SCSI:周辺機器接続の古株

SCSI:周辺機器接続の古株

ITの初心者

先生、『SCSI』って聞いたことあるんですけど、どんなものなんですか?

ITアドバイザー

「スカジー」って読むんだけど、昔のパソコンと周辺機器をつなぐものだったんだよ。今でいうUSBみたいなものかな。ただし、USBよりもっと速くデータを送れるように作られていたんだ。

ITの初心者

へえー、USBより速かったんですか!じゃあ、SCSIは今はもう使われてないんですか?

ITアドバイザー

そうなんだ。時代とともにUSBや『アイトリプルイーいちさんきゅうよん』といった新しい規格が登場して、SCSIは主流ではなくなってしまったんだ。

SCSIとは。

「SCSI」っていう言葉は、コンピューターとその周辺機器をつなぐときの決まりの一つで、アメリカの規格協会ってところが作ったものなんだ。今では、もっと速く、もっと色々なものに対応できるように改良されたものもあるんだよ。昔は、パソコンとハードディスク、スキャナー、プリンターなんかをつなぐときによく使われていたんだけど、2000年頃からUSBやIEEE1394(アイトリプルイーいちさんきゅうよん)っていうのが主流になってきたんだ。「SCSI」は「small computer system interface(スモール コンピュータ システム インターフェース)」の頭文字をとった言葉なんだよ。

SCSIとは

SCSIとは

– SCSIとはSCSIは「スモール コンピュータ システム インターフェース」の頭文字をとったもので、コンピュータと周辺機器を繋ぐための規格です。 特に1980年代から1990年代にかけて、高速なデータのやり取りが必要なハードディスクドライブやスキャナーなどを接続する際に広く利用されました。 SCSIは、並列接続方式を採用しており、複数の機器を同時に接続して、効率的にデータの送受信を行うことができます。SCSIの登場以前は、コンピュータと周辺機器を接続するための規格は統一されておらず、メーカーごとに独自の規格で接続していました。そのため、異なるメーカーの機器を接続することが難しく、互換性の問題が課題となっていました。SCSIは、こうした問題を解決するために策定された規格であり、異なるメーカーの機器でも接続できる共通のインターフェースを提供しました。SCSIは、その後も進化を続け、Ultra SCSIやFibre Channelなどの高速な規格が登場しました。しかし、2000年代以降、シリアル接続方式の規格であるUSBやSATAが登場し普及したことで、SCSIは徐々にその姿を消しつつあります。 現在では、高速なデータ転送が必要とされるサーバーやストレージなどの業務用機器を中心に利用されています。

項目 内容
SCSIの略 スモール コンピュータ システム インターフェース
用途 コンピュータと周辺機器を繋ぐための規格
接続方式 並列接続方式
特徴 複数の機器を同時に接続して、効率的にデータの送受信を行うことができる
歴史 – 1980年代から1990年代にかけて、ハードディスクドライブやスキャナーなどを接続する際に広く利用された
– SCSIの登場以前は、メーカーごとに独自の規格で接続していたため、互換性の問題があった
– SCSIは、異なるメーカーの機器でも接続できる共通のインターフェースを提供した
– Ultra SCSIやFibre Channelなどの高速な規格が登場
– 2000年代以降、USBやSATAの普及により、SCSIは徐々に姿を消しつつある
現在の用途 サーバーやストレージなどの業務用機器を中心に利用

ANSIによる規格策定

ANSIによる規格策定

– ANSIによる規格策定

米国規格協会(ANSI)は、様々な技術分野において標準規格を策定し、業界全体の発展に貢献してきました。その中でも、SCSI(スモールコンピュータシステムインタフェース)は、ANSIが策定した規格の一つであり、コンピュータと周辺機器間のデータ転送を効率化する技術として広く普及しました。

SCSIが登場する以前は、コンピュータと周辺機器間の接続には、各メーカー独自の規格が用いられていました。そのため、異なるメーカーの機器を接続することが難しく、ユーザーは特定のメーカーの製品しか利用できないという制約がありました。

しかし、ANSIがSCSI規格を策定したことで、状況は大きく変わりました。SCSI規格に準拠した機器であれば、メーカーの違いを問わず接続が可能になり、ユーザーは自由に機器を選択できるようになったのです。

この互換性の高さこそがSCSIの最大のメリットであり、SCSIはハードディスクドライブ、CD-ROMドライブ、スキャナーなど、様々な周辺機器で標準的なインタフェースとして採用されました。ANSIによる規格策定は、このように技術の標準化を推進し、業界全体の成長とユーザーの利便性向上に大きく貢献しています。

