目的ファイルとは?オブジェクトファイルとの関係を解説
ITの初心者
先生、「目的ファイル」って、プログラミングでよく聞くんですけど、どんなものなんですか?
ITアドバイザー
良い質問だね! プログラミングしたものを、コンピュータが理解できる言葉に翻訳したものを「目的ファイル」って言うんだ。ただし、これだけではまだ動かないんだ。
ITの初心者
翻訳はされているけど、動かない・・・?一体どういうことですか?
ITアドバイザー
例えば、車を作るのに、タイヤやエンジンが必要だよね?目的ファイルは、タイヤやエンジンなどの部品にあたるんだ。これらを組み合わせないと、車は完成しないのと同じように、目的ファイルも他の部品と組み合わせないと、プログラムとして動かないんだよ。
目的ファイルとは。
「コンピューター関係の言葉で、『目的ファイル』ってものがありますよね。これは、オブジェクトファイルとも呼ばれていますが、これについて説明します。」
目的ファイルとは
– 目的ファイルとは
目的ファイルとは、私たちが普段目にしているプログラムの元となるソースコードを、コンピュータが理解できる言葉に変換した際に生成されるファイルです。この変換作業はコンパイラと呼ばれるプログラムが行います。
目的ファイルには、プログラムを構成する命令やデータなどが、コンピュータが直接理解できる機械語と呼ばれる形式で格納されています。その他にも、プログラムの中で使われている変数や関数に関する情報なども含まれています。
ただし、目的ファイルは、まだプログラムとして実行できる完成形ではありません。プログラムを実行するためには、複数の目的ファイルを一つにまとめ、実行可能な状態に変換する必要があります。
この最終的な変換作業を行うのがリンカと呼ばれるプログラムです。リンカは、複数の目的ファイルを結合し、それぞれのファイル内の情報をつなぎ合わせて、初めてプログラムとして動作可能な状態にします。
オブジェクトファイルとの関係
– 目的ファイルとの関係
プログラムを開発する過程では、ソースコードをコンピュータが理解できる形に変換していく必要があります。この変換処理の中で、「目的ファイル」と「オブジェクトファイル」という言葉がよく登場します。
これらのファイルは、実際にはほとんど同じものを指し、多くの場合、同じ意味で使用されます。どちらも、ソースコードをコンパイルした際に生成される、中間的なファイルだと考えることができます。
コンパイルとは、人間が理解しやすいプログラミング言語で書かれたソースコードを、コンピュータが直接解釈できる機械語に翻訳する作業です。このコンパイル処理中に、ソースコードの各部分がそれぞれ機械語に変換され、目的ファイル(オブジェクトファイル)として出力されます。
その後、複数の目的ファイル(オブジェクトファイル)と、プログラム実行に必要なライブラリなどが、「リンカ」と呼ばれるプログラムによって結合され、最終的に実行可能なプログラムが完成します。
つまり、「目的ファイル=オブジェクトファイル」と理解しても大きな問題はありません。どちらも、プログラム開発の過程で生成される中間ファイルであり、最終的な実行ファイルを作成するための重要な要素です。
目的ファイルの中身
プログラムを作成する過程において、私たちがコンピュータにわかる形で書いた命令は、最終的には「目的ファイル」と呼ばれるファイルにまとめられます。この目的ファイルには、プログラムを動かすために必要な情報が詰め込まれています。
目的ファイルの中身は、コンピュータが直接理解できる「機械語」と呼ばれる言葉で書かれています。これは人間にとっては非常に難解なため、直接読むことはできません。しかし、コンピュータにとっては、プログラムを実行するための指示が明確に記された大切な設計図のようなものです。
具体的には、目的ファイルには、プログラムの動作を細かく指示する「命令列」や、プログラムの中で使うデータを入れる「変数」の名前と場所、「関数」と呼ばれる処理の名前と場所などが記録されています。
これらの情報は、複数の目的ファイルを繋ぎ合わせて、実際にコンピュータ上で動くプログラムを作り出す「リンカ」という役割を持つプログラムにとって、非常に重要な役割を果たします。リンカは、それぞれの目的ファイルに書かれた情報を読み解き、パズルのピースを組み合わせるようにして、最終的なプログラムを作り上げます。
このように、目的ファイルは、私たちが普段何気なく使っているプログラムの裏側で、重要な役割を担っているのです。
リンカの役割
– リンカの役割
プログラムは、多数の命令を組み合わせることで複雑な処理を実現します。しかし、これらの命令をすべて一つにまとめてしまうと、プログラムの規模が大きくなりすぎて、開発や管理が困難になります。そこで、プログラムは通常、複数のファイルに分割して開発されます。それぞれのファイルは、特定の機能を実現するための一まとまりの命令(関数や変数を含む)で構成され、これらを「目的ファイル」と呼びます。
リンカは、これらのバラバラに存在する目的ファイルを集め、実行可能な一つのプログラムファイルに結合する役割を担います。具体的には、それぞれの目的ファイルに含まれる関数や変数は、ファイル内での相対的な位置(アドレス)で管理されていますが、リンカはこれらのアドレスを解決し、目的ファイル間の参照関係を正しく繋ぎ合わせます。
さらに、プログラムの実行には、オペレーティングシステムや標準的な関数を提供する「ライブラリファイル」が必要となります。リンカは、これらのライブラリファイルもプログラムに結合し、プログラムが実行可能な状態になるようにします。
このように、リンカは、バラバラに作成されたプログラムの断片を繋ぎ合わせ、一つの完全なプログラムとして動作させるために欠かせない役割を担っています。リンカの働きによって、私たちは効率的にプログラムを開発し、複雑な処理を実現することができるのです。
まとめ
プログラムを作る過程では、人間が理解しやすい言葉で書かれた「ソースコード」を、コンピュータが理解できる言葉に変換する必要があります。この変換処理において、「目的ファイル」は非常に重要な役割を担っています。
目的ファイルは、ソースコードをコンパイルという過程を経て変換したもので、コンピュータが理解できる機械語に近いかたちになっています。ただし、この時点ではまだプログラムとして実行できる状態ではありません。
プログラムを実行するためには、複数の目的ファイルを結合し、必要なライブラリと結びつける必要があります。この作業を担うのが「リンカ」と呼ばれるプログラムです。リンカは、複数の目的ファイルを適切に結合し、最終的に実行可能なプログラムを作成します。
よく「オブジェクトファイル」という言葉を耳にすることがありますが、これは多くの場合、目的ファイルと同じものを指します。どちらも、コンパイル処理の過程で生成されるファイルであり、プログラムの一部を構成するという点で共通しています。
まとめると、目的ファイルはソースコードと実行可能なプログラムの中間に位置する重要なファイルであり、リンカによって結合されることで、最終的なプログラムが完成するのです。