人の心につけ込むサイバー攻撃にご用心
ITの初心者
「ソーシャルエンジニアリング」って、人の弱みにつけ込むって意味ですか?
ITアドバイザー
いいところに気がつきましたね!まさに、人の心理的な隙やミスにつけ込んで、情報を盗み出す手口なんです。
ITの初心者
例えば、どんな風にだまされちゃうんですか?
ITアドバイザー
例えば、銀行の職員になりすまして電話をかけてきて、「あなたの口座が不正利用されているので、確認のためパスワードを教えてください」と聞いてきたら、信じて教えてしまうかもしれませんよね。このように、巧妙な嘘や偽の情報で人を騙すのがソーシャルエンジニアリングなんです。
social engineeringとは。
「コンピューターのセキュリティーにおいて、パスワードや暗証番号、利用者のIDといった大切な情報を、機械や技術を使うのではなく、人の弱みや心の隙間につけ込むやり方でだまし取ることについて説明します。具体的には、自分を偽って直接情報を聞き出したり、他人がキーボードを打つところや画面を見ているところを盗み見たり、会社から捨てられた紙くずや機器を盗んで情報を盗んだりします。このような行為は、『ソーシャルハッキング』や『ソーシャルクラッキング』とも呼ばれます。」
巧妙化する情報詐取の手口
インターネットの普及は、私達の生活を便利にする一方で、企業や個人が保有する重要な情報が、悪意のある第三者から狙われるリスクも高めています。かつては、コンピューターのセキュリティホールを突くなど、高度な技術を用いた攻撃が主流でしたが、近年では、人の心理的な隙や行動のミスを巧みに利用した「ソーシャルエンジニアリング」と呼ばれる手口による被害が急増しています。
ソーシャルエンジニアリングとは、言葉巧みに相手をだまし、重要な情報やアクセス権限を不正に入手する行為を指します。例えば、実在する企業や組織を装ったメールを送りつけ、本物とそっくりな偽のウェブサイトに誘導して、パスワードやクレジットカード情報を入力させる「フィッシング詐欺」や、実在の人物になりすまして親密な関係を築き、金銭や個人情報をだまし取る「ロマンス詐欺」などが挙げられます。
これらの手口は、高度な技術を必要とせず、人間の心理的な弱点を突いてくるため、誰もが被害に遭う可能性があります。セキュリティソフトの導入やシステムの強化はもちろん重要ですが、日頃から怪しいメールやウェブサイトに注意し、個人情報や重要な情報を安易に教えないなど、一人ひとりがセキュリティ意識を高めることが重要です。
項目 | 内容 |
---|---|
問題 | インターネットの普及に伴い、情報漏洩のリスクが高まっている。特に、人の心理を悪用した「ソーシャルエンジニアリング」による被害が増加。 |
ソーシャルエンジニアリングとは | 言葉巧みに相手を騙し、情報やアクセス権限を不正に入手する行為。 |
手口の例 | – フィッシング詐欺:偽のウェブサイトに誘導し、情報を入力させる – ロマンス詐欺:なりすましで親密な関係を築き、金銭や情報を騙し取る |
対策 | – セキュリティソフトの導入、システムの強化 – 怪しいメールやウェブサイトへの注意 – 個人情報や重要情報の安易な提供の禁止 – 一人ひとりのセキュリティ意識の向上 |
ソーシャルエンジニアリングとは
– ソーシャルエンジニアリングとはソーシャルエンジニアリングとは、コンピューターウイルスやハッキングといった技術的な手段ではなく、人の心理的な隙につけ込むことで情報を盗み出す攻撃手法です。巧みな嘘や偽装工作によって相手を騙し、パスワードやクレジットカード情報などを自ら提供させてしまいます。例えば、実在する企業の担当者を装って電話やメールで接触し、「システムの不具合の確認のため」などと偽ってパスワードを聞き出したり、偽のウェブサイトに誘導して重要な個人情報を入力させたりします。また、親切な人物を装って近づき、セキュリティカードの情報を見ようとしたり、社内への侵入を試みたりするケースもあります。ソーシャルエンジニアリングの恐ろしい点は、セキュリティソフトだけでは防ぎきれないことにあります。どんなに強固なシステムを構築していても、それを利用する人間が騙されてしまえば、簡単に情報が漏洩してしまう可能性があるのです。そのため、誰もがソーシャルエンジニアリングの危険性を認識し、適切な対策を講じることが重要です。不審なメールや電話には安易に応じない、見覚えのないウェブサイトに個人情報を入力しないなど、日頃から警戒心を高く持つことが重要です。また、企業においては、従業員に対するセキュリティ教育を徹底し、ソーシャルエンジニアリングの手口や対策方法について周知することが不可欠です。
項目 | 内容 |
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定義 | 技術的手段ではなく、人の心理的な隙につけ込んで情報を盗み出す攻撃手法 |
手段 | 巧みな嘘や偽装工作 |
目的 | パスワード、クレジットカード情報などを騙し取る |
具体例 | – 企業担当者を装ってパスワードを聞き出す – 偽ウェブサイトに誘導して個人情報を入力させる – 親切な人物を装ってセキュリティカードの情報を見ようとする – 社内への侵入を試みる |
危険性 | セキュリティソフトだけでは防ぎきれない |
対策 | – 不審なメールや電話への対応を控える – 見覚えのないウェブサイトに個人情報を入力しない – 日頃から警戒心を高く持つ – 企業は従業員へのセキュリティ教育を徹底 |
代表的なソーシャルエンジニアリングの手口