項目 内容
背景 SCSI登場以前は、コンピュータと周辺機器間の接続規格はメーカー独自のもので、異なるメーカー機器間の接続に課題があった。
ANSIによるSCSI規格策定 ANSIが策定したSCSI規格により、メーカーに依存しない機器接続が可能になった。
メリット – 互換性の高さ
– ユーザーが自由に機器を選択可能になった
結果 SCSIは様々な周辺機器で標準的なインタフェースとして採用され、業界全体の成長とユーザーの利便性向上に貢献した。

高速化と汎用化

高速化と汎用化

コンピューターと周辺機器を繋ぐ技術であるSCSIは、常に進化を続けてきました。その進化は、主に高速化と汎用化という二つの流れに沿って進みました。高速化に関しては、Ultra SCSIの登場が大きな転換点となりました。これは、従来のSCSIと比べて格段に速いデータ転送速度を実現し、コンピューターの性能向上に大きく貢献しました。
一方、汎用化という面では、Wide SCSIの登場が画期的でした。これは、SCSIの接続規格を拡張することで、より多くの種類の周辺機器を接続できるようにしたのです。従来は対応機器が限られていたSCSIでしたが、Wide SCSIの登場により、その応用範囲は飛躍的に広がりました。
これらの進化は、SCSIが長年にわたってコンピューター周辺機器接続の主要な規格として利用され続ける原動力となりました。高速化と汎用化という二つの進化の流れは、常にコンピューター業界のニーズに応え続け、SCSIの地位を不動のものとしたのです。

進化の流れ 具体的な技術 効果
高速化 Ultra SCSI データ転送速度の向上
汎用化 Wide SCSI 接続可能な周辺機器の種類増加

SCSIの用途

SCSIの用途

– SCSIの活躍の場SCSIは、パソコンと周辺機器を繋ぐ技術として長年活躍してきました。特に、大量のデータを読み書きする必要があるハードディスクや、高画質画像を扱うスキャナー、高速印刷が求められるプリンターといった周辺機器との接続に広く利用されてきました。SCSIは、サーバーやワークステーションといった、高い処理能力が求められる環境において特に重宝されてきました。大量のデータを扱う業務や、複雑な処理を高速に行う必要がある場合、SCSI接続は安定したデータ転送と高速な処理速度を提供し、システム全体の性能向上に大きく貢献しました。しかし、近年では技術の進歩により、USBやThunderboltといった、より高速で汎用性の高い接続方式が登場しました。これらの新しい技術は、SCSIに比べて安価で扱いやすいという利点もあり、現在ではSCSIの利用は減少傾向にあります。それでも、SCSIは長年に渡って培われてきた信頼性と安定性から、現在でも一部の業務用機器や産業機器など、高い信頼性が求められる分野では根強く利用されています。

項目 内容
SCSIの活躍の場 – ハードディスク
– スキャナー
– プリンター
– サーバー
– ワークステーション
SCSIのメリット – 大量のデータを読み書きできる
– 高速な処理速度
– 安定したデータ転送
– 高い信頼性
SCSIの現状 – USBやThunderbolt等の登場により利用は減少傾向
– 一部の業務用機器や産業機器では利用

USBやIEEE1394の台頭

USBやIEEE1394の台頭

2000年頃になると、それまでコンピューター周辺機器の接続方式として主流を占めていたSCSIに代わり、USBやIEEE1394といった新しい接続規格が登場しました。USBは「Universal Serial Bus」、IEEE1394は「アイ・トリプルイー・1394」と読みます。
USBは、パソコンと周辺機器を接続するための規格として開発され、マウスやキーボード、プリンターなど、多様な機器との接続を可能にしました。一方、IEEE1394は、高速なデータ転送を必要とするデジタルビデオカメラや外付けハードディスクなどの接続を想定して開発されました。
USBやIEEE1394は、従来のSCSIに比べて接続が容易で、価格も安価であったため、急速に普及しました。また、USBはパソコンだけでなく、家電製品などにも広く採用されるようになり、接続の標準規格としての地位を確立しました。
これらの新しい規格の登場により、SCSIは次第にその姿を消していくことになりました。しかし、現在でも、高速なデータ転送が求められる一部の業務用機器などでは、SCSI接続が利用されています。

規格 読み方 特徴 用途例
USB Universal Serial Bus 接続が容易、安価、汎用性が高い マウス、キーボード、プリンター、家電製品など
IEEE1394 アイ・トリプルイー・1394 高速なデータ転送 デジタルビデオカメラ、外付けハードディスクなど
SCSI (Small Computer System Interface) 高速なデータ転送 (ただし、高価で接続が難しい) 一部の業務用機器など