ディザスタリカバリ

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インフラ

備えあれば憂いなし:冗長性の重要性

近頃は、私たちの暮らしは情報技術なしには成り立ちません。様々な仕組が円滑に動くことが、社会全体の土台を支えています。もしもの時に備え、仕組の確実性を高める上で大切な考え方の一つに『冗長性』があります。これは、予備の機器や処理の道筋をあらかじめ用意しておくことで、主要な仕組に不具合が生じた場合でも、その働きを続けられるようにする工夫です。 たとえば、一つの機械だけで作業を行う場合、その機械が故障すると作業全体が止まってしまいます。しかし、同じ働きをする機械をもう一台用意しておけば、片方が故障してももう片方で作業を続けられます。これが冗長性の基本的な考え方です。 冗長性を備えることで得られる利点は、何よりも仕組の安定稼働が図れることです。一部に不具合が生じても全体が停止することはなく、継続してサービスを提供できます。これにより、利用者への影響を最小限に抑え、信頼性を高めることができます。また、不具合が起きた機器の修理や交換も、他の機器が動いている間に落ち着いて行うことができます。 一方で、冗長化には費用がかかります。予備の機器の購入、設置、管理には当然ながらお金がかかります。また、仕組全体を複雑にするため、設計や管理の難易度も上がります。そのため、どの程度まで冗長化を行うかは、費用と効果のバランスを慎重に見極める必要があります。 冗長性は様々な場面で活用されています。例えば、データセンターでは、停電に備えて自家発電装置や無停電電源装置を備えています。また、航空機のエンジンは複数搭載することで、万が一エンジンが一つ停止しても飛行を続けられるように設計されています。インターネットの通信経路も、複数のルートを用意することで、一部の回線が切断されても通信が維持できるように冗長化されています。このように、冗長性は私たちの生活を支える様々な仕組の裏側で重要な役割を担っているのです。
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システム障害対策: 待機系システムとは?

- はじめに現代社会において、コンピューターシステムは、私たちの生活や仕事の様々な場面で欠かせないものとなっています。企業活動や公共サービスなど、あらゆる場面でシステムが利用されており、その重要性はますます高まっています。もしもの時に備え、システムの安定稼働を維持するために、様々な障害対策が講じられています。システムの障害は、企業に大きな損失を与える可能性があります。例えば、オンラインショップであれば、システムダウンによって販売機会を失い、売上減少に繋がる可能性があります。また、金融機関であれば、システム障害によって顧客との取引が停止し、信頼を失墜させてしまう可能性もあります。このような事態を避けるため、重要なシステムには、障害発生時にもサービスを継続できるような対策が求められます。その代表的な方法の一つが、「待機系システム」です。待機系システムとは、メインで稼働しているシステム(運用系システム)と全く同じシステムを、予備として用意しておく方法です。運用系システムに障害が発生した場合、待機系システムに切り替えることで、サービスを継続することができます。本記事では、この「待機系システム」について、その仕組みや種類、メリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。