– 代表的なソーシャルエンジニアリングの手口ソーシャルエンジニアリングは、人間の心理的な隙や行動の癖を突いて、情報詐取やシステムへの侵入などを企てるサイバー攻撃の手法です。巧妙に仕組まれた罠で、セキュリティ対策ソフトだけでは防ぎきれない場合も多く、一人ひとりがその危険性と対策を理解しておくことが重要です。ここでは、代表的なソーシャルエンジニアリングの手口を具体例を交えて紹介します。-# なりすまし企業の担当者やシステム管理者、さらには警察官や金融機関の職員などになりすまし、電話やメールで相手に接触します。そして、「システムの不具合でアカウント情報を確認したい」「不正利用の可能性があるのでパスワードを教えてほしい」などと言って、パスワードやクレジットカード情報といった重要な情報を聞き出そうとします。巧妙な話術で相手を信用させようとするため、冷静な判断が難しく、騙されてしまうケースも少なくありません。-# ショルダーハッキング公共の場、例えばカフェや図書館、電車内などで、他人がパスワードやクレジットカード情報を入力しているところを、肩越しに覗き込んで盗み見ます。スマートフォンやタブレットの普及により、こうした盗み見のリスクは高まっています。また、背後に立って画面を覗き込むだけでなく、カメラや盗撮アプリを使って情報を盗むケースもあります。-# スキャベンジング企業や個人が捨てたゴミ箱や、廃棄されたパソコン、USBメモリなどから、個人情報や機密情報が記載された書類やデータを探します。うっかり捨ててしまったメモ書きや、初期化が不十分なまま廃棄されたパソコンなどから、重要な情報が漏えいする可能性があります。情報漏えいを防ぐためには、書類はシュレッダーで処理し、パソコンはデータ消去ソフトを使って完全にデータを消去してから廃棄することが大切です。-# フィッシング金融機関やECサイト、官公庁などを装った偽のウェブサイトに誘導し、IDやパスワード、クレジットカード情報などを入力させて盗み取ります。本物そっくりのウェブサイトで、メールやSMSで偽のURLに誘導するなど、巧妙な手口が用いられます。そのため、アクセスする前にURLをよく確認し、少しでも不審な点があればアクセスしないようにすることが重要です。
手口 | 概要 | 具体例 |
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なりすまし | 企業の担当者や警察官などになりすまし、電話やメールで相手に接触し、情報を入手する。 | – システムの不具合を口実にアカウント情報を確認 – 不正利用の可能性を告げてパスワードを要求 |
ショルダーハッキング | 公共の場で、他人がパスワードなどを入力しているところを、肩越しに覗き込んで盗み見する。 | – カフェや電車内で、パスワードやクレジットカード情報の入力画面を覗き見る – カメラや盗撮アプリを使って情報を盗む |
スキャベンジング | 企業や個人が捨てたゴミ箱や廃棄物から、個人情報や機密情報を探す。 | – ゴミ箱から、個人情報が記載された書類やメモ書きを探す – 初期化が不十分なまま廃棄されたパソコンからデータを取り出す |
フィッシング | 金融機関やECサイトなどを装った偽のウェブサイトに誘導し、情報を入力させて盗み取る。 | – 本物そっくりのウェブサイトでIDやパスワード、クレジットカード情報を入力させる – メールやSMSで偽のURLに誘導する |
被害に遭わないための対策
近頃、巧みな話術を駆使して人を騙し、金銭や情報を盗み取ろうとする事件が増えています。このような手口はソーシャルエンジニアリングと呼ばれ、誰もが被害者になり得るため、十分な注意が必要です。
被害に遭わないためには、まず不審な電子郵便や電話には、絶対に安易に応じてはいけません。特に、身に覚えのない請求や問い合わせには注意が必要です。発信元が本物かどうかを確認するなど、冷静な判断を心がけましょう。
また、パスワードや個人情報は、どんなに親しい間柄を装っていても、安易に教えてはいけません。個人情報を含む書類は、シュレッダーにかけるなどして、適切に処理することが重要です。
さらに、コンピューターにはセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態を保ちましょう。怪しいと感じられるウェブサイトへのアクセスは控えるなど、自衛意識を高めることが大切です。
これらの対策を心がけ、被害から身を守りましょう。
ソーシャルエンジニアリング対策 |
具体的な対策 |
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不審な連絡への対応 |
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パスワード・個人情報の管理 |
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コンピューターのセキュリティ対策 |
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まとめ
– まとめ
巧妙な話術や情報操作を駆使して、人を欺き、機密情報を入手する「ソーシャルエンジニアリング」は、私たちの身近に潜む危険です。巧みな話術を持つ攻撃者は、信頼できる人物を装い、言葉巧みに近づいてきます。そして、セキュリティ対策の隙を突いて、パスワードや個人情報など、重要な情報を盗み出そうとします。
誰もがソーシャルエンジニアリングの被害に遭う可能性があります。自分は大丈夫と安心せず、常に警戒を怠らないことが重要です。
日頃から情報セキュリティに関する意識を高め、怪しいメールや電話、訪問者には十分注意しましょう。また、パスワードの管理を徹底し、不審なリンクはクリックしないなど、適切な対策を講じるように心がけることが、被害を防ぐための第一歩となります。
ソーシャルエンジニアリングとは | 特徴 | 対策 |
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巧みな話術や情報操作で人を騙し、機密情報を入手する攻撃手法 | 信頼できる人物を装う 言葉巧みに近づいてくる セキュリティ対策の隙を突く |
情報セキュリティ意識の向上 怪しいメール、電話、訪問者に注意 パスワードの適切な管理 不審なリンクをクリックしない |