
過去の動画技術 フラッシュを振り返る
インターネットが普及し始めた頃、ほとんどのホームページは静止画と文字だけで作られていました。そんな時代に突如現れたのが、マクロメディア・フラッシュという技術です。1996年に登場したこの技術は、それまでのホームページとは全く異なる表現を可能にしました。
フラッシュの特徴は、ベクター画像を使って滑らかな動画を作れることでした。ベクター画像は、拡大縮小しても画質が劣化しないため、小さなデータ容量で高画質な動画を作ることができました。当時のインターネット回線は速度が遅く、大きなデータを送受信するのは大変でしたが、フラッシュなら快適に動画を再生できたのです。
電話回線を使ったダイヤルアップ接続が主流だった時代には、データの送受信速度が限られていました。大きな画像や動画をホームページに載せると、読み込みに時間がかかってしまい、利用者はなかなかホームページを見ることができませんでした。しかし、フラッシュは小さなデータ容量で動画を表現できたため、読み込み速度が速く、ストレスなく動画を楽しむことができたのです。
それまでのホームページは、写真と文字が中心で、動きのある表現はほとんどありませんでした。そこにフラッシュが登場したことで、ホームページに動画やアニメーション、そして音を加えることができるようになり、利用者の体験は劇的に変化しました。まるでテレビゲームのような動きのあるホームページや、音楽が流れるホームページが登場し、人々はインターネットの可能性に驚き、夢中になりました。静的なホームページが主流だった時代に、フラッシュはまさに革命的な技術だったと言えるでしょう。