
コンピューターと数値:浮動小数点数の仕組み
- 数値表現の多様性
コンピュータの世界では、あらゆる情報を「0」と「1」の組み合わせで表現しています。これは、数値データでも変わりません。コンピュータ内部では、数値も「0」と「1」の並びで表現されているのです。
では、どのようにして「0」と「1」の並びで様々な数値を表現しているのでしょうか? 実は、数値を「0」と「1」の並びに変換する方法、すなわち「数値表現」には、いくつかの種類があります。
整数を表現するだけのもの、小数を表現できるもの、非常に大きな数を扱えるものなど、それぞれに特徴があります。そして、今回注目するのは、「浮動小数点数」と呼ばれる表現方法です。
浮動小数点数は、小数を効率的に表現するために開発されました。この表現方法は、数値を「符号」、「指数部」、「仮数部」という三つの要素に分解して表現します。「符号」は数値の正負を、「指数部」は数値の大きさの桁を、「仮数部」は有効数字を表しています。
このような仕組みを持つ浮動小数点数を利用することで、コンピュータは幅広い範囲の数値を、限られたビット数で効率的に表現することが可能になります。しかし、浮動小数点数には、ごくまれに計算結果に誤差が生じるという側面も持ち合わせています。
今回の記事では、浮動小数点数の仕組みや特徴、そして注意点などを詳しく解説していくことで、コンピュータにおける数値表現への理解を深めていきます。