災害対策

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インフラ

止まらない仕組み:ホットスタンバイ

近ごろの世の中は、情報技術なしでは成り立ちません。会社での仕事や普段の暮らしの中で、計算機組織が滞りなく動くことは欠かせません。もし組織が止まれば、仕事が遅れたり、お客さまへのサービスが滞ったり、お金の損失が出たりと、いろいろな問題が起きるかもしれません。だからこそ、組織の信頼性を高め、何かトラブルが起きた時でもすぐに復旧できる仕組みが必要なのです。 ホットスタンバイとは、このような課題を解決する有効な手段の一つです。これは、メインで稼働している計算機組織とは別に、予備の組織を常に待機させておく仕組みです。もしメインの組織に何かトラブルが起きても、待機している予備の組織がすぐに仕事を引き継ぎます。そのため、サービスを止めることなく、お客さまに影響を与えずに済むのです。 ホットスタンバイ方式では、予備の組織にもメインの組織と同じ情報が常に送られています。つまり、メインの組織が停止した瞬間から、予備の組織は最新の状態で稼働を開始できるのです。このおかげで、切り替えにかかる時間が非常に短く、復旧までの時間を大幅に短縮できるという利点があります。 ホットスタンバイは、銀行のオンラインシステムや、通信会社のネットワーク設備、インターネット上のサービスなど、高い信頼性が求められる様々な場面で活用されています。システム停止が許されない状況において、ホットスタンバイはなくてはならない技術と言えるでしょう。ホットスタンバイを導入することで、安定したサービス提供を実現し、顧客満足度を高め、ひいては企業の信頼性向上にも繋がるのです。
インフラ

二重化システムで安心運用

二重化システムとは、万一の故障に備えて、全く同じ仕組みを持つ二つの計算機体系を準備する対策のことです。普段は一方の体系を動かしておき、もう一方は予備として待機させておきます。もし動いている体系に不具合が生じた場合は、待機している体系に切り替えることで、作業を中断することなく続けられます。 この切り替え作業は、担当者が手動で行う場合と、計算機が自動で行う場合があります。自動で切り替える場合、切り替えにかかる時間が短縮され、より迅速な復旧が可能です。二重化システムは、計算機体系の信頼性を高め、利用できる時間を長くする大切な技術です。体系が停止することで発生する損失を最小限に抑え、安定した供給を実現します。 二重化システムには様々な種類があり、それぞれの体系の構成や運用方法に合わせて、最適な二重化システムを選ぶことが重要です。例えば、全く同じ二つの体系を同時に動かし、処理結果を照らし合わせることで、より高い信頼性を確保する「並列運転型」や、普段は一つの体系で処理を行い、もう一方の体系は待機させておく「待機型」などがあります。待機型は並列運転型に比べて費用を抑えることができますが、切り替えに多少の時間がかかります。 二重化システムは、会社の主要な計算機体系から、情報網供給、公共の設備など、様々な分野で幅広く利用されています。また、災害対策としても有効な手段であり、事業の継続を確実にするために大きく貢献します。近年、情報網体系への依存が高まるにつれて、二重化システムの重要性はますます高まっています。様々な状況を想定し、自社に最適な二重化システムを構築することが、安定した事業運営の鍵となります。
セキュリティ

