BASIC入門:初めてのプログラミング言語
ITの初心者
先生、『BASIC』って昔のプログラミング言語ですよね?今は使われていないのですか?
ITアドバイザー
うん、確かに昔は広く使われていたけれど、今は新しい種類の『BASIC』もあるんだよ。マイクロソフトが作った『Visual Basic』などは、今でも仕事で使われていることがあるよ。
ITの初心者
そうなんですね!昔の『BASIC』と今の『BASIC』って何が違うんですか?
ITアドバイザー
昔の『BASIC』は、簡単な計算や文字の表示が中心だった。今の『BASIC』は、絵や画面を使った、もっと複雑なプログラムも作れるようになっているんだよ。例えば、ゲームを作ったり、会社の事務処理システムを作ったりもできるんだ。
BASICとは。
『ベーシック』という情報処理に関する言葉について説明します。ベーシックは、計算機に指示を出すための言葉の一つで、1964年にアメリカのダートマス大学で、フォートランという別の言葉を土台にして作られました。人と計算機がやり取りしながら使えることや、初心者にも扱いやすいことから、1970年代の終わりから1980年代にかけて広く使われるようになりました。マイクロソフト社が作ったビジュアルベーシックなど、ベーシックを元に作られた様々な言葉もあります。
BASICとは
「BASIC」とは、初心者でも気軽にプログラム作りを始められる言語です。その名前は「初心者向けの万能記号命令コード」を意味する英語「Beginner’s All-purpose Symbolic Instruction Code」の略語です。1964年に、アメリカ合衆国にあるダートマス大学で生まれました。
当時の計算機は、専門家しか扱えない複雑な機械でした。しかし、BASICの登場によって、より多くの人が計算機に触れる機会が得られるようになりました。BASICは、分かりやすい文法と、利用者と計算機がやり取りしながら操作できる対話型の仕組みにより、プログラム作りの基本を学ぶのに最適な言語として人気を集めました。
多くの学校で採用され、計算機教育の広まりに大きく貢献しました。例えば、かつては家庭用ゲーム機やパソコンでBASICが使えるものが多く、遊びの中で自然とプログラムに触れることができました。画面に絵を描いたり、音を出したり、簡単なゲームを作ったりと、BASICを使って様々なことができました。
BASICは、プログラムを1行ずつ入力して、すぐに実行結果を確認できるという特徴も持っています。そのため、プログラムの間違いを見つけやすく、修正もしやすいという利点がありました。これは、特にプログラム作りを始めたばかりの人にとって、大きな助けとなりました。初めてプログラムに触れる人にとって、BASICはとても使いやすい言語と言えるでしょう。
現在では、より高性能で複雑なプログラムを作るための様々な言語が登場していますが、BASICはプログラム作りの基本を学ぶための入門言語として、今でもその価値を失っていません。BASICを学ぶことで、プログラム作りの楽しさを体験し、論理的な思考力を養うことができるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
言語名 | BASIC |
正式名称 | Beginner’s All-purpose Symbolic Instruction Code (初心者向けの万能記号命令コード) |
開発年 | 1964年 |
開発場所 | アメリカ合衆国 ダートマス大学 |
目的 | 初心者でも気軽にプログラム作りを始められる言語 |
特徴 | 分かりやすい文法、対話型の仕組み、1行ずつ入力してすぐに実行結果を確認できる |
利点 | プログラムの間違いを見つけやすく、修正しやすい |
役割 | プログラム作りの基本を学ぶための入門言語 |
教育への貢献 | 多くの学校で採用され、計算機教育の広まりに大きく貢献 |
その他 | 家庭用ゲーム機やパソコンでBASICが使えるものが多く、遊びの中で自然とプログラムに触れることができた。 |
簡単な歴史
計算機の歴史を語る上で、忘れてはならない出来事の一つに、BASIC言語の誕生があります。BASICは、1964年、アメリカのダートマス大学で誕生しました。その当時、計算機の世界ではFORTRANという言語が広く使われていました。FORTRANは科学技術計算に特化しており、その性能は素晴らしいものでしたが、同時にとても複雑な言語でもありました。そのため、FORTRANを使いこなすには高度な専門知識が必要で、一般の人にとっては敷居の高いものでした。
このような状況を憂慮したのが、ダートマス大学のジョン・ケメニー教授とトーマス・カーツ教授でした。二人は、もっと多くの人に計算機を使ってもらいたい、もっと簡単にプログラムを作れるようにしたいという強い思いから、新しい言語の開発に着手しました。こうして生まれたのがBASICです。BASICは「Beginners’ All-purpose Symbolic Instruction Code」の略で、その名の通り、初心者向けで様々な用途に使える記号命令コードを意味します。
