FORTRAN:科学技術計算の立て役者

FORTRAN:科学技術計算の立て役者

ITの初心者

先生、『FORTRAN』って聞いたことあるんですけど、どんなものですか?

ITアドバイザー

「FORTRAN」は、コンピューターにお仕事をさせるための言葉の一つなんだ。人間とコンピューターが意思疎通をするための言葉だと考えてもいいよ。

ITの初心者

コンピューターと話すための言葉…ですか?なんだか難しそうですね。

ITアドバイザー

「FORTRAN」は、特に科学技術の計算に強い言葉として知られているんだ。例えば、宇宙開発や天気予報など、複雑な計算が必要な分野で活躍しているんだよ。

FORTRANとは。

「FORTRAN」は、コンピューターにお仕事をさせるための言葉の一つです。1956年にIBMという会社で作られました。人間にも分かりやすい言葉で命令を書けるようにした、世界で初めて実用化された言葉の一つです。特に、科学や技術の計算に強みがあります。「FORTRAN」という名前は、「数式変換」という意味の英語「formula translation」に由来しています。

初期の高級言語

初期の高級言語

– 初期の高級言語1956年、IBM社にて画期的なプログラミング言語が誕生しました。それが「FORTRAN」です。その名の由来は「Formula Translation(数式翻訳)」にあり、当時としては非常に画期的なものでした。コンピュータ黎明期において、機械への指示は「機械語」と呼ばれる複雑な記号の羅列によって行われていました。これは人間にとって理解が難しく、プログラム作成の大きな障壁となっていました。FORTRANの登場はこの状況を一変させます。FORTRANは、人間にとって比較的理解しやすい数式に近い形でプログラムを記述できる「高級言語」と呼ばれる言語の先駆けとなりました。これにより、従来よりもはるかに効率的にプログラムを作成することが可能となり、科学技術計算の分野を中心に広く普及しました。FORTRANの登場は、その後のプログラミング言語の発展に大きく貢献しました。人間にとってより分かりやすく、使いやすい言語の開発が促進され、コンピュータの利用範囲は飛躍的に拡大していくことになります。

項目 内容
言語名 FORTRAN
由来 Formula Translation(数式翻訳)
登場時期 1956年
開発元 IBM社
特徴 * 人間にとって理解しやすい数式に近い形でプログラムを記述できる高級言語
* 当時主流だった機械語と比べて、プログラム作成が容易になった
影響 * プログラミング言語の発展に大きく貢献
* コンピュータの利用範囲の拡大を促進

科学技術計算における強み

科学技術計算における強み

– 科学技術計算における強み

FORTRANは、科学技術計算の分野で長年にわたり愛用されてきました。その理由として、計算速度の速さが挙げられます。FORTRANが開発された当時、プログラムは人間が理解しやすいように設計された言語で書かれていましたが、コンピュータで実行するためには機械語と呼ばれるコンピュータ専用の言葉に変換する必要がありました。

FORTRANは、この変換を効率的に行う「コンパイラ」と呼ばれるプログラムをいち早く採用しました。コンパイラは、FORTRANで書かれたプログラムを直接機械語に変換するため、プログラムの実行速度が格段に向上しました。

この高速な計算処理能力は、物理学や工学などの分野で必要とされる複雑な計算処理に最適でした。例えば、航空機の設計、気象予測、原子力エネルギーの研究など、膨大な量のデータ処理や複雑なシミュレーションには、FORTRANの高速な計算能力が不可欠だったのです。

さらに、FORTRANはスーパーコンピュータなど、大規模な計算機システムにも広く採用されました。スーパーコンピュータは、当時の一般的なコンピュータでは処理できないような、非常に大規模な計算を高速に行うために開発されたものでした。FORTRANは、そのスーパーコンピュータの性能を最大限に引き出すために欠かせないプログラミング言語として、科学技術の進歩に大きく貢献しました。

