INSネット: 往年の高速インターネット接続

INSネット: 往年の高速インターネット接続

ITの初心者

先生、『INSネット』って、インターネットと何か関係ありますか?

ITアドバイザー

そうだね。インターネットに接続するためのもので、NTTが提供していたサービスだよ。今はもう使われていないんだけどね。

ITの初心者

そうなんですね。2種類あったみたいですが、どんな違いがあったんですか?

ITアドバイザー

『INSネット64』は、主に個人がインターネットを使うために使われていたものだね。もう一つは『INSネット1500』といって、会社などでたくさんのデータをやり取りするために使われていたんだよ。

INSネットとは。

「情報通信技術に関係する言葉、『INSネット』について説明します。『INSネット』は、日本電信電話株式会社が提供する『ISDN』というサービスの商品名です。『INSネット』には、『INSネット64』と『INSネット1500』の2種類があります。『INSネット64』は、主に個人がインターネットに接続するために使われていました。『INSネット1500』は、光ファイバーケーブルを使い、電話23回線分のデータ通信を一度にできるため、会社などで使われていました。

INSネットとは

INSネットとは

– INSネットとはINSネットは、かつてNTTが提供していたISDN回線を利用した商用データ通信サービスです。1990年代後半から2000年代にかけて、高速なインターネット接続手段として、多くの企業や個人に利用されました。

INSネットが登場する以前、インターネットに接続するには、電話回線を利用したアナログ回線が使われていました。しかし、アナログ回線は通信速度が遅く、画像の多いウェブサイトを閲覧したり、大きなファイルをダウンロードしたりするのには時間がかかっていました。

そこで登場したのが、INSネットです。INSネットは、アナログ回線よりも高速なデータ通信が可能で、最大64kbpsの通信速度を持つ「INSネット64」と、最大1.5Mbpsの通信速度を持つ「INSネット1500」の2種類がありました。

INSネット64は、主に個人ユーザー向けに提供され、INSネット1500は、より高速な通信が必要な企業ユーザー向けに提供されました。INSネットの登場により、インターネットの普及が急速に進み、多くの企業や個人が、インターネットを利用した様々なサービスを利用できるようになりました。

しかし、その後、ADSLや光ファイバーなど、より高速で低価格なインターネット接続サービスが登場したため、INSネットは徐々にその役割を終え、2000年代後半にはサービスが終了しました。

項目 内容
サービス名 INSネット
提供元 NTT
回線種別 ISDN回線
特徴 高速データ通信サービス (当時)
提供時期 1990年代後半 – 2000年代
種類 – INSネット64 (最大64kbps)
– INSネット1500 (最大1.5Mbps)
利用者 – INSネット64: 個人ユーザー
– INSネット1500: 企業ユーザー
影響 インターネットの普及を促進
終焉 ADSLや光ファイバーの登場によりサービス終了

個人利用の拡大に貢献

個人利用の拡大に貢献

「INSネット64」は、その名の通り最大64kbpsの通信速度を実現するサービスでした。これは、当時主流であったアナログモデムを用いたダイヤルアップ接続と比べて、格段に速いものでした。アナログ回線では電話回線を使ってデータ通信を行うため、音声通話と同時にインターネットを利用することができませんでした。また、通信速度も遅く、画像の多いウェブサイトの閲覧には大変時間がかかっていました。

「INSネット64」は、デジタル回線であるISDN回線を利用することで、これらの問題を解決しました。ISDN回線は、音声通話とデータ通信を同時に行うことができ、高速なデータ通信が可能でした。これにより、インターネットを快適に利用できる環境が整い、多くの家庭にインターネットが普及していくきっかけとなりました。

「INSネット64」の登場は、それまで一部の企業や研究機関でしか利用できなかったインターネットを、一般の人々にとって身近なものにしたという点で、大きな意義を持つものでした。これにより、日本におけるインターネットの普及が飛躍的に進み、情報化社会の進展に大きく貢献しました。

項目 INSネット64以前 INSネット64
回線 アナログ回線 ISDN回線
通信速度 最大56kbps 最大64kbps
音声通話とデータ通信の同時利用 不可 可能
データ通信速度 遅い 高速
インターネットの普及度 一部の企業や研究機関のみ 一般家庭にも普及

