UMD: 幻のメディア?
ITの初心者
先生、『universal media disc』って、最近はあまり聞かない言葉のような気がするのですが…
ITアドバイザー
なるほどね。最近はあまり耳にしないかもしれないね。『universal media disc』は、『UMD』と略すんだけど、何に使われていたか覚えているかな?
ITの初心者
うーんと…何か小さいディスクだったような…?ゲームとか?
ITアドバイザー
そう!正解!『UMD』は、今はもう販売されていない『PlayStation Portable』、つまり『PSP』って呼ばれていたゲーム機で、ゲームソフトや映画などを記録するのに使われていたんだ。懐かしいなぁ。
universal media discとは。
「情報技術の分野で使われる言葉、『万能記録媒体』(UMDと略されます)について」
UMDとは
– UMDとはUMDは、「ユニバーサル・メディア・ディスク」の略称で、ソニーが開発した光ディスク規格です。2004年に発売された携帯型ゲーム機「PlayStation Portable」(PSP)の専用メディアとして登場し、ゲーム業界に新たな風を吹き込みました。UMDは、その名の通り、ゲームソフト以外にも様々なデータを記録できることを目指して開発されました。従来のCD-ROMよりも小型でありながら、最大1.8GBという大容量を実現。これは、当時の携帯型ゲーム機用メディアとしては画期的でした。 PSP向けには、ゲームソフトはもちろんのこと、映画や音楽なども販売され、多くのユーザーに楽しまれました。UMDは、レーザーを用いてデータを読み書きする光ディスクですが、従来のCDやDVDとは異なる保護構造を採用している点が特徴です。ディスクは、傷や汚れから保護するために、カートリッジと呼ばれるケースに収納されています。これにより、UMDは高い耐久性と携帯性を実現しました。 しかし、UMDは、その後登場したメモリースティックや、ダウンロード販売の普及により、次第にその姿を消していきました。 PSPの後継機であるPlayStation Vitaでは、UMDは採用されませんでした。それでも、UMDは、携帯型ゲーム機に大容量メディアを持ち込んだ先駆者として、ゲームの歴史に名を刻んでいます。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | ユニバーサル・メディア・ディスク (UMD) |
開発元 | ソニー |
規格 | 光ディスク |
容量 | 最大1.8GB |
用途 | ゲームソフト、映画、音楽など |
特徴 | – 小型 – 大容量 – カートリッジによる保護構造 – 高い耐久性と携帯性 |
使用機器 | PlayStation Portable (PSP) |
備考 | メモリースティックやダウンロード販売の普及により衰退 |
期待されたUMDの用途
– 期待されたUMDの用途UMDは、当時普及が進んでいた携帯型ゲーム機PSPの周辺機器として登場し、新しい携帯型エンターテイメントの可能性を秘めたものとして大きな期待が寄せられました。UMDは、従来のDVDと比べて小型でありながら高画質の動画を記録することができたため、映画を持ち運んで好きな時に好きな場所で楽しむことができるという点で画期的でした。また、音楽CDよりも多くの楽曲を保存できる大容量を活かして、携帯音楽プレーヤーとしても注目されました。
UMDはゲームソフト以外にも、映画や音楽アルバムなど幅広いコンテンツが発売されました。特に、映画については、人気作品が数多くUMD化され、発売当初は話題となりました。しかし、UMD対応の映画は、DVDと比べて価格が高く設定されていたことや、携帯電話やiPodなどの携帯型音楽プレーヤーが普及し始めたことから、次第にユーザーの関心は薄れていきました。
結果として、UMDは一部のゲームユーザーの間で一定の人気を集めたものの、当初期待されていたほどの普及には至りませんでした。
項目 | 内容 |
---|---|
期待された用途 | – 携帯型ゲーム機PSPの周辺機器 – 新しい携帯型エンターテイメント – 携帯映画鑑賞 – 携帯音楽プレーヤー |
メリット | – DVDより小型、高画質 – CDより大容量 |
展開コンテンツ | – ゲームソフト – 映画 – 音楽アルバム |
