
印刷の色:CMYKのすべて
私たちが日常で見ている色、例えば空の青色や林檎の赤色、これらは一体どのようにして見えているのでしょうか。実は、色は光の反射によって生まれているのです。
太陽や電灯など、光源から出ている光は、様々な色の光が混ざり合った状態、いわば白い光です。この光が物体に当たると、物体はその性質に応じて特定の色の光を反射し、それ以外の色の光を吸収します。そして、反射された光が私たちの目に届くことで、私たちは物体に色を感じ取ります。例えば、赤い林檎の場合は、赤い光を反射し、それ以外の色の光を吸収しているため、赤く見えるのです。もし全ての色の光を反射する物体があれば、それは白く見え、逆に全ての色の光を吸収する物体があれば、黒く見えることになります。
色の表現方法として、光の三原色というものがあります。これは、赤、緑、青の三色の光を混ぜ合わせることで、様々な色を作り出す方法です。パソコンの画面やスマートフォンの画面など、光を発する装置ではこの光の三原色が使われています。これらの光を適切な割合で混ぜることで、黄色やオレンジ色、紫色など、実に様々な色を表現することができます。
一方、印刷物などの光を発しないものでは、光の三原色とは異なる方法で色を表現します。これは色の三原色と呼ばれ、シアン(青緑)、マゼンタ(赤紫)、イエロー(黄色)の三色に、黒(キー)を加えた四色で表現します。これらの色は、光を吸収することで色を表現します。例えば、シアンのインクは赤い光を吸収し、マゼンタのインクは緑の光を吸収、イエローのインクは青い光を吸収します。そして、これらのインクを混ぜ合わせることで、様々な色を作り出します。さらに、黒のインクを加えることで、色の濃淡や鮮やかさを調整します。これがCMYKカラースペースと呼ばれるものです。
このように、色は光と物体の相互作用によって生まれており、光の三原色と色の三原色という二つの表現方法が存在します。私たちの身の回りにある様々な色は、これらの仕組みによって表現されているのです。