
精密な印刷を実現する技術
インクを霧のように細かい粒子にして紙に吹き付けることで文字や絵を描く印刷機があります。これをインクジェット印刷機と言います。その中でも、特に精密な印刷ができるものとして知られているのがマッハジェット印刷機です。マッハジェット印刷機は、電気を流すと形を変える不思議な部品を使っています。この部品は「圧電素子」と呼ばれ、電気を流す強さを変えることで、圧電素子の形を変える量を細かく調節できます。
圧電素子は、インクの通り道に設置されています。電気を流して圧電素子の形を素早く変えることで、インクの通り道を瞬間的に狭めます。このとき、インクは勢いよく押し出され、細かい粒子となって紙に吹き付けられるのです。まるで、風船を急に押すと空気が勢いよく飛び出すのと同じ仕組みです。
このインク粒子の細かさと噴射する位置を正確に制御することで、高画質で鮮明な印刷を実現しています。写真のような緻密な色の変化や、小さな文字も綺麗に印刷できるのは、この精密な制御のおかげです。また、インクの種類も豊富に用意されています。写真印刷に適した鮮やかな色のインクや、文字印刷に適した滲みににくいインクなど、用途に合わせて使い分けることで、より良い印刷結果を得ることができます。例えば、思い出の写真を綺麗に印刷したい時は、写真専用のインクを使うことで、まるで写真の現像をしたかのような美しい仕上がりになります。また、重要な書類を印刷する際は、滲みににくいインクを使うことで、文字がくっきりとして読みやすくなります。