差分バックアップで効率的なデータ保護

パソコンやスマートフォンなど、デジタル機器に保存されている大切なデータを守るためには、バックアップが欠かせません。万が一、機器が故障したり、誤ってデータを消してしまったりした場合でも、バックアップがあれば復元することができます。バックアップには、大きく分けて「フルバックアップ」「差分バックアップ」「増分バックアップ」の3種類があります。 フルバックアップは、その名の通り、対象となるデータ全てを丸ごとコピーして保存する方法です。メリットとしては、バックアップからの復元が容易であることが挙げられます。バックアップしておけば、そこから必要なデータをすぐに取り出すことができます。一方で、データ量が多い場合は、バックアップに時間がかかってしまうというデメリットもあります。 差分バックアップは、前回のバックアップからの変更点のみを保存する方法です。フルバックアップと比較して、バックアップに必要な容量や時間が少なく済むというメリットがあります。ただし、復元する際には、フルバックアップと、その後に作成された差分バックアップが必要になります。 増分バックアップも、差分バックアップと同様に、前回のバックアップからの変更点のみを保存します。しかし、差分バックアップが前回のフルバックアップからの変更点を保存するのに対し、増分バックアップは前回のバックアップ(フルバックアップ、差分バックアップ、増分バックアップのいずれでも可)からの変更点を保存します。そのため、差分バックアップよりもさらに効率的にバックアップを取ることができます。ただし、復元する際には、フルバックアップと、その後に作成された全ての増分バックアップが必要になるため、復元の手順が複雑になるというデメリットもあります。
インフラ

システム障害の備え:コールドスタンバイとは

現代社会において、コンピューターシステムはビジネスにとって欠かせない存在となっています。企業活動の多くはコンピューターシステムに依存しており、その安定稼働は事業の成功を左右するほど重要です。しかし、どんなに高性能な機器を導入し、綿密なシステム構築を行っても、機器の故障やプログラムの誤作動など、予期せぬトラブルが発生する可能性はゼロではありません。 このような事態に迅速かつ適切に対応し、事業への影響を最小限に抑えるためには、事前に障害対策を講じておくことが重要です。 障害対策には様々な方法がありますが、その中でも「コールドスタンバイ」は、重要なシステムを運用する上で有効な手段の一つです。これは、メインシステムとは別に予備システムを準備しておき、メインシステムに障害が発生した場合に、予備システムに切り替えて運用を継続する方法です。コールドスタンバイは、予備システムを常に稼働させておく必要がないため、運用コストを抑えられるというメリットがあります。 本稿では、コールドスタンバイの仕組みや特徴、メリット・デメリット、具体的な導入事例などを詳しく解説することで、読者の皆様がシステムの信頼性向上のための対策を検討する一助となることを目指します。
セキュリティ

フルバックアップ:データ保護の基礎

- フルバックアップとはフルバックアップとは、コンピューターシステム内のあらゆる情報を余すことなく複製することです。これは、例えるなら、家財道具一式をそっくりそのまま別の場所に保管しておくようなものです。フルバックアップの対象となるのは、写真や動画、文章といった個人データだけではありません。 コンピューターを動かすために必要なシステムファイルや、普段使っているソフトウェアの設定情報なども含まれます。フルバックアップを定期的に行う最大のメリットは、 コンピューターに不具合が生じたり、災害に見舞われたりした場合でも、データ消失のリスクを最小限に抑えられる 点にあります。 例えば、ハードディスクが故障してしまっても、事前にフルバックアップを取っていれば、新しいハードディスクにバックアップデータを戻すことで、元の状態に復元することができます。このように、フルバックアップは、 万が一の事態から大切なデータを守るための、いわば保険のような役割 を果たします。
セキュリティ

復元:データを救う切り札

現代社会において、コンピューターは私たちの生活に欠かせないものとなっています。写真、動画、仕事の書類など、様々なデータをコンピューターに保存している人も多いでしょう。しかし、便利な反面、常にデータ消失の危険と隣り合わせであることを忘れてはいけません。もしも、大切なデータが消えてしまったら、取り返しのつかない事態になりかねません。 データ消失の原因は様々です。うっかりファイルを削除してしまった、という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。また、パソコンの故障や、水没などの事故によって、データが読み込めなくなってしまうこともあります。さらに、近年では、コンピューターウイルスによる被害も増加しています。悪質なウイルスに感染すると、データが破壊されたり、外部に漏洩したりする危険性もあります。 このようなデータ消失の危機から身を守るためには、日頃からの対策が重要です。 まず、大切なデータは、外付けのハードディスクやクラウドサービスなどにバックアップを取り、二重三重に保護しておきましょう。バックアップがあれば、万が一データが消えてしまっても、復元することができます。また、ウイルス対策ソフトを導入し、常に最新の状態に保つことも大切です。さらに、OSやソフトウェアはこまめにアップデートを行い、セキュリティの脆弱性を解消しましょう。 データ消失は、いつ、どこで起こるかわかりません。日頃から対策をしておくことで、大切なデータを守りましょう。
インフラ

システムの安定稼働に欠かせない「可用性」とは?

