WiMAXってどんな技術? 特徴とモバイルWiMAXとの違いを解説

WiMAXってどんな技術? 特徴とモバイルWiMAXとの違いを解説

ITの初心者

先生、「WiMAX」ってよく聞くんですけど、普通のインターネット回線と何が違うんですか?

ITアドバイザー

いい質問だね! 「WiMAX」は無線でインターネットに接続する技術の一つなんだ。 光回線のように家に線を引かなくても、基地局の電波が届く範囲ならインターネットが使えるんだよ。

ITの初心者

へえー、便利そうですね!でも、スマホの電波と同じようなものなんですか?

ITアドバイザー

よくぞ聞いてくれた! 実は「WiMAX」にも種類があって、固定式とモバイル式があるんだ。固定式は家などに設置して使うもので、モバイル式は持ち運んで外出先でも使えるんだよ。

WiMAXとは。

「WiMAX」は、パソコンやスマホをインターネットに繋ぐ技術の一つで、電波を使って情報をやり取りします。2003年にIEEEという団体によって認められました。この技術は、2~11GHzの電波を使い、最大で毎秒70メガビットほどの速さで情報を送ることができます。基地局から半径約50キロメートルの範囲で通信が可能です。正式には「IEEE802.16a」といいます。ちなみに、持ち運びながら使う機器向けには「モバイルWiMAX」という規格もあります。

高速無線通信規格 WiMAX

高速無線通信規格 WiMAX

– 高速無線通信規格 WiMAX

WiMAXは、世界中の技術者が集まり、様々な技術の標準化を目指す国際的な組織であるIEEE(アイトリプルイー)によって、2003年に承認された高速無線通信の規格です。正式には「IEEE802.16a」という名前で呼ばれています。

WiMAXは、2~11GHzという広範囲の周波数帯を使用することができ、最大で約70Mbpsという、当時としては画期的な速度でデータの送受信を実現しました。この速度は、それまでの無線通信規格と比べて非常に高速であり、動画を途切れることなく滑らかに再生したり、大きなサイズのファイルでも短時間でダウンロードしたりすることが可能になりました。

WiMAXの登場によって、いつでもどこでも高速インターネットに接続できるという、全く新しいインターネットの利用環境が生まれたと言えるでしょう。

項目 内容
規格名 WiMAX (IEEE802.16a)
制定団体 IEEE (アイトリプルイー)
承認年 2003年
周波数帯 2~11GHz
最大速度 約70Mbps
特徴 高速なデータ通信が可能になり、動画の視聴や大容量ファイルのダウンロードなどが快適に行えるようになった。

広範囲をカバーする通信エリア

広範囲をカバーする通信エリア

– 広範囲をカバーする通信エリアWiMAXの大きなメリットの一つとして、その広範囲にわたる通信エリアが挙げられます。従来の無線通信方式と比較して、WiMAXは基地局のアンテナから半径約50キロメートルもの範囲で通信を行うことができます。この広範囲通信能力によって、WiMAXは都市部だけでなく、従来はインターネットの利用が困難であった郊外や山間部などにも高速インターネット環境を提供することを可能にしました。従来のインターネット回線は、光ファイバーなどの物理的なケーブルを敷設する必要があり、その費用対効果の観点から、都市部以外への導入が遅れていました。しかし、WiMAXは基地局さえ設置すれば広範囲に電波を届けることができるため、従来のインターネット回線と比較して、低コストでサービスを提供することが可能です。このWiMAXの特性は、地方における情報格差の解消や、災害時における通信手段の確保など、社会的な課題解決にも貢献する可能性を秘めています。例えば、WiMAXを利用することで、地方に住む人々は都市部と変わらない情報アクセスが可能になり、ビジネスチャンスの拡大や生活の質の向上が期待できます。また、災害発生時には、WiMAXの広範囲通信能力を生かして、被災地への迅速な情報提供や安否確認などが行えます。このように、WiMAXは広範囲をカバーする通信エリアという強みを生かして、私たちの生活に様々な恩恵をもたらすことが期待されています。

メリット 内容 効果
広範囲をカバーする通信エリア 基地局のアンテナから半径約50kmの範囲で通信可能 – 都市部だけでなく、郊外や山間部にも高速インターネット環境を提供可能
– 従来はインターネットの利用が困難であった地域にもサービスを提供可能
低コストでのサービス提供 基地局さえ設置すれば広範囲に電波を届けることが可能 – 従来のインターネット回線と比較して、低コストでサービスを提供可能
– 地方における情報格差の解消に貢献
社会的な課題解決に貢献 広範囲通信能力を生かして、様々な場面で活用可能 – 災害時における通信手段の確保
– 被災地への迅速な情報提供や安否確認
– 地方に住む人々のビジネスチャンス拡大や生活の質の向上