BASICは、FORTRANの文法を参考にしながらも、より簡潔で理解しやすい形になるよう、改良が重ねられました。特に画期的だったのは、対話型の処理を可能にしたことです。それまでの言語では、プログラムを実行する前に、全ての命令を一度に書き終える必要がありました。しかし、BASICでは、一行ずつ命令を入力し、その都度結果を確認しながらプログラムを作成することができるようになりました。これは、まるで計算機と会話をするようにプログラムを作っていくようなもので、当時の技術としては非常に革新的な機能でした。この対話型の機能こそ、BASICが爆発的に普及した大きな要因の一つです。BASICの登場によって、計算機は専門家だけの道具ではなく、より多くの人にとって身近なものへと変わっていきました。
項目 | 内容 |
---|---|
言語名 | BASIC (Beginners’ All-purpose Symbolic Instruction Code) |
誕生年 | 1964年 |
開発場所 | アメリカのダートマス大学 |
開発者 | ジョン・ケメニー教授とトーマス・カーツ教授 |
開発の動機 | FORTRANは複雑で一般人には敷居が高かったため、より多くの人が簡単に計算機を使えるようにするため。 |
特徴 | 簡潔で理解しやすい文法、対話型の処理が可能 |
影響 | 計算機が専門家だけの道具ではなく、より多くの人にとって身近なものになった。 |
言語の特徴
BASIC(ベーシック)というプログラム言語には、いくつか際立った特徴があります。まず挙げられるのは、分かりやすいことです。プログラムを書き込む際の文の組み立て方が、とても単純で、普段使っている言葉に近い書き方で済むように工夫されています。そのため、プログラム作りを初めて学ぶ人でも、比較的簡単に内容を理解し、使い方を覚えることができます。まるで、外国語を学ぶ際に、易しい入門書から始めるような感覚です。
次に、BASICは通訳型の言語であるという点が挙げられます。これは、プログラムを書き上げた後に、全体を一度に機械語に変換するのではなく、一行ずつ翻訳しながら、その場で実行していく方式のことです。この方式のおかげで、プログラムに誤りがあった場合でも、誤りを見つける作業が容易になります。一部分ずつ確認しながら進められるので、まるで虫眼鏡を使って、不具合箇所を細かく探していくようなイメージです。また、プログラムを学ぶ過程でも、一行ずつ実行結果を確認しながら進められるため、理解を深めやすいという利点があります。
さらに、BASICは様々な種類の機械で使うことができるという長所も持っています。特定の種類の機械専用の言語とは異なり、BASICは多くの種類の機械で動かすことができます。これは、まるで、様々な楽器で演奏できる共通の楽譜のようなものです。この汎用性のおかげで、プログラムを別の機械に移し替えても、大きな修正をせずにそのまま使えることが多く、大変便利です。
このように、分かりやすい文法、一行ずつ確認できる実行方式、そして多くの機械で使える利便性。これらの特徴が組み合わさることで、BASICはプログラムを初めて学ぶ人にとって、最適な入門言語となっています。
特徴 | 説明 | 例え |
---|---|---|
分かりやすい | シンプルな文法で、普段使っている言葉に近い書き方ができる。初心者にも理解しやすい。 | 外国語学習の易しい入門書 |
通訳型言語 | プログラムを一行ずつ翻訳・実行する方式。誤りを見つけやすく、学習過程での理解を深めやすい。 | 虫眼鏡で不具合箇所を探す |
様々な種類の機械で使える | 多くの種類の機械で動作する汎用性を備えている。 | 様々な楽器で演奏できる共通の楽譜 |
普及の背景
家庭用電算機が広まった1970年代後半から1980年代にかけて、BASIC言語も広く使われるようになりました。この背景には、家庭用電算機の普及とBASIC言語の親和性があります。
まず、家庭用電算機の登場によって、誰でも手軽に電算機を利用できるようになりました。それまでの大型電算機は、専門家しか操作できませんでしたが、家庭用電算機は一般の人々にも手が届く価格で販売され、家庭や学校、職場など様々な場所に普及しました。
BASIC言語は、初心者でも理解しやすいように設計された言語でした。命令の数が少なく、文法も比較的簡単だったため、プログラミングの経験がない人でも容易に学ぶことができました。また、BASIC言語は通訳形式で実行されるため、プログラムを少し変更するたびに全体を翻訳し直す必要がなく、修正と実行を素早く繰り返すことができました。この手軽さは、試行錯誤しながらプログラムを作る上で大きな利点となりました。
さらに、マイクロソフト社が開発したMS-DOSという家庭用電算機の制御手順には、BASIC言語の通訳機能が標準で搭載されていました。電算機を購入すれば、誰でもすぐにBASIC言語を使うことができたのです。ゲームを作ったり、事務処理の道具を作ったり、様々な用途でBASIC言語は活用されました。
BASIC言語は、電算機の普及と同時に広まり、多くの人々が計算機の仕組みを理解する助けとなりました。プログラムを作る楽しさを知り、電算機の可能性を探求するきっかけを作ったBASIC言語は、その後の計算機文化の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
時代背景 | 1970年代後半〜1980年代 家庭用電算機の普及 |
BASIC言語の普及理由 | 家庭用電算機の普及とBASIC言語の親和性 |
家庭用電算機のメリット | 誰でも手軽に利用可能 安価 家庭、学校、職場など様々な場所に普及 |
