情報処理

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教育

情報処理技術者試験:その進化と未来

計算機を使う人がまだ少ない時代、今から50年以上前の昭和44年(1969年)に、情報処理技術者試験が始まりました。この試験は、これからやってくる情報化社会の必要性に応えるために、当時の通商産業省(今の経済産業省)によって作られました。当時は、計算機というもの自体が珍しく、限られた場所でしか使われていませんでした。しかし、近い将来、情報を使った社会が来ると考え、計算機を扱う技術を持つ人の育成が急務とされていました。 初期の試験では、穴を開けた厚紙を使って計算機に指示を出す仕組みや、計算機専用の言葉を使った命令の書き方など、今の私たちから見るととても古風な技術が中心でした。しかし、時代が進むにつれて試験の内容も変わり、常に最新の技術を取り入れながら発展してきました。例えば、インターネットや携帯電話、人工知能といった新しい技術が登場するたびに、試験の内容にも反映されてきました。 情報処理技術者試験は、時代に合わせて変化してきただけでなく、時代を先取りしてきた側面もあります。試験を通して新しい技術を学ぶことで、多くの技術者が時代の最先端を走ることができました。試験に合格した技術者たちは、様々な場所で活躍し、日本の情報化社会を支えてきました。情報処理技術者試験は、日本の情報化社会の始まりを支え、その発展をけん引してきたと言えるでしょう。この試験は、これからも情報技術の進歩とともに変化し続け、未来の情報化社会を担う人材を育成していく役割を担っていくと考えられます。
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情報技術の広がりと未来

情報技術、つまり広く知られる「IT」とは、計算機や網の目のような繋がりを持った通信網といった、情報を扱う機械や仕組み全体を活用し、情報の処理や伝達、保管などを行う技術全般のことです。 現代社会において、情報技術はなくてはならない土台となる技術であり、暮らしのあらゆる場面に深く入り込んでいます。例えば、携帯電話や網の目のような世界規模の通信網、電子郵便などは、情報技術の贈り物と言えるでしょう。朝、目を覚ましてから夜、眠りにつくまで、情報技術に触れない日はほとんどありません。乗り物の予約や買い物の決済、友人との連絡、趣味の情報収集など、様々な活動が情報技術によって支えられています。 情報技術は、単に機械や仕組みといった側面だけでなく、社会や経済、文化など、様々な側面にも大きな影響を与えています。例えば、電子商取引の普及は、私たちの買い物方法を大きく変えました。また、遠隔地とのやり取りが容易になったことで、仕事の仕方や人々の繋がり方も変化しています。 情報技術の進歩は私たちの暮らしをより便利で豊かなものにする一方で、情報の安全確保や個人の情報の保護といった新たな問題も生み出しています。計算機への不正アクセスや個人情報の漏洩といった事件は、後を絶ちません。また、情報技術の急速な発展は、情報へのアクセス格差やデジタルデバイドといった社会問題も引き起こしています。 そのため、情報技術を正しく理解し、注意点を守りながら適切に活用していくことが、これからの社会を生きる上で非常に重要です。情報技術の恩恵を受けつつ、潜在的な危険にも意識を向け、責任ある行動を心がける必要があります。利便性と安全性のバランスをうまくとることが、情報技術と上手に付き合っていく鍵となるでしょう。
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知っておきたいJIS規格

