
シフトJISの謎: ANK文字とは?
- ANK 文字の正体パソコン通信が盛んだった時代、人々は熱い想いをデジタルの言葉に乗せてやり取りしていました。その陰で、文字化けなどの原因となりつつも、ある種の文化を築き上げていたのが、この「ANK 文字」です。ANK 文字は、当時の主流文字コード「シフトJIS」内に存在する、本来文字が割り当てられていない領域を利用した文字のことです。この領域は正式には「空き領域」と呼ばれていましたが、そこに独自に文字を割り当てて利用していました。そのため、機種依存文字とも呼ばれ、特定の種類のパソコンやソフトでしか正しく表示されないという特徴がありました。例えば、あるメーカーのパソコンでは可愛い動物のイラストが表示される一方で、別のメーカーのものでは記号として表示されたり、最悪の場合、文字化けを起こしてしまったりするといったことが起こりました。ANK 文字は、パソコン通信の時代、ユーザーがそれぞれの個性を表現する手段の一つとして楽しまれていました。しかし、インターネットの普及とともに、異なる環境でも文字化けなく情報を共有することの重要性が増し、次第に使われなくなっていきました。現代では、機種依存文字の問題は、Unicode のような、より多くの文字を包括的に扱うことのできる文字コードの普及により、ほぼ解消されています。