
複数プロセスで処理速度向上
計算機で多くの仕事を速くこなすための方法の一つに、複数の作業を同時に進めるやり方があります。これを複数処理と呼びます。一つの大きな仕事を細かく分けて、それぞれを別々の作業として同時に進めることで、全体の作業時間を縮めることができます。
従来の一つの作業だけを順番に行うやり方では、一つの作業が終わってから次の作業が始まるため、たくさんの時間のかかる作業がある場合、順番待ちが発生し、全体の作業効率が落ちてしまいます。複数処理では、複数の作業が同時に進むため、この順番待ちの時間を大幅に減らし、作業効率を上げることができます。
例えば、動画の変換や大量の情報分析など、時間のかかる作業で大きな効果を発揮します。動画を変換する場合、複数の場面を同時に処理することで、全体の変換時間を短縮できます。また、大量の情報を分析する場合、複数のデータを同時に分析することで、分析時間を短縮できます。
複数の計算処理を行う部分を持つ計算機であれば、それぞれの作業を別々の計算処理を行う部分に割り当てて並行して処理することで、さらに効率的に作業を進めることが可能です。これは、複数の担当者に仕事を割り振って、同時に作業を進めてもらうようなイメージです。それぞれの担当者が別々の作業を担当することで、全体の作業時間を短縮できます。
このように、複数処理は計算機の作業能力を高めるための重要な技術であり、様々な場面で活用されています。今後、計算機の性能が向上していくにつれて、複数処理の重要性はさらに高まっていくでしょう。