特徴 詳細 具体例
計算速度の速さ – コンピュータが理解しやすい機械語に効率的に変換
– プログラムの実行速度が向上
– 航空機の設計
– 気象予測
– 原子力エネルギーの研究
スーパーコンピュータでの採用 – 大規模な計算を高速に処理
– 科学技術の進歩に貢献

現代におけるFORTRAN

現代におけるFORTRAN

– 現代におけるFORTRANFORTRANは誕生から半世紀以上が経ちますが、科学技術計算の分野を中心に、現在も幅広く利用されています。その理由の一つに、過去のプログラム資産との互換性の高さが挙げられます。FORTRANは長年にわたり開発・改良が続けられてきたため、古いプログラムを新しいシステム環境でも比較的容易に動作させることができます。これは、貴重な研究データやプログラム資産を継承できるという大きなメリットになります。例えば、数十年前の気象観測データは、当時のFORTRANプログラムで処理されていたかもしれません。しかし、FORTRANの高い互換性のおかげで、現代のコンピュータでも当時のプログラムをほぼそのまま実行し、過去のデータ解析を行うことができます。これは他のプログラミング言語では難しいことです。さらに、FORTRANは進化を続けている言語でもあります。近年では、オブジェクト指向といった新しいプログラミングの概念も規格に取り入れられています。これにより、FORTRANは最新のプログラミング技術にも対応できるようになり、より複雑で大規模な計算にも柔軟に対応できるようになっています。このように、FORTRANは伝統と先進性を兼ね備えた言語と言えるでしょう。過去の資産を生かしながら、最新の技術にも対応していくFORTRANは、今後も科学技術計算の分野において重要な役割を担っていくと考えられます。

特徴 詳細
互換性の高さ – 長年の開発により、古いプログラムも新しいシステム環境で動作可能
– 過去のプログラム資産や研究データの継承が可能
進化し続ける言語 – オブジェクト指向などの新しいプログラミング概念も導入
– 複雑で大規模な計算にも対応可能
まとめ 伝統と先進性を兼ね備え、今後も科学技術計算で重要な役割を担う

FORTRANの学習

FORTRANの学習

– FORTRANの学習FORTRANは、他のプログラミング言語と比較して、習得しやすいと言われています。その理由としては、比較的単純な文法と、科学技術計算に特化した機能が充実している点が挙げられます。FORTRANの文法は、英語の文語に近い表現を用いているため、プログラムの構造を理解しやすくなっています。また、変数や配列の宣言も直感的で、初心者でも容易に扱うことができます。さらに、FORTRANは科学技術計算の分野で長く使われてきた歴史があり、その用途に特化した様々な機能が備わっています。例えば、複素数や行列演算、高速フーリエ変換などの複雑な計算を、少ないコード量で効率的に実行することができます。そのため、科学技術計算の専門知識を持つ人にとって、FORTRANは自身の専門知識を活かし、高度なプログラムを開発しやすい言語と言えるでしょう。このような特徴から、FORTRANは現在でも多くの大学や研究機関で講義が行われており、科学技術計算の基礎を学ぶための重要な言語としての役割を担っています。初めてプログラミングを学ぶ学生や、科学技術計算の分野に進もうと考えている人にとって、FORTRANは最適な選択の一つと言えるでしょう。

特徴 詳細
習得しやすさ – 比較的単純な文法
– 科学技術計算に特化した機能
文法 – 英語の文語に近い表現
– プログラム構造が理解しやすい
変数・配列 – 宣言が直感的
– 初心者でも容易に扱える
科学技術計算の機能 – 複素数や行列演算
– 高速フーリエ変換
– 少ないコード量で効率的な実行が可能
教育機関での役割 – 大学や研究機関で講義が行われている
– 科学技術計算の基礎を学ぶための重要な言語
対象者 – 初めてプログラミングを学ぶ学生
– 科学技術計算の分野に進もうと考えている人