並行処理

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協調的マルチタスク:仕組みと利点

- 協調的マルチタスクとはコンピュータの世界では、複数の作業を同時に行っているように見せる技術があります。その一つが「協調的マルチタスク」と呼ばれる方式です。一般的なコンピュータには、計算処理を行う「中央処理装置(CPU)」が搭載されています。このCPUは、一度に一つの作業しか処理できません。しかし、協調的マルチタスクでは、複数の作業を短い時間で切り替えながら処理することで、あたかも同時に複数の作業を行っているように見せているのです。例えば、音楽を聴きながら文書作成を行う場合を考えてみましょう。協調的マルチタスクでは、音楽再生プログラムと文書作成プログラムが、CPUの使用時間を順番に譲り合いながら動作します。音楽再生プログラムは、決められた時間音楽データを処理した後、文書作成プログラムに処理を交代します。文書作成プログラムも、キーボード入力や画面表示など、決められた処理を終えると、再び音楽再生プログラムに処理を交代します。このように、プログラム同士が自ら処理を交代するタイミングを決定するため、「協調的」という名前が付けられています。この方式の利点は、プログラム間の連携が取りやすく、データの不整合などが発生しにくい点にあります。しかし、あるプログラムが処理を譲るまで、他のプログラムは待たされるため、応答速度が遅くなる可能性があります。例えば、文書作成中に音楽再生プログラムが処理を譲らない場合、キーボード入力に対する反応が遅れてしまう可能性があります。