
パソコン普及の立役者、IBM PC/AT
- IBM PC/ATとは1984年、IBM社から発売された「IBM PC/AT」は、それまでのパソコンの常識を覆す画期的な製品でした。「AT」とは「アドバンスト・テクノロジー」の略であり、その名の通り、前機種である「IBM PC」と比べて格段に性能が向上していました。最大の特徴は、16ビットの処理能力を持つ「インテル80286」プロセッサを搭載したことです。これにより、従来の8ビットパソコンと比べて処理速度が飛躍的に向上し、より複雑な計算や大量のデータ処理が可能になりました。また、メモリ容量やハードディスク容量も大幅に増加し、より多くの情報を扱えるようになりました。IBM PC/ATの登場は、ビジネスシーンに大きな変化をもたらしました。従来の大型コンピュータでは不可能だった、文書作成や表計算などの事務処理が、個人のデスクトップで手軽に行えるようになったのです。このことから、企業は業務の効率化を図るため、こぞってIBM PC/ATを導入しました。そして、多くの企業に導入されたことで、IBM PC/ATはパソコンの業界標準としての地位を確立し、その後のパソコン普及に大きく貢献したのです。