問題点 | – DVDより価格が高い – 携帯電話やiPodの普及 |
結果 | – 一部のゲームユーザーに人気 – 当初の期待ほどの普及に至らず |
UMDの衰退と終焉
かつて、光輝く銀色の円盤にデータを記録し、持ち運び可能なメディアとして一世を風靡したUMD。しかし、時代の流れは残酷なもので、UMDは次第にその輝きを失い、市場から姿を消していくことになりました。
UMDの衰退を決定づけた要因の一つとして、ダウンロード販売の普及が挙げられます。 インターネットの高速化や、記憶容量の大きなメモリースティックの登場により、ゲームソフトを直接ゲーム機にダウンロード購入することが一般的になりました。手軽にソフトを購入できるダウンロード販売は、ユーザーにとって大きな魅力となり、UMDを購入する必要性は薄れていきました。
また、スマートフォンなどの高性能な携帯デバイスの台頭も、UMDの衰退に拍車をかけました。 多彩な機能を搭載し、ゲームも楽しめるスマートフォンは、ユーザーのライフスタイルに急速に浸透しました。UMD対応の携帯ゲーム機よりも利便性が高いスマートフォンが選ばれるようになり、UMDの活躍の場はますます狭まっていきました。
そして、UMDの運命を決定づけたのが、PSPの後継機であるPlayStation VitaでのUMDドライブ廃止でした。 PlayStation Vitaはダウンロード販売を主力とする方針を打ち出し、UMDは完全にその座を追われることとなりました。
このように、技術革新や競合デバイスの登場により、UMDは時代の波に乗り切れず、その役割を終えることになりました。しかし、UMDが築き上げた携帯ゲーム機市場の礎は、その後も受け継がれていくことになります。
要因 | 詳細 | 結果 |
---|---|---|
ダウンロード販売の普及 | – インターネットの高速化 – 大容量メモリースティックの登場 – 手軽なソフト購入 |
UMDを購入する必要性低下 |
高性能携帯デバイスの台頭 | – 多機能なスマートフォンなどの普及 – ゲームも楽しめる利便性の高さ |
UMD対応ゲーム機よりもスマートフォンが選択される |
PlayStation VitaでのUMDドライブ廃止 | – ダウンロード販売を主力とする方針 – UMDは完全にその座を追われる |
UMDの運命を決定づけた |
UMDの記憶
かつて、携帯ゲーム機で高画質の映像や音楽を楽しむことができる画期的な記録媒体として登場したUMD。しかし、現在ではその姿を目にする機会も減り、一部のPSPユーザーの間でひっそりと楽しまれているだけの存在になりつつあります。
UMDは、ソニーが「いつでもどこでも高画質の映像を楽しめる」という当時としては挑戦的な目標を掲げて開発した、まさにその時代の象徴ともいうべき存在でした。大容量のデータを記録できるブルーレイディスクの技術を応用し、小型でありながら高画質の映像や音楽を再生できるという触れ込みは、多くのユーザーの心を掴みました。
しかし、UMDの運命を大きく変えたのは、時代の流れとともに急速に普及した高速インターネット回線と、それに伴い台頭してきたダウンロード販売という新しいコンテンツ配信形態でした。
場所を選ばずに手軽にコンテンツを入手できるダウンロード販売は、UMDを購入して持ち運ぶ必要性を薄れさせ、UMDの存在意義を徐々に低下させていったのです。
UMDの興隆と衰退は、技術革新の速さと、それに対応することの難しさを私たちに教えてくれる事例と言えるでしょう。革新的な技術であっても、時代の変化に対応できなければ、やがては過去のものとなってしまうという現実を、UMDは私たちに突きつけているのかもしれません。
項目 | 内容 |
---|---|
メディア名 | UMD |
登場時 | 画期的な記録媒体として登場 高画質の映像や音楽を楽しめる |
開発の背景 | ソニーが「いつでもどこでも高画質の映像を楽しめる」という目標を掲げて開発 |
技術 | ブルーレイディスクの技術を応用 小型でありながら高画質の映像や音楽を再生可能 |
衰退理由 | 高速インターネット回線の普及 ダウンロード販売の台頭 |
教訓 | 技術革新の速さと、それに対応することの難しさ 時代の変化に対応できなければ、過去のものとなる |