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指示装置:画面操作の立役者

計算機画面上の特定の位置を示すための入力機器、それが指示装置です。画面に表示される矢印や手の形をした印(カーソル)を動かし、文字入力以外の様々な操作を可能にします。例えば、絵や記号(アイコン)を押し選んだり、書類(ファイル)を移したり、表示される選択肢(メニュー)を選んだりといった操作は、すべて指示装置を通じて行われます。文字入力だけを行う入力機器(キーボード)だけでは難しい、目で見て分かりやすい操作を可能にする重要な役割を担っています。 指示装置が登場する以前は、キーボードのみで計算機を操作していました。そのため、計算機の操作は専門的な知識を持つ人に限られていました。しかし、指示装置の登場により、計算機の操作は格段に分かりやすくなりました。画面上のカーソルを動かして視覚的に操作できるようになったことで、誰でも簡単に計算機を使えるようになったのです。視覚的な操作は、直感的に理解しやすいため、計算機の利用者を大きく広げることに貢献しました。今では、子供からお年寄りまで、幅広い世代の人々が日常的に計算機を利用しています。 現代社会において、計算機は仕事や学習、娯楽など、様々な場面で欠かせないものとなっています。その背景には、指示装置の登場によって計算機の操作が容易になったという歴史があります。指示装置は、計算機をより多くの人々に身近なものにし、現代の情報化社会の発展に大きく貢献していると言えるでしょう。今後、更なる技術革新によって、より直感的で使いやすい指示装置が登場することが期待されます。
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軌跡球:小さな巨人

画面上で文字や絵などを指し示す矢印、つまりカーソルを動かす道具、入力装置の一つに軌跡球というものがあります。これは、箱の中に小さな球が埋め込まれていて、その球を指や親指、手のひらなどで転がすことで、画面上のカーソルを自由に動かすことができる仕組みです。 机の上で本体を動かす必要のある、いわゆる「ねずみ」とは違って、軌跡球は本体を固定したまま操作できます。そのため、机の上の場所が狭くても使えるという大きな利点があります。たとえば、書類の山に囲まれた机や、小さなテーブルの上でも、軌跡球があればカーソルを正確に動かすことができます。 軌跡球には、球を動かすことでカーソルを上下左右に動かすだけでなく、球を時計回りや反時計回りに回転させることで、画面をスクロール(上下に移動)させる機能を持つものもあります。また、球の近くに配置されたボタンを使って、いわゆる「ねずみ」と同じようにクリック操作やダブルクリック操作をすることもできます。 近年では、人の体の構造や動きに合わせた設計、つまり人間工学に基づいた製品も増えており、長時間使用しても疲れにくいと評判です。手の形に合わせた形状や、球の大きさ、ボタンの配置など、細部にまでこだわって作られた軌跡球は、手首や腕への負担を軽減し、快適な操作を実現しています。 このように、軌跡球は、場所を取らないコンパクトさと快適な操作性から、限られた場所で作業する必要がある人や、「ねずみ」の操作に不便を感じる人にとって、とても魅力的な選択肢となっています。また、手首への負担が少ないことから、腱鞘炎などの予防にも繋がると期待されています。