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事実上の標準:普及の力

広く世の中で使われるようになったものを、事実上の標準と言います。これは、正式な手続きや会議で決まったものではなく、たくさんの人が使うようになったことで、自然と標準のようなものになったことを意味します。法律や正式な書類で定められた「標準規格」とは違い、多くの人が当たり前のように使っているという事実が、その標準としての地位を支えています。 公式にお墨付きをもらっているわけではありませんが、市場で圧倒的な数を誇る製品やサービス、技術などが、事実上の標準となることが多いです。例えば、ある決まった書類の形式が多くの読み書きする道具で扱えるようになり、結果として他の形式よりもずっと多く使われるようになれば、それは事実上の標準と言えるでしょう。 他にも、ある接続の仕方が多くの機械で使えるようになり、他の接続の仕方よりも圧倒的に使われるようになれば、これも事実上の標準です。さらに、ある道具の使い方の手順が、多くの人に受け入れられ、他の手順よりもずっと広く使われるようになれば、これも事実上の標準と言えます。 このように、事実上の標準は、使う人の選択と市場の力によって作られるため、時代の流れや技術の進歩の影響を受けやすく、常に変わる可能性を秘めています。一方で、一度事実上の標準としての地位ができあがると、その影響力はとても大きなものとなり、市場での競争や技術開発の進む方向を左右することもあります。新しい技術が広く受け入れられ、事実上の標準となることで、関連する製品やサービスが発展していくこともあります。反対に、事実上の標準から外れた技術は、使われなくなっていく可能性があります。
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業界標準:デファクトスタンダードとは?

特定の分野において、製品やサービス、技術などが共通のルールに基づいて作られている状態を想像してみてください。これがまさに業界標準が目指すところです。 業界標準とは、それぞれの分野において、品質や安全性、互換性などを確保するために定められた共通の基準のことです。 この共通の基準を設けることには、様々な利点があります。例えば、企業が異なる規格で製品を作ると、互換性がなくなり、他の企業の製品と組み合わせることが難しくなります。しかし、業界標準に従って製品を作れば、異なる企業の製品同士でも問題なく連携できるようになり、より多くの選択肢の中から自分に合ったものを選ぶことができるようになります。 また、共通の基準を満たすことで、品質の向上や、製造コストの削減にもつながります。さらに、消費者が安心して商品を購入できるようになることで、市場全体の活性化も期待できます。 業界標準には、法律や公的機関によって定められるものと、業界団体が独自に決めるものがあります。例えば、建物の設計や工事に関する基準を定めた建築基準法は、法律に基づく業界標準の一例です。一方、日本工業規格(JIS規格)のように、業界団体が中心となって定めているものもあります。