流れ図による処理の可視化
ITの初心者
先生、『流れ図』ってなんですか?
ITアドバイザー
『流れ図』、つまりフローチャートは、物事の手順や処理の流れを図で表したものだよ。プログラムを作るときや、仕事の進め方を整理するときなどに役立つんだ。
ITの初心者
図で表すっていうのは、どういうことですか?
ITアドバイザー
例えば、四角で処理を、ひし形で判断を、矢印で流れを表す記号を使って、視覚的にわかりやすく手順を示すんだ。そうすることで、複雑な処理も簡単に理解できるようになるんだよ。
流れ図とは。
『流れ図』という情報技術の用語について説明します。これは『フローチャート』とも呼ばれます。
流れ図とは
流れ図は、物事の手順や流れを図を使って分かりやすく表したものです。目で見て理解しやすいように、様々な形の記号と、それらを繋ぐ矢印を使って表現します。まるで道案内の地図のように、どこから始まり、どのような道筋で進んで、どこで終わるのかが一目で分かるようになっています。
この流れ図は、様々な場面で役に立ちます。例えば、計算機にさせたい作業の手順を整理するために使われます。複雑な作業も、流れ図にすると、一つ一つの手順が明確になり、間違いを防ぎやすくなります。また、仕事の手順を整理したり、問題を解決するための手順を考えたりする時にも役立ちます。
流れ図を使うメリットは、関係者全員で手順の共通理解を図りやすくなることです。図を見るだけで、誰がどの部分を担当するのか、作業の順番はどうなっているのかがすぐに分かります。言葉だけで説明するよりも、はるかに正確に内容を伝えることができます。
さらに、流れ図を作成する過程で、手順の不足や矛盾点に気づくことができます。作業を始める前に、流れ図を使って綿密に手順を確認することで、作業をスムーズに進めることができます。また、より効率的な手順を見つけ出すヒントにもなります。無駄な手順を省いたり、順番を入れ替えたりすることで、作業時間を短縮し、質を高めることができるのです。このように、流れ図は、正確な情報伝達と作業効率の向上に大きく貢献します。
流れ図の種類
処理の手順や流れを視覚的に表現する図を流れ図といいます。流れ図は、複雑な手順を分かりやすく整理し、関係者間での認識の共有を容易にするために用いられます。流れ図には様々な種類があり、目的に応じて使い分けることが大切です。
まず、流れ図の基本的な構成要素となる構造には、順次構造、選択構造、反復構造の三種類があります。順次構造は、上から下へ順番に処理が進む様子を表します。選択構造は、条件によって処理が分岐する様子を表し、例えば「はい」か「いいえ」かで異なる処理を行う場合などに用いられます。反復構造は、特定の条件が満たされるまで同じ処理を繰り返す様子を表します。これらの基本構造を組み合わせることで、複雑な処理の流れも表現することができます。
次に、用途による分類として、システムの流れ図とプログラムの流れ図が挙げられます。システムの流れ図は、システム全体の構成やデータの流れを俯瞰的に示すもので、システム開発の初期段階で、システム全体の概要を把握するために作成されます。例えば、顧客からの注文情報がどのように処理され、最終的に商品として出荷されるかといった一連の流れを図示します。一方、プログラムの流れ図は、プログラムの具体的な処理手順を詳細に示すもので、プログラミングの際に、コードを書く前の設計図として作成されます。例えば、入力された数値が偶数か奇数かを判定する処理を、具体的な計算式や条件分岐を用いて表現します。
このように、流れ図は種類によって表現する内容や用途が異なります。目的に合った適切な種類の流れ図を選択し、作成することで、より効果的に情報を伝え、理解を深めることができます。
流れ図の記号
処理の流れを図式化したもの、すなわち流れ図は、物事の手順を分かりやすく示すために用いられます。流れ図を作成する際には、様々な記号を用いて処理内容を表しますが、これらの記号は日本工業規格(JIS規格)によって定められています。規格化された記号を用いることで、誰でも同じように流れ図を理解できるという利点があります。ここでは、代表的な記号とその使い方について説明します。
まず、流れ図の始まりと終わりを示す記号は、楕円形です。この記号の中に「開始」や「終了」といった言葉を入れて、全体の始まりと終わりを明確にします。次に、具体的な処理内容を表す記号は、四角形です。例えば、「計算をする」「データを送る」といった処理内容を四角形の中に記述します。この四角形は、流れ図の中で最も頻繁に用いられる記号と言えるでしょう。
そして、条件によって処理が分岐する場合には、ひし形を用います。ひし形の中に条件式を記述し、そこから伸びる矢印によって、条件が真の場合と偽の場合のそれぞれの処理の流れを示します。例えば、「値が10以上か?」という条件式をひし形の中に書き、10以上の場合と10未満の場合の処理をそれぞれ矢印でつなぎます。さらに、データの入出力処理を表す記号は、平行四辺形です。例えば、「データを入力する」「結果を出力する」といった処理内容を平行四辺形の中に記述します。
これらの記号に加えて、矢印は流れ図において重要な役割を果たします。矢印は、処理の流れを示すもので、記号と記号を繋ぐことで、処理の順序を明確にします。矢印の向きによって、どの処理からどの処理へと進むのかが一目で分かるようになります。
このように、流れ図の記号は、処理内容を視覚的に表現するために欠かせない要素です。それぞれの記号の意味を正しく理解し、適切に用いることで、誰にとっても分かりやすく、正確な流れ図を作成することができます。流れ図を活用することで、複雑な処理の流れを整理し、効率的に作業を進めることが可能となります。
