通信網

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進化した電話回線:統合デジタルサービス通信網

かつて、電話をかけるといえば、黒くて丸いダイヤルを回すのが当たり前だった時代がありました。その頃の電話回線はアナログ回線と呼ばれ、音声通話だけが主な用途でした。そんな時代に、より速く、より多くの情報を送受信できる画期的な技術として登場したのが、統合デジタルサービス通信網、つまりISDNです。 ISDNは、従来のアナログ電話回線を利用しながらも、情報をデジタルデータに変換して送受信する仕組みを持っていました。これにより、音声通話だけでなく、データ通信や画像伝送なども行えるようになりました。まるで1本の道路で、人と車が一緒に行き来できるようになったようなものです。これは当時のインターネットやデータ通信にとって、まさに革新的な出来事でした。 ISDNの登場によって、企業は遠隔地の支店とスムーズにデータのやり取りができるようになり、在宅勤務といった新しい働き方も実現可能になりました。また、個人にとっても、パソコンでインターネットに接続するのが容易になり、情報のやり取りが格段に便利になりました。 しかし、技術の進歩は止まりません。ISDNよりも更に高速で大容量のデータ通信を可能にする光ファイバー回線が登場し、主流となりました。今ではISDNを利用する人は少なくなりましたが、かつての通信技術の進化に大きく貢献したISDNの功績は、決して忘れてはならないでしょう。 この記事では、ISDNがどのような仕組みで動いていたのか、どんな特徴を持っていたのか、そして現代社会におけるISDNの立ち位置はどうなっているのかを詳しく解説していきます。ISDNの歴史を振り返り、現代の技術と比較することで、通信技術の進化の過程を深く理解し、未来の技術を見通すためのヒントを探っていきましょう。
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VANとは?~かつての企業間ネットワーク~

- VANの概要VANとは、付加価値通信網(Value-Added Network)の略称です。企業間で安全かつ効率的にデータをやり取りするために広く利用されている通信サービスです。VANは、既存の電話回線などの通信回線を利用して構築されますが、単にデータを送受信するだけではありません。 VAN事業者は、独自のネットワークやコンピュータセンターを運用し、データ通信に加えて、様々な付加価値を提供しています。代表的な付加価値としては、以下のようなものがあります。* -高度な情報処理- 受信したデータをフォーマット変換したり、集計処理を行ったりすることができます。これにより、企業は自社システムに合わせた形でデータを受け取ることができ、業務効率化に繋がります。* -データの蓄積・変換- 大量のデータを一時的に保管したり、異なる形式のデータを変換したりすることができます。企業間でデータの形式が異なる場合でも、VANを通じてスムーズなデータ交換が可能になります。* -セキュリティ対策- データの暗号化やアクセス制御など、高度なセキュリティ対策が施されています。機密性の高い情報を扱う企業にとって、安全なデータ通信を実現する上で重要な役割を担います。このように、VANは単なる通信回線の提供にとどまらず、企業の業務効率化やセキュリティ向上に貢献する付加価値を提供している点が特徴です。近年では、インターネットの普及により、インターネットVPNなどの新たな通信サービスも登場していますが、VANは、その高い信頼性とセキュリティレベルから、特に金融機関や官公庁、大企業を中心に、依然として重要な役割を担っています。
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インターネットの基盤を支えるもの:バックボーンとは

私たちが普段何気なくインターネットを利用する時、画面上の情報はまるで瞬間移動したかのように現れます。しかし実際には、情報が私たちの元に届くまでには、無数のネットワーク機器を経由する複雑な道のりが存在します。 その道のりの中で、膨大な量の情報を高速かつ確実に運ぶという重要な役割を担っているのが「バックボーン」と呼ばれるネットワークです。バックボーンは、インターネット上における主要都市や国々を結ぶ、まさにインターネットの高速道路と呼ぶにふさわしい存在です。 もし、このバックボーンが存在しなかったらどうなるでしょうか? 情報は細く曲がりくねった道を、ゆっくりと移動しなければならなくなります。その結果、ウェブサイトの表示は遅延し、動画は途切れ途切れになり、快適なインターネット利用は困難になるでしょう。 バックボーンは、光ファイバーケーブルなどの高速通信技術を用いることで、大量の情報を光速に近いスピードで伝送することを可能にしています。そして、日々増え続けるインターネットのトラフィックを支え、私たちが快適なデジタルライフを送れるように、縁の下の力持ちとして活躍し続けています。