLLと呼ばれるものです。
DLLとは、色々なプログラムが共通して使える機能をまとめて格納したものです。例えば、画面に文字を表示する機能や、計算を行う機能などがDLLに含まれています。開発者は、これらの機能を一から作る必要はなく、DLLから呼び出して使うことができます。これにより、開発期間を短縮できるだけでなく、開発にかかる費用も抑えられます。また、開発者は本来の開発作業に集中できるようになるため、限られた人員をより有効に活用できます。
さらに、DLLを使うことのメリットは効率化だけではありません。既に広く使われ、十分にテストされたDLLを使うことで、プログラム全体の品質を高めることにも繋がります。自分で一から機能を作ると、どうしても新しい欠陥が入り込む可能性があります。しかし、実績のあるDLLを使うことで、そのようなリスクを減らし、より安定した動作を実現できます。これは、まるで信頼できるメーカー製の窓やドアを使うことで、家の耐久性を高めるようなものです。DLLを使うことで、開発者はより高品質なプログラムを、より短い期間で、より少ない費用で作り上げることができるのです。
項目 | 内容 |
---|---|
DLLの定義 | 様々なプログラムが共通して使える機能をまとめて格納した部品 |
DLLの例 | 画面に文字を表示する機能、計算を行う機能など |
DLLを使うメリット |
|
DLLの比喩 | 家を作る際に既製の窓やドアを使うようなもの |
資源の有効活用
昨今の電子計算機は、多くの情報を扱うため、記憶装置や作業領域の大きさが重要となっています。これらの資源をうまく使うことは、計算機の性能を大きく左右します。その中で、動的リンクライブラリ(略称DLL)は、資源の有効活用に大きく貢献する技術です。
DLLは、プログラムの一部を部品のように切り出したものです。複数のプログラムで共通して使う機能をDLLとしてまとめておくことで、それぞれのプログラムに同じ機能を組み込む必要がなくなります。例えば、文字を表示する機能や計算を行う機能など、多くのプログラムで必要とされる基本的な機能をDLLとして作成し、各プログラムから利用できるようにします。
このように、DLLを用いることで、記憶装置の容量を節約できます。同じ機能を複数のプログラムに持たせる必要がないため、記憶装置に保存する情報量を減らすことができます。これは、限られた記憶装置に、より多くのプログラムを格納できることを意味します。また、プログラムを起動する際に必要な記憶装置への読み込み時間も短縮され、起動を速くすることができます。
DLLは、作業領域の節約にも効果があります。プログラムが実行されるとき、プログラムは作業領域に読み込まれます。DLLを用いると、共通の機能は一度だけ作業領域に読み込まれ、複数のプログラムから共有されます。これにより、作業領域の使用量を削減し、他のプログラムのためにより多くの作業領域を確保することができます。
作業領域の使用量が減ることは、計算機の全体的な性能向上に繋がります。作業領域に余裕があることで、プログラムはよりスムーズに動作し、処理速度も向上します。また、複数のプログラムを同時に実行する場合でも、作業領域の不足による処理の遅延や停止を防ぐことができます。このように、DLLは、限られた資源を有効に活用することで、計算機の性能を最大限に引き出す重要な役割を担っています。
DLLのメリット | 説明 | 効果 |
---|---|---|
記憶装置の節約 | 共通機能をDLLにまとめて、複数のプログラムで共有することにより、同じ機能を各プログラムに重複して持たせる必要がなくなる。 | 記憶容量の削減、プログラムの起動時間の短縮、より多くのプログラムの格納 |
作業領域の節約 | 共通機能をDLLにまとめて、複数のプログラムで共有することにより、作業領域への読み込みが一度で済む。 | 作業領域の使用量削減、他のプログラムへの作業領域の確保、プログラムの処理速度向上、同時実行時の処理遅延/停止の防止 |
名前の由来
「ディー・エル・エル」とは、「ダイナミック・リンク・ライブラリ」のそれぞれの単語の頭文字をとったものです。これは、プログラムを作る際に欠かせない部品のようなものです。それぞれの単語が持つ意味を紐解くと、この名前の由来と、その働きがよく分かります。
まず「ダイナミック・リンク」とは、必要な時に必要な部品だけを読み込むことを意味します。例えるなら、大きなおもちゃを作るのに、全部の部品を最初からくっつけるのではなく、遊ぶ時に必要な部品だけをくっつけるようなものです。プログラムを実行する時に、全部の部品を読み込む必要がないので、コンピュータの負担を軽くし、動きを速くすることができます。また、部品を後から変更したり、追加したりすることも簡単になります。
次に「ライブラリ」とは、プログラムを作る際に使える部品を集めた倉庫のようなものです。よく使う部品をまとめてライブラリとして保管しておけば、必要な時にすぐに取り出して使うことができます。同じ部品を何度も作る必要がないので、開発にかかる時間や手間を省くことができます。また、部品を修正する際も、ライブラリにある部品を一つ修正するだけで、その部品を使っているすべてのプログラムに修正が反映されるので、管理の手間も大幅に減らすことができます。
つまり「ダイナミック・リンク・ライブラリ」とは、必要な時に、必要な部品だけを、部品倉庫から取り出して使うことができる仕組みのことです。この仕組みのおかげで、プログラムはより柔軟で効率的に作られ、私たちのコンピュータは快適に動作しているのです。
用語 | 意味 | メリット |
---|---|---|
ダイナミックリンク | 必要な時に必要な部品だけを読み込む | コンピュータの負担軽減、動作速度向上、部品の変更・追加が容易 |
ライブラリ | プログラムで使える部品を集めた倉庫 | 開発時間・手間削減、修正の手間削減、部品の再利用性向上 |
ダイナミックリンクライブラリ(DLL) | 必要な時に、必要な部品だけを、部品倉庫から取り出して使うことができる仕組み | プログラムの柔軟性・効率性向上、コンピュータの快適な動作 |