ISDN

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ナローバンド:昔なつかし低速回線

今は誰もが当たり前に高速な網を使って情報をやり取りする時代になりました。動画を見たり、大きな資料を送ったりすることも、少し待つだけで終わります。しかし、少し前まではそうではありませんでした。インターネットに繋がるためには、電話線を使って接続する必要があり、ピーヒョロロという独特の音と共に、ゆっくりと画面が表示されるのを待つのが当たり前だったのです。 かつて主流だったこの接続方法は、ナローバンド接続と呼ばれていました。ナローバンド接続とは、限られた通信容量を使って情報を送受信する方法です。一本の細い管を使って水を流す様子を想像してみてください。一度に送れる水の量は限られていますよね。ナローバンド接続もこれと同じで、一度に送受信できるデータ量が少ないため、ウェブページの表示やファイルの送受信に時間がかかっていました。 ナローバンド接続が主流だった時代は、電話回線を使ってインターネットに接続していました。そのため、インターネットを使っている間は電話が使えなくなるという不便さもありました。また、通信速度も非常に遅く、画像の多いウェブサイトを開くだけでもかなりの時間がかかりました。今のように動画を見ることは、とても考えられない時代でした。 ナローバンド接続に取って代わったのは、ブロードバンド接続です。ブロードバンド接続は、ナローバンドに比べてはるかに多くの情報を一度に送受信できます。太い管を使って水を流す様子を想像してみてください。一度にたくさんの水を流すことができますよね。ブロードバンド接続もこれと同じで、一度に送受信できるデータ量が多いため、動画視聴や大容量ファイルの送受信もスムーズに行えるのです。 この記事では、かつてインターネットへの入り口だったナローバンド接続について、その仕組みや特徴、そしてブロードバンド接続との違いを詳しく説明していきます。今では懐かしい思い出となったナローバンド接続の歴史を振り返ることで、現在のインターネット技術の進歩を改めて実感できるでしょう。
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エルモード:過ぎ去りし時代の情報提供サービス

エルモードは、かつて電話会社の東日本と西日本が提供していた、家庭向けの固定電話、アイエスディーエヌ回線、そして高速な情報回線を使った情報サービスです。専用の機械を使うことで、誰でも簡単に情報網に接続したり、電子手紙のやり取りをすることができました。 持ち運び電話が世の中に広まるよりもずっと前、手軽に情報に触れられる手段として、多くの人々の注目を集めました。エルモード専用の機械は、電話線に接続するだけで使えるという手軽さも魅力でした。情報網の接続設定なども簡略化されており、機械操作に不慣れな人でも容易に利用できたのです。また、エルモードは、ニュースや天気予報、乗り換え案内などの生活に役立つ情報を提供するだけでなく、電子掲示板を通じて利用者同士が交流する場も提供していました。 しかし、時代の流れは速く、より高性能な持ち運び電話や持ち運びできる情報処理機械が普及するにつれて、エルモードの役割は次第に薄れていきました。人々は、いつでもどこでも情報にアクセスできる持ち運び電話を手にし、エルモードは次第に忘れられていったのです。そしてついに、平成22年(2010年)にサービスは終了しました。 専用の機械を通じて提供される限られた情報だけでは、人々の多様化するニーズに応えられなくなったとも言えます。動画配信や大容量ファイルの送受信など、高速な情報網の時代に対応できなかったことも、サービス終了の要因の一つと言えるでしょう。今となっては、過ぎ去りし時代の技術の一つとして記憶の中に残るのみとなっています。エルモードは、かつて多くの人々に手軽な情報アクセスを提供したという功績と共に、技術革新の激しさを物語る象徴と言えるでしょう。
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進化した電話回線:統合デジタルサービス通信網

