通信サービス

記事数:(6)

ネットワーク

エルモード:過ぎ去りし時代の情報提供サービス

エルモードは、かつて電話会社の東日本と西日本が提供していた、家庭向けの固定電話、アイエスディーエヌ回線、そして高速な情報回線を使った情報サービスです。専用の機械を使うことで、誰でも簡単に情報網に接続したり、電子手紙のやり取りをすることができました。 持ち運び電話が世の中に広まるよりもずっと前、手軽に情報に触れられる手段として、多くの人々の注目を集めました。エルモード専用の機械は、電話線に接続するだけで使えるという手軽さも魅力でした。情報網の接続設定なども簡略化されており、機械操作に不慣れな人でも容易に利用できたのです。また、エルモードは、ニュースや天気予報、乗り換え案内などの生活に役立つ情報を提供するだけでなく、電子掲示板を通じて利用者同士が交流する場も提供していました。 しかし、時代の流れは速く、より高性能な持ち運び電話や持ち運びできる情報処理機械が普及するにつれて、エルモードの役割は次第に薄れていきました。人々は、いつでもどこでも情報にアクセスできる持ち運び電話を手にし、エルモードは次第に忘れられていったのです。そしてついに、平成22年(2010年)にサービスは終了しました。 専用の機械を通じて提供される限られた情報だけでは、人々の多様化するニーズに応えられなくなったとも言えます。動画配信や大容量ファイルの送受信など、高速な情報網の時代に対応できなかったことも、サービス終了の要因の一つと言えるでしょう。今となっては、過ぎ去りし時代の技術の一つとして記憶の中に残るのみとなっています。エルモードは、かつて多くの人々に手軽な情報アクセスを提供したという功績と共に、技術革新の激しさを物語る象徴と言えるでしょう。
ネットワーク

写メール:写真で繋がるコミュニケーション

2000年頃、私たちの暮らしの中で携帯電話は急速に広まり、人と人との連絡手段の中心になりつつありました。画面に表示される小さな文字を打ち込んでやり取りをするのが主流でしたが、文字だけでは伝えきれない気持ちやその場の様子を伝える方法に限りがありました。 そんな中、カメラ付き携帯電話が登場しました。それまで、写真を撮るためには専用のカメラが必要でしたが、携帯電話にカメラが搭載されたことで、いつでもどこでも気軽に写真が撮れるようになりました。この技術革新は、人々のコミュニケーションに大きな変化をもたらす画期的な出来事でした。 そして、撮影した写真を電子メールで送受信できる「写メール」というサービスが誕生しました。写メールは、それまでの文字中心の連絡に、視覚的な情報を加えることで、より豊かな表現を可能にしました。例えば、旅行先で見つけた美しい景色や、友人との楽しい食事の様子、子供の可愛らしい笑顔など、言葉では伝えきれない感動や喜びを、写真を通して共有できるようになったのです。 人々は、日常の些細な出来事から特別な瞬間まで、写真に収めては写メールで送受信するようになりました。遠く離れた家族や友人と、まるで一緒にいるかのように、その場の雰囲気や感情を共有することで、より深い繋がりを感じることができたのです。 写メールの登場は、人々のコミュニケーションを大きく変え、新たな時代を切り開きました。それは、単に技術的な進歩にとどまらず、人々の心を繋ぐ、温かいコミュニケーションを育む上で大きな役割を果たしたと言えるでしょう。
ネットワーク

通信サービスの要!ギャランティー型とは?

