CISC

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縮小命令セットコンピューター:RISCの基礎

計算機の頭脳とも言える中央処理装置を作る上で、命令の数を少なく単純にする設計思想があります。これは、縮小命令セット計算機、略して「縮小命令計算機」と呼ばれています。計算機は人間が与えた命令を理解して動きますが、この命令の種類を少なく単純にするのがこの設計思想の大切な点です。 従来の計算機は、たくさんの種類の複雑な命令を理解できました。しかし、縮小命令計算機は、複雑な命令を無くし、単純な命令を組み合わせて複雑な処理を行うように作られています。一つ一つの命令が単純なので、命令を実行する速度が上がり、全体の処理能力も向上するのです。 命令の種類が少ないということは、命令を理解し実行するための回路も簡単になります。これは、製造にかかる費用を減らすことにつながります。さらに、使用する電力の量も減らせるため、最近よく使われている携帯機器や、家電製品などに組み込まれる小さな計算機にも向いています。 例えば、複雑な計算をする場合、従来の計算機では一つの複雑な命令で処理していました。縮小命令計算機では、この複雑な計算をいくつかの単純な命令に分解して処理します。一見すると手間がかかるように思えますが、単純な命令は高速に実行できるため、結果として全体の処理速度は向上するのです。また、命令の種類が少ないため、計算機内部の回路を小さく、そして単純に作ることができ、省電力化にもつながります。このように、縮小命令計算機は、処理速度の向上、製造費用の削減、省電力化など、多くの利点を持つ設計思想であり、現代の計算機技術において重要な役割を担っています。
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CISC:複雑な命令でコンピュータを動かす技術

- CISCとはCISCは、「複合命令セットコンピュータ」を意味する「Complex Instruction Set Computer」の略称であり、コンピュータの中核を担うマイクロプロセッサの設計思想の一つです。 CISCは、一つの命令に複数の処理を組み込むことで、複雑な命令を一度に実行できる設計となっています。 例えば、データの移動、計算、結果の記憶といった一連の処理を、たった一つの命令でまとめて実行できます。 これにより、プログラム全体に含まれる命令の数を減らし、処理を効率化することを目指しています。 しかし、命令の複雑化は、マイクロプロセッサの設計や製造を複雑にする側面も持ち合わせています。 また、全ての命令が常に複雑な処理を必要とするわけではなく、状況によっては、より単純な命令を組み合わせた方が効率的な場合もあります。 対照的に、RISCと呼ばれる設計思想は、命令を単純化することで、高速な処理を実現することを目指しています。 RISCは「縮小命令セットコンピュータ」を意味する「Reduced Instruction Set Computer」の略称です。 CISCとRISCは、それぞれ異なる特徴を持つ設計思想であり、どちらが優れているとは一概には言えません。状況や用途に応じて、適切な設計思想が選択されます。
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現代社会を支える頭脳:複合命令セットコンピューター

現代社会において、コンピューターはもはや欠かせない存在となっています。職場や学校、家庭など、あらゆる場所で活躍しており、私たちの生活はコンピューターなしでは成り立ちません。では、コンピューターはどのようにして様々な動作を実現しているのでしょうか?その秘密は、コンピューターの心臓部とも呼ばれる「CPU(中央処理装置)」にあります。 CPUは、人間で言うならば脳の役割を担っています。CPUは、膨大な量の計算やデータ処理を行い、アプリケーションソフトウェアやオペレーティングシステム(OS)などの指示に従って、コンピューター全体を制御しています。このCPUの設計思想の一つに「複合命令セットコンピューター」、すなわちCISCがあります。 CISCは、一つの命令で複雑な処理を実行できるように設計されたCPUです。これにより、プログラムの命令数を減らし、処理の高速化を図ることができます。しかし、複雑な命令を処理するために回路が複雑になり、製造コストが高くなるという側面も持ち合わせています。 このように、CPUはコンピューターの性能を左右する重要な役割を担っており、その設計思想はコンピューターの進化に大きな影響を与えてきました。
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処理速度を向上させるRISCとは?

- RISCの概要RISCは、「Reduced Instruction Set Computer」の略称で、日本語では「縮小命令セットコンピュータ」と訳されます。これは、コンピュータの頭脳であるマイクロプロセッサーの設計思想の一つであり、CPUの処理速度の向上を目的としています。コンピュータは、プログラムに記述された命令を一つずつ実行することで動作します。この命令は、CPUが理解できる機械語で記述されており、従来の設計手法であるCISC (Complex Instruction Set Computer 複雑命令セットコンピュータ)では、多様な処理に対応するため、非常に多くの種類の命令が用意されていました。しかし、命令の種類が多いと、CPUは命令を解釈する処理に時間がかかってしまいます。そこでRISCでは、使用頻度の高い単純な命令だけにしぼり、それらを高速に実行できるようにすることで、全体的な処理速度の向上を目指しています。命令の種類を減らすことで、CPUの回路構成は簡略化され、命令の解釈や実行に必要な時間も短縮されます。また、それぞれの命令を高速に実行できるように最適化することで、複雑な処理も単純な命令の組み合わせで効率的に実行できるようになります。RISCは、特に科学技術計算など、処理速度が重視される分野で広く採用されています。近年では、パソコンやスマートフォンなど、幅広い分野でRISCを採用したCPUが利用されています。