セキュリティプロトコル

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APOPでメールを安全に受信

電子郵便を受け取る際の安全性を高める方法として「認証」という仕組みがあります。その一例がAPOPと呼ばれる方法です。少し前まで広く使われていたPOP3という方法では、接続するための合い言葉である「暗証符号」がそのままの状態で通信路を流れていました。そのため、誰かに盗み見られる危険性がありました。APOPはこの危険を減らすために考え出されました。 APOPでは、まず郵便を受け持つ機械(電子郵便サーバー)が、接続してきた相手(利用者側)に対して、特別な確認用の文字列(これを「試行符号」と呼びます)を発行します。利用者側は、この試行符号と自分が設定した暗証符号を組み合わせ、MD5と呼ばれる計算方法を使って暗号化します。そして、この暗号化された文字列をサーバーに送ります。 サーバー側では、同じように、先ほど発行した試行符号と、あらかじめ保存しておいた利用者本人の暗証符号を使って、暗号化された文字列を作ります。そして、利用者側から送られてきた暗号化された文字列と、今作った暗号化された文字列を比べます。両方が完全に一致すれば、利用者本人であると確認され、電子郵便の受信が可能になります。 このようにAPOPを用いると、暗証符号そのものは通信路を流れません。そのため、盗み見による暗証符号の漏洩という危険性を減らすことができるのです。とはいえ、APOPにも弱点がないわけではありません。より安全な方法も開発されているので、状況に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。
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安全な通信の要:TLSとは

インターネットの世界で情報をやり取りするとき、その安全を守ることはとても大切です。個人情報やクレジットカードの番号、会社の秘密情報など、大切な情報が盗まれたり、書き換えられたりする危険から守る必要があるからです。そのための強力な仕組みがTLSです。 TLSは、情報を暗号化して送受信することで、安全を守ります。暗号化とは、情報を特別な方法で変換して、本来の内容がわからないようにすることです。例えば、家に鍵をかけるように、情報に鍵をかけることで、許可されていない人が見たり、使ったりすることを防ぎます。TLSはこのような暗号化技術を使って、盗み聞きや書き換え、なりすましといった脅威を防ぎ、安全な情報のやり取りを実現します。 盗み聞きとは、他人のやり取りを勝手に覗き見することです。TLSを使うことで、たとえ誰かが通信内容を盗み見ようとしても、暗号化されているため、内容を理解することができません。書き換えとは、情報を不正に書き換えることです。TLSは情報の書き換えも防ぎます。もし情報が途中で書き換えられた場合、受信側でそれを検知し、情報の受け取りを拒否することができます。なりすましとは、他人のふりをして情報を盗み取ろうとすることです。TLSは、通信相手の身元を確認する仕組みも備えているため、なりすましを防ぐことができます。 このように、TLSはインターネットにおける安全の土台として、なくてはならないものとなっています。私たちが安心してインターネットを利用できるのも、TLSのような安全を守る仕組みがあるおかげです。日々進化するインターネットの脅威から私たちを守り、安全な情報社会を支える重要な技術と言えるでしょう。
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インターネットの安全を守るSSLとは?

- SSLとはインターネット上で安全に情報をやり取りするには、第三者による盗聴や改ざんを防ぐ必要があります。そのために欠かせない技術がSSLです。SSLは「Secure Sockets Layer」の略称で、その名の通り、インターネット上でやり取りされるデータを暗号化することで安全性を確保します。例えば、インターネットショッピングでクレジットカード情報を入力する場面を考えてみましょう。SSLが導入されていないサイトの場合、入力したクレジットカード情報はそのままの形でインターネット上を流れてしまいます。悪意のある第三者に盗聴されれば、不正利用されてしまうかもしれません。しかし、SSLが導入されているサイトであれば、入力したクレジットカード情報は暗号化されて送信されます。暗号化とは、データを特殊な方法で変換することで、元のデータの形を分からなくすることです。たとえ第三者に盗聴されても、暗号化されたデータは解読できないため、安全に情報を守ることができます。SSLは、オンラインショッピングだけでなく、ネットバンキングやオンラインゲームなど、個人情報や機密情報を取り扱うあらゆる場面で利用されています。インターネットを安全に利用するために、SSLが重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
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ウェブサイトを安全に:HTTPSとは?