日本工業規格、略してJIS規格とは、国内の工業製品に関する基準です。この基準は、製品の出来栄えや性能、そして安全性を一定の水準で保証するために、細かく決められています。 私たちの身の回りには、JIS規格に基づいて作られた製品がたくさんあります。例えば、家電製品や自動車の部品、それから鉛筆や消しゴムといった文房具など、実に様々な製品がJIS規格に沿って製造されています。JISマークが付いている製品を見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。JISマークは、その製品がJIS規格に適合していることを示す証です。 このJIS規格は、工業標準化法という法律に基づいて、日本工業標準調査会(略称JISC)が定めたり、変更したりしています。JISCは、産業界の人たちや大学の先生、そして消費者団体など、様々な立場の人たちからの意見を聞きながら、常に最新の技術や社会の求めに合った規格作りに取り組んでいます。 JIS規格があるおかげで、私たちは安心して製品を買い、使うことができます。製品の品質が保証されているという安心感は、消費者にとって大きなメリットです。また、企業にとっても、JIS規格は製品の信頼性を高め、他社との競争力を上げるための大切な道具となっています。JIS規格に適合した製品を作ることで、企業は自社の製品の品質の高さを示すことができ、消費者の信頼を得ることができるのです。このように、JIS規格は、消費者と企業の双方にとって、なくてはならない存在となっています。
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電子産業発展の立役者、日本電子工業振興協会

昭和三十三年、戦後の復興から高度経済成長へと歩みを進める中で、日本の電子工業の発展を支えるために、電子工業振興協会(ジェイダ)が設立されました。当時は、電子産業がまさに夜明けを迎えたばかりの時代でした。国産の技術を育て、世界の競争に打ち勝つ力をつけるためには、業界全体が力を合わせる必要がありました。ジェイダは、そのような時代の流れを受けて誕生したのです。 ジェイダは、電子計算機や半導体、電子部品といった分野において、様々な活動を行いました。調査や研究を通じて新しい技術を探求し、業界標準を作ることで製品の互換性を高め、技術交流の場を設けることで知識や情報の共有を促進しました。さらに、最新の技術動向や市場情報を提供することで、企業の意思決定を支援しました。これらの活動は、日本の電子産業の発展に大きく貢献しました。 ジェイダの活動は、産業界の中だけにとどまりませんでした。国や大学、研究機関とも積極的に連携することで、より大きな成果を目指しました。産学官が協力して技術革新を促し、国際競争力を強化することで、日本の電子産業を世界に通用するものへと育てていくことが、ジェイダの重要な使命でした。未来の電子産業を担う人材育成にも力を入れ、次世代を担う技術者の育成にも貢献しました。まさに、ジェイダは日本の電子産業の未来を担う重要な役割を担っていたのです。
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データファイル:情報の宝庫

計算機で扱う情報は、目的に合わせて様々な形式で保存されます。こうした保存形式の種類を理解することは、計算機をうまく使う上で欠かせません。情報を保存する際に用いられるのが「ファイル」で、ファイルには文字情報だけでなく、画像や音声、動画など様々な種類の情報が保存できます。ファイルの種類を見分ける重要な手がかりの一つが「拡張子」です。拡張子とは、ファイルの名前の最後につけられた「.」(点)に続く文字列のことです。 例えば、文字情報を保存するファイルは「文書ファイル」と呼ばれ、多くの場合「.txt」という拡張子が用いられます。これにより、計算機はこのファイルが文字情報を含んでいることを理解し、文字を表示するための適切な道具(プログラム)で開くことができます。画像にも様々な形式があり、写真によく使われる「.jpg」や、イラストやロゴに適した「.png」など、それぞれの特徴に合わせた拡張子が使われます。音声ファイルであれば「.mp3」が広く知られており、音楽の保存や配信に利用されています。動画ファイルも同様に、「.mp4」や「.mov」など様々な拡張子があり、それぞれ画質や圧縮方法などが異なります。 このように、拡張子はファイルの種類を示すラベルのような役割を果たしており、計算機がファイルを適切に扱うために重要な情報となります。ファイルの種類を理解し、適切な拡張子を持つファイルを使うことで、情報の整理や管理、そして他人との共有をスムーズに行うことができます。また、異なる種類のファイルを扱う場合、それぞれのファイル形式の特徴を理解しておくことで、より効果的に情報を活用することができます。例えば、高画質の画像が必要な場合は「.png」形式を選び、ファイルサイズを小さくしたい場合は「.jpg」形式を選ぶなど、目的に合わせて適切なファイル形式を選択することが大切です。