巡回冗長検査

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データの完全性を守る技術:巡回冗長検査

今では、暮らしの中で電子情報を取り扱うことが当たり前になっています。写真や動画、文書など、様々な電子情報をやり取りしますが、その際に情報の正しさを保つことは大変重要です。情報が送受信される過程で、何らかの問題によって情報の一部が壊れたり、意図的に書き換えられたりすると、大きな損害につながる可能性があります。そのような事態を防ぐために、様々な技術が開発されており、その一つに「巡回冗長検査」、略してCRCと呼ばれるものがあります。 CRCは、情報の整合性を確かめるための技術で、広く使われています。比較的簡単な計算で高い信頼性を実現できることが大きな特徴です。CRCでは、送る情報に特別な計算を施して、検査用の数値を付け加えます。受け取った側は、同じ計算をして、送られてきた検査用の数値と比較します。もし計算結果が一致すれば、情報は正しく送られたと判断できます。逆に、一致しなければ、途中で情報が壊れたり、書き換えられたりした可能性が高いと判断できます。 この検査方法は、まるで宅配便の伝票番号のような役割を果たします。荷物を送る際に伝票番号が付けられます。受け取った荷物の伝票番号が、発送時のものと一致していれば、正しい荷物が届いたと確認できます。CRCも同様に、情報に「検査用の数値」という特別な番号を付けて、情報の正しさを確認する仕組みです。 CRCは、その手軽さと信頼性の高さから、様々な場面で活用されています。例えば、通信機器や記憶装置など、電子情報を扱う機器にはほぼ必ずと言っていいほど組み込まれています。私たちが普段使っている携帯電話やパソコン、インターネット通信など、様々なところでCRCは活躍し、情報の安全を守っています。この技術のおかげで、私たちは安心して電子情報をやり取りすることができるのです。
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データの信頼性を守るCRC

電子計算機の世界では、あらゆる情報は0と1の二つの記号で表されます。この0と1の並びをデジタル信号と呼び、情報を伝えるために利用しています。しかし、情報を送ったり、記録しておく過程で、このデジタル信号が意図せず変化してしまうことがあります。例えば、電波が届きにくい場所では、周りの電波の影響を受けて信号が乱れることがあります。また、情報を記録する装置が壊れてしまうと、記録されていた情報が変わってしまうこともあります。こうした理由で、0が1に、あるいは1が0に変わってしまうことを「誤り」と呼びます。情報を正しく扱うためには、この誤りを検出する仕組みが重要です。その有効な方法の一つがCRCと呼ばれる技術です。CRCは、送りたい情報に基づいて、特別な計算を行い、その計算結果を添え状のように情報と一緒に送ります。情報を受け取った側は、送られてきた情報を使って同じ計算を行います。そして、その結果と、添え状に書かれた計算結果を比べます。もし両方の計算結果が同じであれば、情報に誤りはなかったと判断します。逆に、計算結果が違っていれば、情報のどこかに誤りが発生したと判断できます。これは、宅配便で荷物を送る際に送り状を添付するのと似ています。送り状には、荷物の種類や個数が書かれています。荷物を受け取った人は、送り状の内容と、実際に届いた荷物を照らし合わせます。もし送り状と荷物の内容が一致すれば、荷物は正しく届いたと分かります。CRCも同様に、計算結果という添え状を使って、情報が正しく届いたかどうかを確認しているのです。このように、CRCは、複雑な計算を用いることで、情報の誤りを高い精度で検出することができ、情報の信頼性を保つ上で重要な役割を果たしています。