かつて、電話をかけるといえば、黒くて丸いダイヤルを回すのが当たり前だった時代がありました。その頃の電話回線はアナログ回線と呼ばれ、音声通話だけが主な用途でした。そんな時代に、より速く、より多くの情報を送受信できる画期的な技術として登場したのが、統合デジタルサービス通信網、つまりISDNです。 ISDNは、従来のアナログ電話回線を利用しながらも、情報をデジタルデータに変換して送受信する仕組みを持っていました。これにより、音声通話だけでなく、データ通信や画像伝送なども行えるようになりました。まるで1本の道路で、人と車が一緒に行き来できるようになったようなものです。これは当時のインターネットやデータ通信にとって、まさに革新的な出来事でした。 ISDNの登場によって、企業は遠隔地の支店とスムーズにデータのやり取りができるようになり、在宅勤務といった新しい働き方も実現可能になりました。また、個人にとっても、パソコンでインターネットに接続するのが容易になり、情報のやり取りが格段に便利になりました。 しかし、技術の進歩は止まりません。ISDNよりも更に高速で大容量のデータ通信を可能にする光ファイバー回線が登場し、主流となりました。今ではISDNを利用する人は少なくなりましたが、かつての通信技術の進化に大きく貢献したISDNの功績は、決して忘れてはならないでしょう。 この記事では、ISDNがどのような仕組みで動いていたのか、どんな特徴を持っていたのか、そして現代社会におけるISDNの立ち位置はどうなっているのかを詳しく解説していきます。ISDNの歴史を振り返り、現代の技術と比較することで、通信技術の進化の過程を深く理解し、未来の技術を見通すためのヒントを探っていきましょう。
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通信の要!ターミナルアダプターとは?

異なる通信方式の橋渡し役となる装置、それがターミナルアダプターです。機器同士を接続するためには、お互いに理解できる信号のやり取りが不可欠です。しかし、パソコンや電話といった機器と、ISDN回線などの通信回線では、その通信方式が異なるため、そのままでは接続することができません。 このような状況で活躍するのがターミナルアダプターです。ターミナルアダプターは、異なる通信方式を持つ機器同士の間に立って、それぞれの機器が理解できる信号に変換する役割を担います。 例えば、パソコンからISDN回線を使ってインターネットに接続したい場合、パソコンの持つ通信方式とISDN回線の通信方式は異なります。そこで、ターミナルアダプターを介することで、パソコンからの信号をISDN回線が理解できる信号に変換し、また、ISDN回線からの信号をパソコンが理解できる信号に変換することで、通信を可能にします。 このように、ターミナルアダプターは、異なる通信方式の壁を取り払い、様々な機器を接続することを可能にする、重要な役割を担っているのです。
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アクセスポイント:インターネットへの入口

- アクセスポイントとは私たちは普段、家やオフィスでパソコンやスマートフォンを使ってインターネットに接続しています。では、どのようにして遠く離れた場所にあるインターネットと繋がっているのでしょうか?その繋がりを支えているのが「アクセスポイント」です。アクセスポイントは、私たちの家に引かれている電話回線や光ファイバーなどの回線と、インターネットサービスプロバイダーを繋ぐ役割を担っています。イメージとしては、インターネットという広大な海への入り口のようなものです。例えば、自宅でパソコンを使ってウェブサイトを閲覧する場合を考えてみましょう。私たちはブラウザにアドレスを入力しますが、その情報はまずアクセスポイントに送られます。アクセスポイントは受け取った情報をインターネットサービスプロバイダーに送り、そこから目的のウェブサイトへ接続します。そして、ウェブサイトから送られてきた情報が再びアクセスポイントを通って私たちのパソコンに届き、ウェブサイトを閲覧することができるのです。このように、アクセスポイントは私たちとインターネットをつなぐ重要な役割を担っています。普段意識することは少ないかもしれませんが、インターネットを利用する際には必ずこのアクセスポイントを経由していることを覚えておきましょう。
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企業の基盤を支えるINSネット64

- INSネット64とはINSネット64は、日本電信電話株式会社(NTT)が提供していた、ISDN回線を利用した企業向けの高速デジタル通信サービスです。1990年代後半、インターネットの普及が始まった頃にサービスが開始されました。当時の企業では、従来の電話回線を使った通信方式に比べて、より多くの情報をより速く送受信できる手段が求められていました。INSネット64は、このような時代のニーズに応える画期的なサービスとして登場し、多くの企業に導入されました。 INSネット64の最大の特徴は、ISDN回線を利用することで、音声通話とデータ通信を同時に行うことができた点にあります。従来の電話回線では、音声通話とデータ通信を同時に行うことができず、どちらか一方しか利用できませんでした。また、INSネット64は最大64kbpsの通信速度に対応しており、当時の一般的なアナログモデムと比較して約2倍の速度でデータ通信を行うことができました。そのため、大容量のファイル送信やWebサイトの閲覧なども、ストレスなく行うことができました。 INSネット64の登場により、多くの企業でインターネットの活用が本格化し、業務の効率化や情報共有の促進に大きく貢献しました。しかし、その後、より高速な通信技術が登場したこともあり、現在ではサービスは終了しています。
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INSネット1500とは? – ISDN時代の高速通信サービス

