
等幅フォントの世界
文字を画面に表示する際、様々な見た目を持つ書体、すなわち字体を利用します。数ある字体の中でも、文字の横幅が全て等しいという特徴を持つものが、等幅字体です。これは、例えばアルファベットの「i」のように細い文字でも、「W」のように広い文字でも、表示される横幅は全く同じになるということです。
この等幅という性質は、特に計算機を扱う場面で大きな利点となります。例えば、計算機の指示を書く作業、いわゆるプログラムを作成する際には、字下げ、つまり行頭を空白で揃えることで指示のまとまりを分かりやすく表現します。この時、等幅字体でなければ字下げの幅が文字によって異なってしまい、見づらくなってしまいます。等幅字体であれば、字下げが揃って表示されるため、プログラムの内容を正確に理解しやすくなります。
また、情報を表形式で整理して表示する際にも、等幅字体は役立ちます。表の各列の幅を揃えることで、情報が整然と並び、見やすくなります。もし等幅字体でなければ、列の幅が文字によってまちまちになり、表全体の見栄えが悪くなってしまいます。
このように、等幅字体はその見た目だけでなく、実用性も高く評価されています。プログラム作成やデータ整理といった作業の効率を向上させるだけでなく、近年では、懐かしさを感じさせる見た目から、図案などのデザインにも利用されるようになっています。つまり、等幅字体は機能性とデザイン性を兼ね備えた、様々な場面で活躍する字体と言えるでしょう。