パソコンの歴史を語る上で欠かせない「486」
ITの初心者
先生、『486』って聞いたことあるんだけど、何のこと?
ITアドバイザー
昔のパソコンに使われていた部品のことだよ。正式には『i486』と言うんだけど、数字だけを使って『486』と呼ぶことも多かったね。
ITの初心者
パソコンの部品…ってことは、今のパソコンには入っていないの?
ITアドバイザー
そうだよ。『486』は結構古い部品で、今はもっと性能が良い部品が使われているんだ。家電量販店でパソコンを見ても、『486』搭載パソコンは見つからないだろうね。
486とは。
「486」っていう言葉は、コンピューター、特にその中の計算をする部品であるCPUの種類を表す言葉だよ。「i486」を省略した言い方なんだ。詳しく知りたい場合は「i486」で調べてみてね。
「486」とは
「486」という言葉を聞いて、懐かしさを覚える方もいるのではないでしょうか。1989年、アメリカのインテル社が発表したCPU「Intel 80486」。「486」とは、このCPUの通称であり、1990年代のパソコン時代を語る上で、欠かすことのできない存在です。
1990年代初頭から中盤にかけて、多くのパソコンに搭載され、当時のパソコンの性能を大きく進化させました。486が登場する以前は、8086、80286、80386といったCPUが主流でしたが、486はそれらと比べて処理速度が格段に向上しており、より複雑な計算や処理を可能にしました。
例えば、従来のパソコンでは難しかった、画像や音声の処理なども、486の登場によって実現可能となり、パソコンの可能性は大きく広がりました。ビジネスの現場では、より複雑な表計算や文書作成が可能となり、業務効率化が進みました。また、ゲームの世界においても、よりリアルで美しい映像表現が可能となり、ゲームの進化を加速させました。このように、486はビジネスやゲームなど、様々な用途で広く利用されるようになり、パソコンの普及を加速させる原動力となりました。
今日、私たちが普段何気なく使用している高性能なパソコンも、486の登場とその後の技術革新があったからこそと言えるでしょう。
CPU | 説明 | 影響 |
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Intel 80486 (486) | 1989年にインテル社が発表したCPU。 1990年代のパソコン時代を代表するCPU。 |
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性能の向上
今回の新型CPU「486」は、従来のものと比べて、その中身が大きく変わりました。処理速度が大幅に上がったのが最大の特長です。特に、従来はCPUとは別に搭載されていた浮動小数点演算装置を、CPU自身に組み込んだことで、浮動小数点演算の処理速度が飛躍的に向上しました。このことにより、立体的な画像処理やコンピュータを使った設計など、高度な計算処理が必要となる作業が、パソコン上でできるようになりました。今まで以上にパソコンの使い道が広がったと言えるでしょう。また、486は、CPUがデータを読み書きする際に一時的にデータを保存しておく場所であるキャッシュメモリの容量も増えました。そのため、データへのアクセス速度も向上しました。これらの改良により、486を搭載したパソコンは、従来のパソコンではできなかった高度な処理を、速いスピードで行うことができるようになったのです。
項目 | 内容 |
---|---|
CPU名称 | 486 |
主な改良点 | 1. 浮動小数点演算装置の内蔵 2. キャッシュメモリの容量増加 |
処理速度 | 大幅に向上 |
浮動小数点演算の処理速度 | 飛躍的に向上 |
データアクセス速度 | 向上 |
結果 | 立体的な画像処理やコンピュータを使った設計など、高度な計算処理がパソコン上でできるようになった。 |
普及と影響
– 普及と影響
1989年にインテルから発売された486は、従来のCPUと比べて格段に処理能力が高く、瞬く間に様々な分野で使用されるようになりました。企業では業務の効率化のために、そして一般家庭では個人が所有する初めてのコンピューターとして、486を搭載したパソコンは爆発的に普及していきました。
当時のコンピューター市場は、国内メーカーだけでなく、海外メーカーも参入し、486を搭載したパソコンが数多く販売されました。NECや富士通といった国内メーカーに加え、IBMやコンパックといった海外メーカーも競争に加わり、しのぎを削っていました。このような競争は、486を搭載したパソコンの価格が下がる一因となり、より多くの人がコンピューターを手に入れられるようになったのです。
486の普及は、コンピューターの低価格化だけでなく、ソフトウエアの進化にも大きく貢献しました。Windows 3.1といった使い勝手の良い基本ソフトや、文書作成ソフト、表計算ソフトなど、様々なソフトが開発され、コンピューターはより身近で便利な存在になっていきました。
このように486は、コンピューターが単なる計算機から、文書作成、ゲーム、インターネットなど、様々な用途に使える情報機器へと進化する過程において、非常に重要な役割を果たしたと言えるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
CPU | インテル 486 |
発売年 | 1989年 |
特徴 | 従来のCPUと比べて格段に処理能力が高い |
普及 | – 企業の業務効率化 – 個人所有のパソコンとして爆発的に普及 |
メーカー | – 国内メーカー: NEC, 富士通など – 海外メーカー: IBM, コンパックなど |
影響 | – コンピューターの低価格化 – ソフトウェアの進化 (Windows 3.1, 文書作成ソフト, 表計算ソフトなど) – コンピューターの用途拡大 (文書作成, ゲーム, インターネットなど) |
現代への影響
1989年にインテルから発売されたCPUである486は、現代の私たちが使用するパソコンにも大きな影響を与えています。486は、その後のCPU、例えばPentiumなどの高性能CPUの基礎となりました。そして、486に用いられた技術は、現代のパソコンにも受け継がれています。
現代のパソコンに搭載されているCPUは、処理速度や機能において486と比べると格段に進歩しています。しかし、その基本的な設計は486のものを発展させたものと言えるでしょう。
また、486が普及した時代には、Windowsなどの基本ソフトや事務処理ソフト、ゲームソフトなども広く使われるようになりました。これらのソフトは、その後も改良を重ねながら発展し続け、現代の情報化社会においても必要不可欠なものとなっています。
このように、486はパソコンの歴史において重要な転換点となり、その後の技術革新の土台を作り、現代の情報化社会の基盤を築いたと言えるでしょう。
項目 | 内容 |
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CPUの進化 | 486 → Pentiumなどの高性能CPU → 現代のCPU (486の基本設計を継承) |
ソフトウェアの普及 | Windows, 事務処理ソフト, ゲームソフト → 現代の情報化社会に不可欠なソフトウェアへと発展 |
486の影響 | – パソコン技術革新の土台 – 現代の情報化社会の基盤 |