
内部バス:コンピュータの心臓部を繋ぐ動脈
計算機の中身では、様々な部品が力を合わせて動くために、情報のやり取りが欠かせません。この情報のやり取りを滞りなく行うための通り道となるのが「バス」です。バスには、計算機の中にある部品同士をつなぐ「内部バス」と、計算機と外にある機器をつなぐ「外部バス」の二種類があります。内部バスは、計算機の心臓部である中央処理装置(CPU)の中や、中央処理装置と密接に連携する記憶装置などを繋ぐ重要な役割を担っています。中央処理装置内部バスとも呼ばれ、中央処理装置の性能に直接影響する重要な要素です。
内部バスは、中央処理装置が計算を行う際に必要なデータを読み書きする速度に大きく影響します。もし内部バスの速度が遅いと、中央処理装置は必要なデータを待つ時間が長くなり、計算速度が低下してしまいます。逆に、内部バスの速度が速ければ、中央処理装置は必要なデータをすぐに読み書きできるため、計算速度も向上します。
内部バスの性能は、データの転送速度や一度に送れるデータ量などで決まります。データの転送速度は、一秒間にどれだけの量のデータを送れるかを示す指標で、単位はビット毎秒などです。データ転送速度が速いほど、多くの情報を短い時間で送ることができます。また、一度に送れるデータ量は帯域幅と呼ばれ、バスの幅が広いほど、一度に多くのデータを送ることができます。これらの性能指標は、計算機全体の処理速度に大きく関わってきます。
高速な内部バスを持つ計算機は、複雑な計算や大きなデータの処理を速やかに行うことができます。例えば、高画質の動画編集や高度な3次元画像処理など、大量のデータを扱う作業には高速な内部バスが不可欠です。そのため、計算機の性能を比較する際には、中央処理装置の性能だけでなく、内部バスの性能にも注目することが大切です。