- INSネット1500の概要INSネット1500は、かつてNTTが提供していたISDN回線を用いた高速デジタル通信サービスです。1990年代から2000年代にかけて、主に企業において広く利用されました。 INSネット1500最大の特徴は、その名の通り最大1.5Mbpsの通信速度を実現した点にあります。これは、当時の主流であったアナログ電話回線と比較して格段に速く、大量のデータも短時間で送受信することが可能になりました。そのため、INSネット1500の登場は、日本のインターネット普及を大きく加速させる要因の一つとなりました。 また、INSネット1500は音声通話とデータ通信を同時に行えるというメリットもありました。具体的には、電話回線として音声通話をしながら、もう一方の回線でインターネットやFAXを利用することができました。これは、アナログ回線では実現できなかった画期的な機能であり、多くの企業から高い評価を受けました。 しかし、2000年代後半以降、光ファイバーによる高速インターネット回線が普及し始めると、INSネット1500はその役目を徐々に終えていきます。そして、2024年1月には、NTT東日本・西日本両社からINSネットサービスの提供終了が発表され、長きにわたる歴史に幕を閉じることになりました。
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INSネット: 往年の高速インターネット接続

- INSネットとはINSネットは、かつてNTTが提供していたISDN回線を利用した商用データ通信サービスです。1990年代後半から2000年代にかけて、高速なインターネット接続手段として、多くの企業や個人に利用されました。 INSネットが登場する以前、インターネットに接続するには、電話回線を利用したアナログ回線が使われていました。しかし、アナログ回線は通信速度が遅く、画像の多いウェブサイトを閲覧したり、大きなファイルをダウンロードしたりするのには時間がかかっていました。 そこで登場したのが、INSネットです。INSネットは、アナログ回線よりも高速なデータ通信が可能で、最大64kbpsの通信速度を持つ「INSネット64」と、最大1.5Mbpsの通信速度を持つ「INSネット1500」の2種類がありました。 INSネット64は、主に個人ユーザー向けに提供され、INSネット1500は、より高速な通信が必要な企業ユーザー向けに提供されました。INSネットの登場により、インターネットの普及が急速に進み、多くの企業や個人が、インターネットを利用した様々なサービスを利用できるようになりました。 しかし、その後、ADSLや光ファイバーなど、より高速で低価格なインターネット接続サービスが登場したため、INSネットは徐々にその役割を終え、2000年代後半にはサービスが終了しました。
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ISDNターミナルアダプターとは?

- ISDNターミナルアダプターの概要ISDNターミナルアダプター(TA)は、かつて広く利用されていたデジタル通信サービス「ISDN」と、パソコンや電話などの機器を接続するために必要不可欠な装置でした。ISDNは、従来のアナログ電話回線に比べて高速なデータ通信を実現し、インターネットの普及にも大きく貢献しました。しかし、ISDN回線は特殊な信号を用いるため、パソコンや電話を直接接続することはできませんでした。そこで登場したのがISDNターミナルアダプターです。TAは、ISDN回線から送られてくるデジタル信号を、パソコンや電話が理解できるアナログ信号に変換する役割を担っていました。また、その逆も然りで、パソコンや電話から送信されるアナログ信号をデジタル信号に変換してISDN回線に送り出す役割も担っていました。このように、ISDNターミナルアダプターは、異なる信号体系を持つISDN回線とパソコンや電話などの機器の間を取り持ち、スムーズなデータ通信を可能にするための橋渡し役として活躍しました。しかし、近年では、ISDNよりもさらに高速な光回線や無線通信サービスが普及したため、ISDNと共にその役目を終えつつあります。
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ISDN:時代を築いたデジタル通信網

- 電話網を活用したデジタル通信 「ISDN」という言葉をご存知でしょうか?これは「Integrated Services Digital Network」の略称で、従来の電話網を利用してデジタル通信を行う技術です。 従来の電話回線はアナログ信号を用いていましたが、ISDNは情報をデジタル信号に変換して送受信します。デジタル信号は、0と1の組み合わせで情報を表現するため、ノイズの影響を受けにくく、クリアな音声通話を実現できました。さらに、ISDNの登場により、音声だけでなく、ファックスやデータ通信も電話回線を通じて行えるようになりました。これは、従来は別々の回線が必要だったものが、一本の回線に統合されたことを意味し、通信の効率化に大きく貢献しました。 このように、ISDNは電話網のデジタル化を推進し、高速かつ高品質な通信を可能にした革新的な技術と言えます。