
ポート番号を理解する
情報のやり取りを郵便の手紙に例えると、インターネット上での情報のやり取りも住所が必要になります。 紙の手紙を送る際には、相手方の家の場所を示す住所が不可欠です。同様に、インターネット上で情報をやり取りする場合にも、情報の送り先を示す住所が必要です。このインターネットにおける住所に当たるのが、「インターネット・プロトコル・アドレス」を略した「アイピーアドレス」です。
しかし、大きな建物にはたくさんの部屋があるように、一つの計算機の中でも同時に複数の応用処理が動いているのが普通です。一つの計算機の中でどの応用処理に情報を送るのかを特定するために、アイピーアドレスに加えて「接続端子番号」が使われます。この接続端子番号は、建物の部屋番号のようなもので、情報の行き先をより正確に示す役割を担います。たとえば、家の住所だけでは、その家に住む多くの家族のうち誰に手紙が届くのかが分かりません。部屋番号まで指定することで、特定の人に手紙を届けることができます。同様に、接続端子番号を使うことで、計算機の中の特定の応用処理に情報を送ることができるのです。
よく使われる接続端子番号の例として、情報を表示するための「ウェブ閲覧器」で情報を閲覧する場合、通常は80番の接続端子番号が使われます。また、電子郵便の送受信では、送信に587番、受信に110番や995番の接続端子番号が使われます。このように、それぞれの応用処理は、あらかじめ決められた特定の接続端子番号を使って情報のやり取りを行います。これは、建物の中のそれぞれの部屋に異なる部屋番号が割り当てられているのと同じです。それぞれの応用処理が異なる接続端子番号を持つことで、一つの計算機で複数の応用処理が同時に、かつ正確に情報のやり取りを行うことができるのです。