
圧縮ソフトLHAとその歴史
電算機の世界では、情報の大きさを縮めて扱う技術が欠かせません。この技術を圧縮と言い、様々な種類があります。その中で、日本では古くから親しまれてきた圧縮形式の一つにLHAがあります。今回は、このLHAの歴史や特徴、使い方について詳しく見ていきましょう。
LHAは、1988年に吉崎栄泰氏によって開発された圧縮ソフトです。当時、パソコン通信が盛んになりつつある時代で、データのやり取りを効率化するために圧縮技術は大変重要でした。LHAは圧縮率の高さに加え、無料で利用できたことから広く普及しました。特に日本ではパソコン通信の場で標準的に使われるようになり、多くの利用者に愛されました。
LHAの特徴は、何と言ってもその圧縮率の高さです。当時の他の圧縮形式と比べても、高い圧縮率を実現していました。そのため、フロッピーディスクのような容量の少ない記録媒体を使う際に重宝されました。また、圧縮だけでなく、複数のファイルをまとめて一つのファイルにするアーカイブ機能も備えています。これにより、関連する複数のファイルをまとめて管理、配布することが容易になりました。
LHAの使い方は比較的簡単です。圧縮したいファイルを選び、LHA形式で圧縮する操作を行うだけです。多くの圧縮解凍ソフトがLHAに対応しており、簡単に利用できます。圧縮されたファイルは「.lzh」という拡張子が付きます。解凍する際も同様に、解凍ソフトを使って「.lzh」ファイルを解凍することで、元のファイルを取り出すことができます。
近年では、より高性能な圧縮形式が登場し、LHAは以前ほど使われなくなってきています。しかし、長年にわたり日本で愛用されてきた圧縮形式として、その歴史を知ることは情報技術の変遷を理解する上で重要な意味を持ちます。かつてパソコン通信でデータのやり取りをしていた時代を知ることで、現在の高速なインターネット通信や大容量の記憶装置のありがたみを実感できるでしょう。