企業の通信インフラを支える

企業の通信インフラを支える

企業が円滑に業務を行う上で、欠かせないのが通信インフラです。中でも、1980年代後半に登場した「INSネット1500」は、多くの企業に革新をもたらしました。

INSネット1500は、従来の電話回線に代わり、光ケーブルを用いることで、最大1.5Mbpsという高速なデータ通信を実現しました。これは、当時の一般的な電話回線23回線分に相当する通信速度で、まさに驚異的な速さでした。

この高速性は、主に企業のデータ通信サービスにおいて大きな威力を発揮しました。当時の企業では、顧客情報や売上データなど、日々大量のデータ送受信が発生していましたが、従来の電話回線では、その速度がボトルネックとなり、業務効率が低下することが少なくありませんでした。

しかし、INSネット1500の登場により、大量のデータも迅速かつ安定して送受信できるようになり、企業は業務効率を大幅に向上させることが可能となりました。これは、顧客対応の迅速化や、より精度の高い経営判断の実現など、企業活動のあらゆる場面に好影響をもたらしました。

このように、INSネット1500は、高速性と安定性を兼ね備えた通信インフラとして、多くの企業に導入され、日本のビジネスシーンを支える重要な役割を果たしました。

項目 内容
サービス名 INSネット1500
登場時期 1980年代後半
特徴 ・光ケーブルを用いた高速データ通信(最大1.5Mbps)
・従来の電話回線23回線分に相当する速度
メリット ・大量のデータを迅速かつ安定して送受信可能
・業務効率の大幅な向上(顧客対応の迅速化、精度の高い経営判断の実現など)
影響 多くの企業に導入され、日本のビジネスシーンを支える重要な役割を果たした

ブロードバンド普及による衰退

ブロードバンド普及による衰退

2000年代に入ると、ADSLや光ファイバーといったブロードバンド回線が急速に普及し始めました。これらの回線は、それまでのインターネット接続の主流であったINSネットと比べて、圧倒的な速度と低価格を実現していたことが、普及の大きな要因となりました。

従来のINSネットでは、画像や動画といった重いデータの送受信に時間がかかっていましたが、ブロードバンド回線ではストレスなく快適に利用できるようになりました。また、料金もINSネットよりも安価になったことで、多くの人がブロードバンド回線に乗り換えていきました

結果として、INSネットは利用者を急速に減らし、2010年代にはその役割を終えることとなりました。かつては画期的だった技術も、時代の流れと共にその役目を終えるという、技術革新のサイクルの一例と言えるでしょう。

項目 INSネット ブロードバンド回線
速度 遅い 速い
価格 高い 安い
普及率 2000年代初頭まで主流 2000年代から急速に普及
現状 2010年代に役目を終える 現在主流

インターネット発展の礎

インターネット発展の礎

インターネットが爆発的に普及する以前、私たちの多くは電話回線を使ってインターネットに接続していました。しかし、電話回線を使った接続は速度が遅く、画像の多いページを表示するのにも時間がかかってしまうことが課題でした。
そんな中登場したのが、INSネットです。INSネットは、デジタル通信方式を用いた高速なデータ通信サービスで、従来の電話回線よりも高速なインターネット接続を実現しました。そのため、動画や音楽などの大容量コンテンツも比較的快適に楽しめるようになり、多くのユーザーから支持を集めました。
INSネットの登場は、日本のインターネット普及に大きく貢献しました。その後、より高速な光ファイバー回線が普及し始めると、INSネットはその役割を終えていきました。
しかし、INSネットは、日本のインターネット黎明期を支えた重要なサービスとして、その名を残しています。現在、私たちは当たり前のように高速なインターネットを利用していますが、それはINSネットのような、過去の技術の積み重ねの上に成り立っていることを忘れてはなりません。

時代 主なインターネット接続方法 特徴 問題点
インターネット普及以前 電話回線 速度が遅く、画像の多いページの表示に時間がかかる
インターネット黎明期 INSネット デジタル通信方式による高速データ通信サービス
動画や音楽などの大容量コンテンツも比較的快適に楽しめる
現在 光ファイバー回線 INSネットよりも高速なインターネット接続が可能