
メタデータ:データ活用の鍵
情報を探し出す手がかりとなる付箋のようなもの、それがメタデータです。図書館にある数えきれない蔵書の中から、読みたい本を見つけるにはどうすれば良いでしょうか。もちろん、書架の一つ一つを全て見て回ることもできますが、それでは途方もない時間がかかります。そこで役に立つのが、本に貼られたラベルです。ラベルには、本の題名、書き手、発行された年、本の種類などが記されており、これらは本そのものではなく、本に関する情報です。メタデータとは、まさにこのラベルのようなもので、様々な種類の情報に添えられた情報のことを指します。
例えば、写真の場合を考えてみましょう。写真のデータそのものは、色や明るさといった画素の集まりですが、メタデータには、いつ、どこで、誰が、どんな機器を使って撮影したのかといった情報が記録されます。他にも、ファイルの大きさや、写真に写っているものに関する言葉などもメタデータに含まれます。動画の場合も同様に、撮影日時や作成者だけでなく、動画の長さなどもメタデータとして記録されます。文章であれば、書き手や編集した日付、文字数などがメタデータとなります。
このように、メタデータは情報の内容そのものを表すものではありません。しかし、情報を整理したり、必要な情報を探し出したり、情報を適切に扱う上で、メタデータはなくてはならない重要な役割を担っています。インターネットで検索をする時、私たちは知りたい情報に関連する言葉を打ち込みますが、検索エンジンは膨大な情報の中から、メタデータを利用して合致する情報を絞り込み、表示しています。まるで、広大な情報の大海原を航海する羅針盤のように、メタデータは私たちを必要な情報へと導く道しるべなのです。