POSIX: 異なるシステムでも同じように動く
ITの初心者
先生、『POSIX』ってなんですか?UNIXと何か関係があるみたいですが、よく分かりません。
ITアドバイザー
POSIXは、いろいろな種類のUNIX系システムで、同じように動くプログラムを作れるようにするための約束事だよ。例えば、あるUNIXシステムで作ったプログラムが、他のUNIXシステムでもそのまま動くようにするためのものだね。
ITの初心者
なるほど。じゃあ、家電製品の共通規格みたいなものですか?
ITアドバイザー
そうだね、例えとしては家電製品の共通規格に近いかもしれない。 家電製品で例えるなら、どのメーカーのテレビでも同じようにコンセントに挿せるようなものだね。POSIXはプログラムのための共通規格と言えるかな。プログラムを動かすための『約束事』を定めることで、いろいろなUNIXシステムで同じように動くようにしているんだよ。
POSIXとは。
『POSIX(ポシックス)』という、コンピュータに関係する言葉について説明します。これは、UNIX(ユニックス)という種類のコンピュータの基本ソフトが、最低限備えておくべき決まりや規格のことです。IEEE(アイ・トリプル・イー)という団体が作りました。具体的には、色々なUNIX系の基本ソフトが、共通の機能を使えるようにすることで、アプリソフトが、どの基本ソフトでも同じように動くようにすることを目指しています。この言葉は、『portable operating system interface for UNIX(ポータブル オペレーティング システム インターフェース フォー ユニックス)』の略です。
はじまり
「ポシックス」という言葉を耳にしたことはありますか? これは、パソコンや大型計算機など、様々なコンピュータを動かすための基本となるソフトウェア、いわゆる操作体系(OS)において、非常に重要な役割を果たす標準的な規格です。
異なる種類の操作体系でも、同じようにプログラムが動くようにするための、いわば共通語のようなものだと考えてみてください。例えば、ある操作体系のために作ったプログラムが、他の操作体系でもそのまま、あるいは少し手を加えるだけで動くようになれば、開発の手間が大幅に省けます。ポシックスは、まさにそのような互換性を実現するために作られました。
様々な製造元のコンピュータや操作体系でも、同じようにプログラムが動くように、共通の約束事を定めたものなのです。この約束事には、ファイルの扱い方、画面への表示方法、ネットワークの利用方法など、プログラムの基本的な動作に関する様々な項目が含まれています。
ポシックスに準拠した操作体系であれば、プログラムの移植性が高まり、開発効率の向上に大きく貢献します。また、異なる操作体系上で動作するプログラム間の連携も容易になり、システム全体の柔軟性も向上します。
ポシックスは、情報技術の世界で広く普及しており、多くの操作体系で採用されています。そのため、プログラム開発者は、ポシックスを理解することで、様々な環境で動作するプログラムを効率的に開発することが可能になります。 ポシックスは、現代の情報化社会を支える重要な基盤技術の一つと言えるでしょう。
項目 | 説明 |
---|---|
ポシックス (POSIX) | 様々なコンピュータのOSにおける標準規格。異なるOSでもプログラムが同じように動くようにするための共通語のようなもの。 |
目的 | プログラムの互換性を実現し、開発の手間を省く。様々な製造元のコンピュータやOSでも同じようにプログラムが動くようにする。 |
内容 | ファイルの扱い方、画面への表示方法、ネットワークの利用方法など、プログラムの基本的な動作に関する様々な項目が含まれる。 |
メリット | プログラムの移植性向上、開発効率向上、異なるOS上でのプログラム連携の容易化、システム全体の柔軟性向上。 |
普及状況 | 情報技術の世界で広く普及し、多くのOSで採用されている。 |
重要性 | 現代の情報化社会を支える重要な基盤技術の一つ。 |
名前の由来
POSIX(ポシックス)という言葉は、持ち運び可能なOS(基本ソフト)の、UNIX(ユニックス)のための接続口という意味のPortable Operating System Interface for UNIXの略語です。
色々な種類のUNIX系OSで共通に使えるように考えられた接続口という意味です。
少し詳しく説明すると、OSは、パソコンと使用者や他の機器との間を取り持つ基本ソフトです。この基本ソフトが違っていると、同じように操作しようとしても、うまくいかないことがあります。
例えば、あるOSで作った文書が、別のOSでは開けないといった問題が起こる可能性があります。
POSIXは、このような互換性の問題を解決するために作られた規格です。POSIXに準拠したOSであれば、異なる機種でも同じように操作できたり、データのやり取りがスムーズに行えたりするわけです。
このPOSIXという名前は、リチャード・ストールマンという人が提案し、覚えやすいという理由でIEEE(アイ・トリプル・イー)という団体が採用しました。
