
インクリボン:懐かしの印刷の立役者
インクリボンと聞いて、一体どんな物を思い浮かべるでしょうか?恐らく、少し年配の方であれば、一昔前のパソコンに接続されていたプリンターを思い出すかもしれません。あの頃は、カタカタと音を立てて印刷するドットインパクトプリンターや、熱を使って印字する熱転写プリンターといったプリンターが主流でした。そして、インクリボンは、これらのプリンターにとって、まさに無くてはならない存在だったのです。
インクリボンの役割は、プリンターの心臓部ともいえるプリンターヘッドにインクを供給することです。プリンターヘッドに供給されたインクは、紙に打ち付けられたり、熱で転写されたりすることで、文字や図形となって浮かび上がります。
近年では、インクを霧状に噴射するインクジェットプリンターや、レーザー光と静電気を利用するレーザープリンターといった、より高画質で静かなプリンターが普及したため、インクリボンを目にする機会は少なくなりました。しかし、耐久性や耐水性に優れているという特徴から、銀行のATM明細や鉄道の切符など、特定の分野では現在も根強く使われています。ひっそりと私たちの生活を支え続けている、縁の下の力持ちと言えるでしょう。