- システムの可用性とは情報技術の分野で頻繁に耳にする「可用性」。重要な言葉だと感じながらも、具体的に何を意味するのか疑問に思っている方もいるかもしれません。簡単に説明すると、可用性とは「システムが問題なく正常に動作している時間の長さを示す尺度」です。例えば、ウェブサイトやインターネット上のサービスを考えてみましょう。アクセスが集中してサーバーがダウンしたり、システムの不具合によってサービスが停止したりすると、利用者は大きな不便を強いられます。このような事態は、企業にとっては信用問題に発展し、経済的な損失にもつながりかねません。可用性の高いシステムとは、このような障害が発生しにくいシステムのことです。具体的には、堅牢なハードウェアの採用、負荷分散によるシステム全体の負担軽減、定期的なメンテナンスによる潜在的な問題の解消など、様々な対策が考えられます。さらに、万が一障害が発生した場合でも、迅速に復旧できる能力も重要です。そのためには、障害発生時の原因究明と復旧手順をあらかじめ定めておくこと、データのバックアップ体制を構築することなどが求められます。可用性は、システムの信頼性を測る上で非常に重要な指標です。ウェブサイトやオンラインサービスのように、常に利用できる状態が求められるシステムにおいて、可用性の確保は必要不可欠と言えるでしょう。
セキュリティ

バックアップコピーのススメ

- バックアップコピーとはバックアップコピーとは、パソコンやスマートフォンなどに保存されている写真や動画、書類といった大切なデータの複製を別の場所に保管しておくことを指します。これは、まるで大切な書類を写真に撮って別の場所に保管しておくようなもので、万が一、元の書類が失われてしまっても、写真から内容を確認することができます。では、なぜバックアップコピーが必要なのでしょうか?それは、私たちの身の回りには、コンピューターの故障や誤ってデータを消してしまうといった、データの損失に繋がる危険が潜んでいるからです。例えば、誤って飲み物をこぼしてしまい、パソコンが壊れてしまったら、中に保存していたデータは全て消えてしまいます。また、うっかり重要なファイルを削除してしまったり、コンピューターウイルスに感染してデータが壊れてしまうこともあります。このような予期せぬ事態が発生した場合でも、バックアップコピーがあれば、失われたデータを復元し、元の状態に戻すことができます。これは、仕事で使う書類や顧客情報、思い出の写真や動画など、二度と取り戻せない大切なデータを守る上で非常に重要です。バックアップコピーは、いわばデータの保険のようなものです。普段は意識することが少ないかもしれませんが、万が一のときに備えて、日頃からこまめにバックアップを作成しておくことが大切です。
セキュリティ

バックアップの重要性

- バックアップとは日々、仕事やプライベートで利用するコンピューターには、写真や動画、仕事の資料など、大切なデータが数多く保存されています。もしも、コンピューターが突然壊れてしまったり、誤ってデータを消してしまったりしたら、とても困りますよね。このような予期せぬトラブルから大切なデータを守るための方法として、バックアップがあります。バックアップとは、コンピューター上のデータやプログラムを別の場所に複製することを指します。例えば、パソコン本体のハードディスクやSSDに保存されているデータは、外付けのハードディスクやUSBメモリ、クラウドサービスなど、別の場所に複製することでバックアップを取ることができます。バックアップを取ることの大きなメリットは、元のデータに何か問題が発生した場合でも、複製したデータから復元できるという点にあります。コンピューターの故障や誤操作、ウイルス感染など、データ消失のリスクは常に存在します。しかし、こまめにバックアップを取っておけば、万が一データが消失してしまっても、以前の状態に復元することが可能になります。バックアップは、データ消失のリスクを軽減するための、いわば「保険」のようなものです。大切なデータを失わないためにも、日頃からこまめなバックアップを心がけましょう。