名前にはUNIXという言葉が入っていますが、実際にはUNIX系だけでなく、もっと広い範囲のOSで利用できる標準規格となっています。
POSIXの登場によって、OS間の互換性が向上し、ソフト開発の効率化や、様々な機器での利用促進に大きく貢献しています。今では、なくてはならない重要な存在と言えるでしょう。
項目 | 説明 |
---|---|
POSIX (ポシックス) | Portable Operating System Interface for UNIX の略語。様々な種類のUNIX系OSで共通に使えるように考えられた接続口(インターフェース)。 |
OS | パソコンと使用者や他の機器との間を取り持つ基本ソフト。OSが異なると操作方法やデータの互換性などに問題が生じる可能性がある。 |
POSIXの目的 | OS間の互換性の問題を解決するため。POSIX準拠のOSであれば、異なる機種でも同じ操作が可能になり、データのやり取りもスムーズになる。 |
POSIXの名前の由来 | リチャード・ストールマンが提案し、IEEEが採用。覚えやすいことが採用の理由。 |
POSIXの適用範囲 | UNIX系OSだけでなく、より広い範囲のOSで利用可能な標準規格。 |
POSIXの貢献 | OS間の互換性向上、ソフト開発の効率化、様々な機器での利用促進。 |
標準化団体
色々な計算機が登場する中で、計算機の仕組みをまとめることはとても大切です。そうすることで、異なる計算機でも同じように使える道具を作ることができます。この大切な役割を担っているのが標準化団体です。標準化団体は、みんなで守るべき計算機の仕組みの決まり事を決めています。
今回紹介する標準化団体の例として、米国電気電子学会という団体があります。この団体は、電気や電子を扱う技術の中でも世界で最も大きな集まりです。多くの専門家が所属し、様々な技術の決まり事を定めています。
この米国電気電子学会が作った決まり事の一つに「ポシックス」というものがあります。「ポシックス」は、計算機の頭脳である基本ソフト(オーエス)が、異なる機種でも同じように動くための決まり事です。基本ソフトは、計算機を動かすための土台となる重要な部分です。この土台が機種ごとに異なると、道具も機種ごとに作り直す必要が出てきてしまいます。「ポシックス」は、この問題を解決するために作られました。
米国電気電子学会のような標準化団体のおかげで、基本ソフトを作る会社は、共通の決まり事に基づいて開発を進めることができます。また、計算機を使う人々は、機種が違っても同じ道具を使えるようになります。これは、道具を一度作れば、様々な計算機で使えることを意味し、とても便利です。標準化団体は、技術の進歩をスムーズにし、私たちの生活を便利にするために重要な役割を担っていると言えるでしょう。
標準化団体 | 概要 | 標準規格 | 目的 |
---|---|---|---|
米国電気電子学会 (IEEE) | 電気・電子技術の世界最大の専門家集団 | POSIX | 異なる機種の基本ソフト(OS)の互換性確保 |
目的
色々な種類の機械で動く似たような仕組みのものがたくさん作られたことで、それらの上で動く道具の互換性を保つのが難しくなっていました。そのような状況において、『ポシックス』という約束事が、これらの仕組みを揃えることで、道具の使い回しを簡単にできるようにすることを目指して作られました。
『ポシックス』は、この似たような仕組みを持つもの同士が、共通して持っていなければならない機能や、それらの使い方を定めたものです。具体的には、仕組みの中心となる命令や、よく使う道具、部品となる集まりのようなもの、それらを組み合わせるための手順などを細かく決めています。
これによって、道具を作る人は、『ポシックス』の約束事を守っている仕組みであれば、どの仕組みの上でも同じように道具を動かすことができるようになります。例えば、ある計算をする道具を作ったとします。もし、それぞれの仕組みごとに計算のやり方が違っていたら、その道具をそれぞれの仕組みに合わせて作り直さなければなりません。しかし、『ポシックス』のおかげで、計算のやり方が統一されているので、道具を作り直す必要がなくなります。
『ポシックス』は、異なる仕組みの上で動く道具の互換性を保証するだけでなく、道具を作る人の負担を減らし、より多くの種類の仕組みで同じ道具を使えるようにすることで、より良い環境を作ることを目指しています。今まで、それぞれの仕組みごとに道具を調整する必要があった手間を省くことができ、道具を作る人は、新しい機能の開発や、道具の改良に集中できるようになります。また、使う人にとっても、色々な仕組みで同じ道具を使えるため、学習の手間が省け、より多くの道具を活用できるようになります。
問題点 | 様々な種類の機械で動く似たような仕組みのもの(OSなど)が多く作られ、それらの上で動く道具(アプリケーション)の互換性を保つのが難しい。 |
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POSIXの目的 | 様々な仕組みを揃えることで、道具の使い回しを簡単にできるようにする。 |
POSIXの内容 |