BASIC言語の特徴 | 初心者向けに設計 命令数、文法が簡単 通訳形式で実行 修正と実行が容易 |
MS-DOSの役割 | BASIC言語の通訳機能を標準搭載 誰でもすぐにBASIC言語を使用可能 |
BASIC言語の用途 | ゲーム作成 事務処理ツール作成など |
BASIC言語の影響 | 計算機の仕組み理解の促進 プログラミングの楽しさを提供 電算機文化の発展に貢献 |
派生した言語
初期の簡易記号命令コードであるベーシックは、誕生以降、様々な改良を経て進化を続け、多くの派生言語を生み出してきました。その中でも特に有名なのが、マイクロソフト社が開発したビジュアルベーシックです。
ビジュアルベーシックは、ベーシック本来の分かりやすい命令体系を受け継ぎつつ、視覚的に操作できる開発環境を提供しました。これにより、従来のベーシックよりも複雑な絵や図を使った処理、いわゆるグラフィック処理を簡単に扱えるようになり、より高度な応用ソフト作りが可能となりました。
例えば、従来のベーシックでは、画面に図形を表示するために複雑な命令を組み合わせる必要がありました。しかし、ビジュアルベーシックでは、あらかじめ用意された部品を画面上に配置するだけで、簡単に図形を表示できます。また、部品の配置や大きさ、色などを視覚的に変更できるため、直感的に操作できます。
さらに、インターネット上で動く応用ソフトの開発に特化した派生言語として、ブイビースクリプトも広く使われています。これもベーシックから派生した言語で、ウェブサイトに動きを加えたり、利用者と情報をやり取りするなどの処理を記述するために用いられます。
このように、ベーシックの派生言語は、それぞれの時代に合わせた形で進化を遂げてきました。ビジュアルベーシックは、パソコンの普及とともに広く使われ、多くの事務処理用ソフトやゲームソフトが開発されました。ブイビースクリプトは、インターネットの普及とともに重要な役割を果たし、動的なウェブサイトの構築に貢献しました。
ベーシックとその派生言語は、単なる命令を書き込む手段にとどまらず、計算機技術全体の発展を支える重要な土台となっています。現代社会に欠かせない様々な応用ソフトやインターネット技術の基盤には、ベーシックの考え方が息づいていると言えるでしょう。
言語 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
BASIC | 初期の簡易記号命令コード | 様々な派生言語の基盤 |
Visual Basic | BASICの命令体系を継承、視覚的な開発環境、グラフィック処理が容易 | 事務処理ソフト、ゲームソフト開発 |
VBScript | インターネット応用ソフト開発に特化、Webサイトへの動きの付加、ユーザーとの情報やり取り | 動的なWebサイト構築 |
今後の展望
かつてはプログラムを作る言葉を学ぶ入り口として広く使われていたBASIC。最近はPythonやJavaScriptといった新しい言葉が人気を集め、BASICを使う機会は少なくなってきました。それでも、BASICがプログラム教育に果たした役割はとても大きく、その分かりやすい書き方は今でもプログラム学習の最初の一歩として役に立っています。
たくさんの人がBASICでプログラムの基礎を学び、その経験を活かしてより複雑なプログラムを作れるようになりました。まるで、ひらがなを覚えた子どもが、難しい漢字を覚え、文章を書けるようになるのと同じです。BASICは、まさにプログラムの世界のひらがなと言えるでしょう。
また、業務用のプログラムを作る際に使われるVisual Basicは今でも現役で、今後も一定の需要が見込まれています。企業の中には、長年Visual Basicで作ったシステムを使い続けているところもあり、それを管理したり、新しくしたりする人が必要とされています。
さらに、BASICの考え方は、多くの新しいプログラム言語にも影響を与えています。例えば、プログラムを分かりやすく書くための工夫や、簡単に使えるようにする工夫など、BASICの良いところは新しい言葉にも受け継がれています。
このように、BASICはプログラムの歴史の中で重要な役割を果たしてきましたし、これからのプログラム言語の発展にも役立つでしょう。その分かりやすさと、色々な用途に使えるという特徴は、これからもずっと大切にされていくはずです。まるで、昔の人が作った道具や技術が、今でも私たちの生活の役に立っているように、BASICもプログラムの世界で生き続けていくことでしょう。
項目 | 内容 |
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BASICの現状 | PythonやJavaScriptなどの人気に押され、学習の入り口としての役割は減っている。 |
BASICの教育的価値 | プログラム学習の第一歩として、分かりやすい書き方が有効。多くのプログラマーがBASICで基礎を学んだ。 |
Visual Basicの現状 | 業務用プログラムとして現役で使われており、今後も一定の需要が見込まれる。 |
BASICの影響 | 分かりやすさや使いやすさなど、BASICの優れた点は新しいプログラム言語にも受け継がれている。 |
BASICの将来 | プログラムの歴史における役割と、分かりやすさや汎用性という特徴から、将来も価値を持ち続けると考えられる。 |