
データを守るECCとは?
- ECCの概要ECCとは、「誤り訂正符号」を意味する「Error Correcting Code」の頭文字をとったものです。デジタルデータは、ネットワークを通じて送受信されたり、記憶装置に保存されたりする過程で、予期せぬエラーが発生する可能性があります。このようなエラーは、ビット反転と呼ばれる現象で、データの「0」が「1」に、または「1」が「0」に変化してしまうことで発生します。ECCは、このようなデータのエラーを検出し、自動的に訂正する技術です。従来のエラー検出方法では、パリティビットと呼ばれる余分なビットをデータに追加することでエラーの有無を検出していました。しかし、パリティビットを用いた方法では、エラーの発生箇所を特定したり、訂正したりすることができませんでした。一方、ECCでは、より高度なアルゴリズムを用いることで、エラーの検出だけでなく、訂正も可能です。具体的には、送信側で元のデータに冗長データと呼ばれる追加情報を付加し、受信側ではこの冗長データを用いてエラーの検出と訂正を行います。ECCは、データの信頼性が求められる様々な場面で活用されています。例えば、スマートフォンやパソコンなどのメモリ、ハードディスクなどの記憶装置、さらには、インターネットなどのネットワーク通信など、私たちの身の回りで幅広く利用されています。 ECCの導入により、データの破損や消失のリスクを低減し、システムの安定稼働、データの長期保存を可能にしています。