モバイルWiMAXとの違い

モバイルWiMAXとの違い

「ワイマックス」という言葉を耳にする機会が増えましたが、似たような言葉に「モバイルワイマックス」があります。どちらも高速で無線通信を行う技術ですが、いくつか違いがあります。

ワイマックスは、どちらかというと固定的な利用を前提としています。例えば、自宅やオフィスなどに設置して、パソコンやゲーム機などをインターネットに接続するといった使い方が一般的です。

一方、モバイルワイマックスは、その名の通り、持ち運びできる機器での利用を前提として開発されました。「IEEE802.16e」という規格に基づいており、高速で移動している状態でも、途切れにくい安定した通信を実現できるように設計されています。

実際には、モバイルワイマックスは、携帯電話やスマートフォンなどで利用されることが多く、外出先でも手軽に高速インターネットを利用できるという利便性から、多くの人に利用されています。

項目 ワイマックス モバイルワイマックス
利用形態 固定的な利用 持ち運びを前提とした利用
用途例 自宅やオフィスでのインターネット接続 外出先でのインターネット接続
技術的な特徴 IEEE802.16e規格に基づき、高速移動中でも安定した通信が可能
利用例 パソコン、ゲーム機など 携帯電話、スマートフォンなど

WiMAXの利用シーン

WiMAXの利用シーン

– WiMAXの利用シーン

WiMAXは、固定回線のように工事が必要なく、自宅やオフィスに設置して手軽にインターネット接続を利用できるという特徴があります。そのため、これまでインターネット環境が整っていなかった場所でも、簡単に高速インターネットを楽しむことができます。例えば、一人暮らしを始める際に、面倒な手続きなしでインターネット回線を導入したいという場合や、オフィスを移転する際に、すぐにインターネットを使える環境を整えたいという場合などに最適です。

また、WiMAXには、モバイルWiMAXと同様に、持ち運び可能なモバイルルーターも販売されています。これにより、自宅だけでなく、外出先でもWiMAXの高速インターネット接続を利用することができます。例えば、出張先でパソコンやタブレットを使って仕事をする際や、旅行先で観光情報などを調べたい場合などに便利です。

ただし、モバイルWiMAXと比較すると、通信速度や安定性、利用可能なエリアなどが異なる場合があるので注意が必要です。一般的に、固定的に利用するWiMAXの方が、モバイルWiMAXよりも高速で安定した通信が期待できます。また、利用可能なエリアも、固定的に利用するWiMAXの方が広範囲にわたる傾向があります。

WiMAXは、このように、自宅やオフィスでの利用はもちろんのこと、外出先でも利用できるという点で、非常に利便性の高いインターネット接続サービスと言えるでしょう。しかし、モバイルWiMAXとの違いを理解した上で、自身の利用シーンに合ったサービスを選ぶことが重要です。

項目 内容
特徴 工事不要、手軽に高速インターネット接続が可能
利用シーン – 自宅やオフィスでの利用
– インターネット環境が整っていない場所での利用
– 一人暮らし、オフィス移転時など
– 外出先での利用(モバイルルーター)
– 出張先での仕事、旅行先での情報収集など
メリット – 手軽さ
– 高速なインターネット接続
– 利用場所の広さ(固定WiMAX)
注意点 – モバイルWiMAXと比較して、通信速度や安定性、利用可能エリアが異なる場合がある
– 固定WiMAXの方が、一般的に高速で安定した通信、広範囲なエリア coverage

今後のWiMAX

今後のWiMAX

これからの世の中において、WiMAXは、その速くて広い通信範囲という強みを活かして、様々な場面で活躍していくことが見込まれています。

例えば、身の回りのあらゆる物がインターネットにつながるIoT(モノのインターネット)の世界が進んでいくにつれて、たくさんの機器がインターネットに接続するようになります。このような状況では、WiMAXのような速いスピードでたくさんのデータをやり取りできる技術が、これまで以上に大切になってきます。

また、車が自動で走る自動運転や、遠く離れた場所から診察を行う遠隔医療などにおいても、速くて安定した通信は欠かせません。WiMAXは、このような分野においても、その力を発揮することが期待されています。さらに、最近注目されているメタバースや、高画質の動画配信サービスなども、WiMAXの高速通信によって、より快適に楽しめるようになるでしょう。

このように、WiMAXは、これからの社会を支える重要な技術として、ますます期待が高まっています。

今後のWiMAX