現代社会において、インターネットは情報収集やコミュニケーションの手段として欠かせないものとなっています。しかし、便利な反面、インターネット上には悪意のある第三者も存在し、私たちの大切な情報を狙っています。そのため、インターネットを安全に利用するためには、セキュリティ対策が非常に重要となります。 インターネット上でやり取りされる情報には、氏名、住所、電話番号などの個人情報や、クレジットカード情報、銀行口座情報など、もし第三者に知られてしまうと悪用され、金銭的な被害や、プライバシー侵害などの深刻な事態に繋がる可能性があるものも少なくありません。 このような被害から自身を守るためには、パスワードを定期的に変更する、複雑なパスワードを設定する、信頼できるセキュリティソフトを導入するなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することが大切です。また、フィッシング詐欺のように、実在の企業や組織を装って情報を盗み取ろうとする巧妙な手口も存在するため、不審なメールやウェブサイトには安易にアクセスしない、個人情報やパスワードを安易に教えないなど、日頃から情報セキュリティに関する意識を高め、注意を払うことが重要です。
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インターネット接続のセキュリティ強化:CHAP認証とは?

- CHAP認証の概要CHAP認証は、「チャレンジ・ハンドシェイク認証プロトコル」の略称で、インターネットに接続する際の安全性を確保するための仕組みです。特に、電話回線を通じてインターネットに接続する際に用いられるPPPという通信プロトコルにおいて広く利用されています。従来のパスワード認証方式では、パスワードが通信経路上で盗聴されるリスクがありました。これは、パスワードが平文で送信されるため、第三者に容易に読み取られてしまう可能性があったためです。しかし、CHAP認証では、パスワード自体を送信するのではなく、パスワードを元に作成した暗号化されたデータを用いることで、このリスクを大幅に軽減しています。CHAP認証では、接続を要求する側と受理する側の間で、以下のような手順で認証が行われます。1. 接続を受け入れる側が、接続を要求してきた側にランダムなデータ(チャレンジ)を送信します。2. 接続を要求する側は、受信したチャレンジと、あらかじめ設定されたパスワードを用いて、ハッシュ関数と呼ばれる計算処理を行い、応答データを作成します。3. 作成した応答データを接続を受け入れる側に送信します。4. 接続を受け入れる側も、同様に受信したチャレンジと、あらかじめ保存しているパスワードを用いて応答データを作成します。5. 接続を要求する側から受信した応答データと、自身で作成した応答データを比較し、一致すれば認証が成功となります。このように、CHAP認証ではパスワード自体をネットワーク上でやり取りしないため、従来のパスワード認証と比べて安全性が高い点が特徴です。
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インターネットの安全を守る技術:IPsec

- IPsecとはインターネットは世界中の人々をつなぐ便利なツールですが、その一方で、情報のやり取りが盗み見される危険性も孕んでいます。例えば、オンラインショッピングサイトで入力したクレジットカード番号や、インターネットバンキングで利用するパスワードが、悪意のある第三者に盗まれてしまうかもしれません。このような脅威から大切な情報を守るために開発された技術の一つが、IPsec(アイピーセック)です。インターネット上では、あらゆる情報が「パケット」と呼ばれる小さなデータの単位に分割され、送信先へと届けられます。IPsecは、このパケット一つ一つを暗号化することで、たとえ情報が盗み見られたとしても、その内容を解読できないようにするのです。イメージとしては、大切な手紙を厳重に封をした封筒に入れるのと同じです。封筒の中身、つまりパケットの中身は暗号化によって解読不可能となり、送信者と受信者だけがその内容を理解できます。IPsecは、オンラインショッピングやインターネットバンキングといった、個人情報や金融情報を扱うサービスにおいて広く利用されています。私たちが安心してインターネットを利用できるのも、IPsecのようなセキュリティ技術のおかげと言えるでしょう。