現代のビジネスにおいて、重要な情報をやり取りしたり、会議や動画配信などを円滑に行うには、常に安定した通信環境が欠かせません。しかし、従来型のインターネット回線では、回線の混雑状況によって通信速度が遅くなったり、不安定になることがありました。 そこで登場したのが「ギャランティー型」のデータ通信サービスです。このサービスは、従来型のベストエフォート型とは異なり、契約時に定められた通信速度や品質を常に保証します。つまり、回線が混雑している時間帯でも、安定した高速通信を利用できるため、ストレスなく業務に集中できます。 ギャランティー型は、特にリアルタイム性が求められる業務に最適です。例えば、海外拠点とのビデオ会議や、大容量の医療データ送信など、わずかな遅延も許されない場面でその真価を発揮します。また、金融取引など、機密性の高い情報を扱うビジネスにおいても、高いセキュリティレベルを維持できるため、安心して利用できます。 安定した通信環境は、ビジネスの効率性や信頼性を向上させる上で非常に重要です。ギャランティー型のデータ通信サービスは、企業の競争力を高めるための強力な武器と言えるでしょう。
ネットワーク

auユーザー必見! イージーウェブを使いこなそう

- イージーウェブとはイージーウェブは、KDDI株式会社がau携帯電話向けに提供しているインターネット接続サービスです。1999年にサービスが始まり、長年にわたり多くのauユーザーに利用されてきました。従来型の携帯電話(ガラケー)はもちろん、スマートフォンでも利用することができます。そのため、幅広い世代のauユーザーがインターネットを利用できるようになっています。イージーウェブは、専用のブラウザを使ってインターネット上のウェブサイトを閲覧したり、メールの送受信を行ったりすることができます。また、ニュースや天気予報などの情報サービスを利用することも可能です。近年では、スマートフォンの普及により、従来型の携帯電話を利用する人は減少傾向にあります。しかし、スマートフォンを持っていない方や、シンプルな機能の携帯電話を好む方にとっては、イージーウェブは依然として便利なサービスと言えるでしょう。
ネットワーク

進化する放送の形:IP放送とは?

近年、私達の周りでは、インターネットを通じて様々な情報を得たり、動画を視聴したりすることが当たり前になってきました。このようなインターネット時代の到来と共に、従来のテレビやラジオに代わり、「IP放送」と呼ばれる新たな放送形態が注目を集めています。 IP放送とは、インターネット接続に欠かせないブロードバンド回線を通じて、映像や音声などのデータを送受信する技術のことです。従来の電波を用いた放送とは異なり、インターネットに接続できる環境さえあれば、いつでもどこでも高画質・高音質の番組を楽しむことができます。 従来の放送形態と比較したIP放送の大きな利点の一つに、視聴場所の制限がないという点があります。自宅のテレビはもちろんのこと、外出先のスマートフォンやタブレット端末でも、気軽に番組を視聴することができます。また、インターネット回線を利用するため、従来の放送波の届かない地域でも、安定した受信が可能です。 このように、IP放送は、場所や時間に制約されることなく、高品質な映像や音声を楽しむことができる、まさにインターネット時代の新たな放送形態と言えるでしょう。
ネットワーク

INSネット1500とは? – ISDN時代の高速通信サービス

- INSネット1500の概要INSネット1500は、かつてNTTが提供していたISDN回線を用いた高速デジタル通信サービスです。1990年代から2000年代にかけて、主に企業において広く利用されました。 INSネット1500最大の特徴は、その名の通り最大1.5Mbpsの通信速度を実現した点にあります。これは、当時の主流であったアナログ電話回線と比較して格段に速く、大量のデータも短時間で送受信することが可能になりました。そのため、INSネット1500の登場は、日本のインターネット普及を大きく加速させる要因の一つとなりました。 また、INSネット1500は音声通話とデータ通信を同時に行えるというメリットもありました。具体的には、電話回線として音声通話をしながら、もう一方の回線でインターネットやFAXを利用することができました。これは、アナログ回線では実現できなかった画期的な機能であり、多くの企業から高い評価を受けました。 しかし、2000年代後半以降、光ファイバーによる高速インターネット回線が普及し始めると、INSネット1500はその役目を徐々に終えていきます。そして、2024年1月には、NTT東日本・西日本両社からINSネットサービスの提供終了が発表され、長きにわたる歴史に幕を閉じることになりました。