
ニコ動:動画共有サイトの雄
動画投稿サイトの草分け的存在である『ニコニコ動画』、通称『ニコ動』は、二〇〇六年、日本で生まれました。当時、動画をみんなで見る仕組みといえば、外国で作られたものがほとんどでした。しかしニコ動は、日本の風土に合わせた特別な仕組みで、たくさんの人々に利用されるようになりました。一番の特長は、動画を見ながら書き込めるコメント機能です。見ている人は、動画を見ながら、今まさに思ったことを書き込めます。その書き込みは動画の上に流れていくので、まるで他の人と一緒に見ているような気持ちになれるのです。これは他の動画投稿サイトにはない、画期的な機能でした。そして、ニコ動の人気を支える大きな力となりました。
動画を見るだけでなく、書き込みを通して他の人とつながれるという新しい楽しみ方は、多くのインターネット利用者を引き付けました。当時、動画投稿サイトといえば、動画を投稿して、それを見るだけというものが主流でした。しかしニコ動は、動画を見ることと同時に、コメントを通してコミュニケーションをとることができるという、全く新しい動画の楽しみ方を提案しました。この画期的な仕組みは、瞬く間に口コミで広がり、爆発的に利用者を増やしていったのです。まるで大勢で集まって、わいわい言いながら動画を見ているような、そんな一体感を味わえるニコ動は、インターネットの世界に新しい風を吹き込みました。動画を見ながら、画面に流れるコメントで他の人の感想を読んだり、自分の意見を書き込んだり、時には冗談を言い合ったりと、ニコ動は単なる動画視聴サイトではなく、コミュニケーションの場としての役割も担っていたのです。この革新的なサービスは、後の動画投稿サイトにも大きな影響を与え、現在の動画共有文化の礎を築いたと言えるでしょう。