ヘイズコマンド

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ネットワーク

機器制御の共通語:ATコマンド

今では、電話や時計、家電など、身の回りの様々な機器がネットワークにつながり、互いに情報をやり取りするのが当たり前になっています。このような、機器同士がつながる技術が発展した背景には、様々な要因がありますが、機器を制御するための命令体系である「ATコマンド」の登場は、特に重要な出来事と言えるでしょう。 ATコマンドは、元々、パソコンと電話回線をつなぐ「モデム」と呼ばれる機器を操作するために開発されました。かつて、インターネットに接続するためには、電話回線を使ってモデムと接続する必要がありました。このモデムを制御するために使われていたのがATコマンドです。「AT」とは「注意」を意味する英語の「Attention」の略です。このコマンドは、非常に簡潔で分かりやすく、様々な機器で応用しやすいという特徴を持っていました。そのため、モデム以外にも、様々な通信機器で利用されるようになり、瞬く間に業界の標準規格として普及しました。 ATコマンドを開発したのは、ヘイズコンピュータープロダクツという会社です。この会社は、当時としては画期的なモデムを開発し、市場で大きな成功を収めました。そして、このモデムの制御に使われていたATコマンドもまた、広く普及し、現代の通信技術の基礎を築く上で重要な役割を果たしました。ヘイズコンピュータープロダクツの技術者たちは、将来、様々な機器がネットワークでつながる時代が来ることを予見していたのかもしれません。まさに、時代を先取りした慧眼と言えるでしょう。ATコマンドは、現代社会を支える通信技術の陰の立役者として、これからも重要な役割を担っていくと考えられます。
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ヘイズATコマンドを理解する

- ヘイズATコマンドとはヘイズATコマンドは、モデムを操作するために作られた命令の集まりです。1980年代初頭、ヘイズ・コミュニケーションズ社が開発したことから、この名前で呼ばれています。当時、様々な会社がモデムを製造していましたが、それぞれが独自の命令体系を持っていたため、異なる会社のモデムを組み合わせるのが難しく、互換性がありませんでした。そこでヘイズ社が開発したATコマンドは、その使いやすさと汎用性の高さから、瞬く間に業界標準としての地位を確立しました。ヘイズATコマンドは、「AT」という文字列の後に特定の文字や数字を組み合わせることで、様々な命令を実行します。例えば、「ATD」は電話番号を示す数字列と組み合わせてダイヤル命令として使われます。また、「ATA」は電話に出る命令、「ATH」は電話を切る命令といったように、直感的に理解しやすい命令体系となっています。ヘイズATコマンドは、モデムの普及とともに広く使われるようになり、その後も改良が続けられました。今日ではモデムだけでなく、携帯電話や、家電製品などに組み込まれた通信モジュールなど、様々な機器で利用されています。ヘイズATコマンドは、現代の通信技術においても重要な役割を担っていると言えるでしょう。