
マルチバイト文字:漢字などの表現方法
計算機の世界では、文字は数字で表されます。例えば、アルファベットの「A」や数字の「1」などは、数字に対応づけて計算機で処理されています。これらの文字は、比較的単純な形をしているため、少ない情報量で表現できます。具体的には、8個の0と1の並び(8ビット)、つまり1バイトで表現できます。1バイトでは256種類の文字しか表現できませんが、アルファベットや数字、記号などを含めても、これだけの種類で十分足りていました。
しかし、日本語には、ひらがな、カタカナに加え、数多くの漢字が存在します。これらの文字をすべて表現するには、1バイトでは足りません。中国語や韓国語など、表意文字を使う言語にも同じことが言えます。そこで、1バイトよりも多くの情報量を使って文字を表現する方法が考えられました。これが、マルチバイト文字です。マルチバイト文字は、2バイト、3バイト、あるいは4バイトといったように、複数のバイトを使って1つの文字を表現します。
マルチバイト文字の登場によって、計算機上で様々な言語を扱うことができるようになりました。日本語の文章を作成したり、中国語のウェブサイトを閲覧したり、韓国語のメールを送受信したりすることが可能になったのは、マルチバイト文字のおかげです。これにより、世界中の人々がそれぞれの母語で情報発信や交流できるようになり、国際化が大きく進展しました。
ただし、マルチバイト文字は、1バイト文字に比べてデータ容量が大きくなるという特徴があります。そのため、文字化けなどの問題が発生することもあります。異なる文字コード体系の間でデータを変換する際には、注意が必要です。適切な文字コードを指定することで、文字化けを防ぎ、正しく文字を表示することができます。