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POSIXのメリット(開発者) |
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POSIXのメリット(ユーザー) |
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利点
情報処理に関する様々な取り決めを定めた、ポシックスという国際標準規格があります。この規格は、プログラムを作る人にとって、大きな利益をもたらします。一度作ったプログラムを、様々な種類の基本ソフトで動かすことができるようになるからです。これまで、基本ソフトの種類ごとに、それぞれ別のプログラムを作る必要がありました。例えば、りんごとみかんという二つの基本ソフトがあったとします。それぞれの基本ソフトで動くプログラムを作るには、りんごとみかん、両方用のプログラムをそれぞれ用意する必要がありました。しかし、ポシックスに準拠した基本ソフトであれば、一つのプログラムで両方の基本ソフトで動かすことができます。これは、プログラムを作るための時間や費用を大幅に減らすことにつながります。
また、プログラムを使う人にとっても、ポシックスは便利な存在です。基本ソフトの種類を気にすることなく、同じプログラムを使うことができるからです。例えば、文書作成ソフトを新しい基本ソフトでも同じように使いたいとします。ポシックスに準拠していれば、基本ソフトが変わっても同じように使うことができるのです。新しい基本ソフトの使い方を覚える手間も省け、非常に便利です。
さらに、ポシックスは開かれた標準規格であることも大きな特徴です。特定の会社に依存することなく、基本ソフト同士がうまく連携できるようになります。これまで、特定の会社が作った基本ソフトでは、その会社が定めた規格に沿ってプログラムを作る必要がありました。しかし、ポシックスは多くの会社や組織が協力して作られた規格であるため、特定の会社に縛られることがありません。これは、基本ソフトの開発競争を促し、技術の進歩を速める効果も期待できます。様々な会社が、より良い基本ソフトを作ろうと競争することで、技術はますます発展していくでしょう。
対象者 | ポシックスのメリット | 具体的な例 |
---|---|---|
プログラムを作る人 | 一度作ったプログラムを様々な基本ソフトで動かせるため、開発時間と費用を削減できる。 | りんごとみかんという二つの基本ソフトがあった場合、それぞれに別のプログラムを作る必要がなくなる。 |
プログラムを使う人 | 基本ソフトの種類を気にせず同じプログラムを使える。 | 新しい基本ソフトでも、使い慣れた文書作成ソフトを同じように使える。 |
業界全体 | 開かれた標準規格なので特定の会社に依存せず、基本ソフト同士の連携が容易になる。開発競争が促進され技術の進歩が期待できる。 | 多くの会社がより良い基本ソフトを作ろうと競争し、技術が発展する。 |
まとめ
異なる種類の計算機や制御装置で、同じように様々な道具を使うことができるように、共通の約束事を定めたものが、ポシックスと呼ばれる標準規格です。この約束事のおかげで、作った道具を様々な種類の計算機でそのまま使うことができるようになり、道具作りを楽にするだけでなく、費用を抑えることにも繋がっています。
ポシックスは、情報を伝えるための手順や計算機の資源の使い方など、様々な側面を細かく定めています。例えば、文字の書き方やファイルの整理の仕方、画面への表示方法などを共通化することで、異なる計算機でも同じように道具が動くようにしています。
ポシックスの普及は、情報技術の世界の発展に大きく貢献してきました。これまで、計算機の種類ごとに道具を新しく作る必要がありましたが、ポシックスのおかげで一度作った道具を多くの計算機で使えるようになったため、道具作りの手間が大幅に減りました。また、道具を動かすための環境作りも簡単になり、情報技術全体のコスト削減にも繋がっています。ポシックスに準拠した計算機が増えれば増えるほど、より使いやすく便利な計算機の環境が実現していくでしょう。
普段私たちが意識せずに使っている多くの技術の土台となっているポシックスは、縁の下の力持ちと言えるでしょう。インターネットや携帯電話、銀行のシステムなど、様々なところでポシックスは活躍しており、私たちの生活を支える重要な役割を担っています。今後も、ポシックスは情報技術の発展を支える重要な要素であり続け、様々な計算機がより便利に使えるように進化していくことが期待されます。
項目 | 内容 |
---|---|
ポシックスとは | 異なる計算機や制御装置で同じ道具を使えるようにする共通の標準規格 |
メリット | 道具の再利用性向上、開発コスト削減、環境構築の簡素化 |
規定内容 | 情報の伝達手順、計算機の資源の使い方、文字の書き方、ファイルの整理方法、画面表示方法など |
貢献 | 情報技術の発展、道具作成の手間削減、コスト削減 |
影響 | インターネット、携帯電話、銀行システムなど様々な分野で使用 |
将来 | 情報技術の発展を支える重要な要素であり続ける |