
磁気記憶装置の初期化:ローレベルフォーマットとは
電子計算機には、情報を記憶しておくための装置が欠かせません。中でも、磁気を使って情報を記録する装置である、ハードディスクや磁気ディスクなどは、情報をきちんと保管するために、内部を細かく区切って整理しています。これは、建物の部屋割りのように、それぞれの区画にデータを収納することで、必要な情報を効率よく探し出せるようにしているのです。
しかし、これらの記憶装置を長く使ったり、何らかの不具合が生じたりすると、この整然とした区画分けが乱れてしまうことがあります。ちょうど、建物の部屋割りがめちゃくちゃになってしまうようなものです。また、記憶装置を完全にまっさらな状態に戻したい時もあるでしょう。こうした場合に役立つのが「ローレベルフォーマット」と呼ばれる操作です。
ローレベルフォーマットは、記憶装置の最も基本的な区画構造を新たに作り直す作業です。例えるなら、建物を一度解体して、基礎から間取りを設計し直すような大掛かりな工事と言えます。この作業によって、記憶装置の表面に物理的な記録のための目印を付け直すことで、データが正しく記録されるようにします。
ただし、ローレベルフォーマットは、記憶装置に保存されている全ての情報を完全に消去してしまうため、必要なデータは事前に別の場所に保存しておくことが重要です。また、最近の記憶装置では、メーカーが専用の管理方法を採用している場合もあり、利用者自身でローレベルフォーマットを行うことは推奨されていない場合もあります。記憶装置の取扱説明書をよく読んで、適切な方法で操作することが大切です。