カスタムIC

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ASIC:特定用途向け集積回路

特定用途向け集積回路(略して「特定回路」)とは、ある特定の目的のために設計、製造される集積回路のことです。 特定回路は、汎用の集積回路とは異なり、決まった機能を実現するために最適化されている点が大きな特徴です。このため、処理速度の向上、消費電力の低減、製造費用の抑制など、さまざまな利点があります。たとえば、ある計算手順を実行するための回路や、特定の通信方式に対応するための回路などが、特定回路として設計されます。 特定回路は、家電製品、産業機械、通信機器など、実に様々な分野で利用されています。製品の小型化、消費電力の低減、性能の向上に大きく役立っています。 近年、特に注目されているのが、人工知能の分野での特定回路の活用です。人工知能の処理は、大量の情報の計算を必要とします。そのため、汎用の処理装置では処理速度が追いつかないことがあります。そこで、人工知能の処理に特化した特定回路を開発することで、処理速度を飛躍的に向上させることができます。 特定回路は、特定の用途に最適化されているため、高い性能を発揮できるのです。たとえば、画像認識、音声認識、自然言語処理といった特定の人工知能の処理に特化した回路を設計することで、それぞれの処理に最適な性能を引き出すことができます。また、消費電力を抑えることもできるため、装置の小型化、省電力化にも貢献します。 このように、特定回路は、様々な分野で活用され、製品の進化に大きな役割を果たしています。今後、ますます発展していくことが期待される技術の一つと言えるでしょう。
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PLD: ハードウェアをソフトウェアのようにカスタマイズ

- PLDとはPLDは、Programmable Logic Deviceの略称で、日本語では「プログラマブルロジックデバイス」と言います。これは、製造後に内部の論理回路を書き換えることができるICのことを指します。従来のICは、設計が完了するとその機能は固定されていましたが、PLDは後から機能を変更したり、新たな機能を追加したりすることが可能です。従来のICは、特定の機能を実現するために設計・製造されるため、設計変更には多大な時間と費用がかかりました。しかし、PLDは、ユーザーが必要に応じて回路を書き換えられるため、開発期間の短縮やコスト削減、製品の機能向上といったメリットがあります。PLDには、大きく分けてFPGAとCPLDの二種類があります。FPGAは、大規模な回路構成に適しており、処理速度の速い複雑なシステムに利用されます。一方、CPLDは、FPGAよりも小規模な回路構成に適しており、比較的単純なシステムに利用されます。このように、PLDは従来のICよりも柔軟性が高く、様々な分野で活用されています。例えば、家電製品や通信機器、産業機器など、幅広い分野で製品開発の効率化や機能向上に貢献しています。
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カスタムLSI:設計の自由度を高める半導体

- カスタムLSIとは特定の機能を実現するために、設計から製造までを一から行う集積回路を、カスタムLSIと呼びます。よく目にする家電製品やスマートフォン、自動車など、様々な機器に搭載されている集積回路ですが、その多くは汎用的に使えるように設計・製造されています。一方、カスタムLSIは、特定の機器や用途向けに最適化して設計されるため、より高い性能や低消費電力、小型化などを実現できるというメリットがあります。例えば、高画質の画像処理に特化したカスタムLSIを開発する場合を考えてみましょう。一般的な画像処理用LSIでは処理しきれないような複雑な計算や処理も、カスタムLSIであれば、回路設計の段階から最適化することで、高速かつ高精度に行うことが可能になります。また、カスタムLSIは、設計の自由度が高いことも大きな特徴です。回路設計から製造プロセスまでを自由にカスタマイズできるため、開発する機器の仕様や求める性能に合わせて、最適なLSIを作り出すことができます。このように、カスタムLSIは、高性能化、低消費電力化、小型化などを実現するための有効な手段として、様々な分野で注目されています。今後、IoTやAIといった技術の進化に伴い、より高度な処理能力や省電力性が求められるようになると予想され、カスタムLSIの重要性はますます高まっていくと考えられます。
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用途に合わせて作る!カスタムICとは?

- カスタムICとはカスタムICとは、特定の製品やシステムの要求に合わせて、回路設計からチップ製造までを一貫して行う特別な集積回路です。一般的に販売されている集積回路は、汎用性を持たせるために多くの機能を詰め込んでおり、あらゆる製品に最適化されているわけではありません。一方、カスタムICは特定の用途に特化して設計・製造されるため、無駄な機能を省き、必要な機能だけを搭載することができます。例えば、省電力性や処理速度の向上、サイズの小型化など、汎用品では実現できない高い性能を引き出すことができます。また、回路設計を自社で行うことで、独自の技術やノウハウを組み込み、他社との差別化を図ることも可能です。カスタムICの開発には、回路設計や製造プロセスに関する高度な知識と技術が必要となります。しかし、その分、製品の付加価値を高め、競争力を強化できる可能性を秘めています。近年では、開発支援ツールの進化や製造コストの低下により、カスタムICの開発が以前よりも容易になってきており、様々な分野で採用が進んでいます。