流れ図作成の利点
仕事の手順や計画を図で表す、流れ図。これは、複雑な内容を分かりやすく整理するための、とても便利な道具です。流れ図を使う一番の利点は、物事の手順を目で見て理解できるようにすることです。図を使うことで、文章だけでは分かりにくい複雑な手順も、誰にでも簡単に理解できるようになります。まるで地図を見るように、全体の道筋やそれぞれの工程が一目で把握できるため、関係者全員が同じ認識を共有できます。これにより、説明不足による誤解や認識のずれを防ぎ、スムーズな意思疎通が可能になります。
また、流れ図を作る作業自体にも大きなメリットがあります。流れ図を作成しようとすると、自然と作業の手順を一つ一つ細かく確認することになります。この作業を通して、これまで見落としていた手順の抜けや、手順間の矛盾点に気づくことができます。問題点を早期に発見できれば、後になってから大きな問題に発展するのを防ぐことができます。さらに、流れ図は、作業の改善にも役立ちます。視覚化された手順を客観的に見ることで、非効率な部分や無駄な工程が明らかになります。例えば、同じ作業が何度も繰り返されている場合や、手順が複雑すぎる場合は、流れ図上で見てすぐに分かります。こうして問題点や改善点を明確にすることで、より効率的な作業方法を考え、より良い結果に繋げることができます。流れ図は、誰にとっても分かりやすい手順書作成、問題の早期発見、そして作業改善に役立つ、強力な道具と言えるでしょう。
流れ図作成の際の注意点
処理の手順を図で表す、流れ図を作成する際には、いくつか注意すべき点があります。まず、何のために、誰に向けて流れ図を作るのか、その目的をはっきりさせることがとても大切です。目的がはっきりすることで、流れ図に入れる内容や、どのように表現するかが決まり、より分かりやすい流れ図を作ることができます。例えば、専門家向けに作るのか、そうでない人向けに作るのかで、使う言葉や表現の仕方が変わってくるでしょう。
次に、流れ図で使う記号を正しく使うことも重要です。流れ図には、処理の開始や終了、判断や処理を表す様々な記号があります。これらの記号を間違って使うと、流れ図の意味が正しく伝わらなくなってしまいます。例えば、処理を表す記号と判断を表す記号を間違えると、処理の順番が分からなくなったり、誤解を招いたりする可能性があります。それぞれの記号が何を表すのかをきちんと理解してから使いましょう。
また、処理の流れが複雑になりすぎないように注意することも必要です。あまりに複雑な流れ図は、かえって分かりにくくなってしまいます。処理のステップが多すぎる場合は、流れ図をいくつかの小さな流れ図に分けると良いでしょう。全体の流れを把握するための概要図と、それぞれの処理の詳細を示す流れ図を組み合わせることで、より分かりやすく説明できます。
さらに、流れ図は作って終わりではなく、定期的に見直し、更新することが大切です。時間の経過とともに、作業の手順や内容が変わることはよくあることです。古くなった情報のままでは、流れ図が役に立たなくなってしまいます。手順に変更があった場合は、流れ図も合わせて更新することで、常に正しい情報が伝わるように心がけましょう。
流れ図作成ツール
仕事や学習の中で、物事の手順や処理の流れを分かりやすく図示するために、流れ図はよく使われます。流れ図を作るための道具は様々で、用途や予算に合わせて選ぶことができます。まず、流れ図を作るためだけに作られた専用のソフトウェアがあります。これらのソフトウェアは、流れ図を描くための機能が豊富に揃っているため、複雑な流れ図も簡単に作成できます。また、表計算や文書作成など、様々な機能を持つ事務用のソフトウェアの中にも、流れ図を作成する機能が備わっているものがあります。これらのソフトウェアは、既に持っている場合は追加費用なしで利用できるため手軽です。さらに、図形を描くためのソフトウェアも流れ図の作成に利用できます。図形や線、文字などを自由に配置して、思い通りの流れ図を作成できます。
これらの道具は、無料で使えるものから、お金を払って購入するものまで様々です。無料の道具は手軽に利用できますが、機能が限られている場合もあります。有料の道具は、多くの機能が使えるため、複雑な流れ図を作成したり、共同で作業したりする際に便利です。
例えばマイクロソフト社のヴィジオは、有料のソフトウェアですが、多くの種類の図形や記号が使えるため、専門的な流れ図を作成するのに適しています。また、ドローアイオーやルシッドチャートのように、インターネット上で使える無料の道具もあります。これらの道具は、共同編集機能を持っているため、複数人で同時に流れ図を作成する作業に役立ちます。
このように、流れ図を作るための道具は種類が豊富なので、自分の目的に合った道具を選ぶことが大切です。どのような流れ図を作りたいのか、予算はどのくらいか、誰と共同作業をするのかなどを考えて、最適な道具を選びましょう。
種類 | 特徴 | 費用 | 具体例 |
---|---|---|---|
専用ソフトウェア | 流れ図作成に特化した豊富な機能 | 有料/無料 | Microsoft Visio |
事務用ソフトウェア | 表計算、文書作成など多機能。流れ図作成機能も付随 | 既存ソフトなら追加費用なし | – |
作図ソフトウェア | 図形、線、文字などを自由に配置可能 | 有料/無料 | – |
オンラインツール | 共同編集機能を持つものも | 有料/無料 | draw.io, Lucidchart |