誤差

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計算の落とし穴:打ち切り誤差とその影響

現代社会において、コンピューターは日常生活に欠かせない存在となっています。複雑な計算を瞬時に行うその能力は、我々の生活を大きく変えました。しかし、一見完璧に見えるコンピューターにも、乗り越えられない壁が存在します。それは、数値計算における誤差です。 コンピューターは、数字を扱う際に、無限の桁数を持つことができません。そのため、有限の桁数で表現できる範囲内の数値しか扱うことができません。この制約が、数値計算の誤差を生み出す根本原因となっています。 例えば、円周率のような無理数は、無限に続く小数で表されます。しかし、コンピューター内部では、限られた桁数でしか表現できません。そのため、どうしても真の値との間に誤差が生じてしまうのです。 この誤差は、一見すると非常に小さく、無視できるものに思えるかもしれません。しかし、複雑な計算を何度も繰り返すと、この小さな誤差が積み重なって、最終的には大きな誤差となってしまうことがあります。 特に、科学技術計算や金融取引など、高い精度が求められる分野では、この数値計算の誤差が深刻な問題を引き起こす可能性があります。そのため、コンピューターにおける数値計算の限界を正しく理解し、誤差を最小限に抑えるための対策を講じる必要があります。
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丸め誤差:コンピュータ計算の落とし穴

- 丸め誤差とはコンピュータの世界では、あらゆる情報は0と1の組み合わせで表現されます。これは、コンピュータが内部で情報を処理する際に、電圧の高低や光の有無といった二つの状態しか扱えないためです。 しかし、私たちが普段使っている数は、整数だけでなく、小数点以下の数字が無限に続く数もたくさんあります。例えば、円周率は3.14159...と無限に桁が続きますが、コンピュータはこのような数を有限の桁数で表現しなければなりません。 そこで、コンピュータは処理能力の都合上、やむを得ず数を特定の桁で区切って処理します。この処理を「丸め」と呼びます。例えば、円周率を小数点以下第三位で丸めると3.142となります。 この丸めの過程で、本来の値との間にわずかな差が生じてしまいます。これが「丸め誤差」です。丸め誤差は一見小さく見えますが、計算を繰り返すと誤差が積み重なり、最終的な結果に大きな影響を与える可能性があります。 特に、科学技術計算や金融システムなど、高い精度が求められる分野では、丸め誤差の影響を最小限に抑えるための工夫が欠かせません。