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エルモード:過ぎ去りし時代の情報提供サービス

エルモードは、かつて電話会社の東日本と西日本が提供していた、家庭向けの固定電話、アイエスディーエヌ回線、そして高速な情報回線を使った情報サービスです。専用の機械を使うことで、誰でも簡単に情報網に接続したり、電子手紙のやり取りをすることができました。 持ち運び電話が世の中に広まるよりもずっと前、手軽に情報に触れられる手段として、多くの人々の注目を集めました。エルモード専用の機械は、電話線に接続するだけで使えるという手軽さも魅力でした。情報網の接続設定なども簡略化されており、機械操作に不慣れな人でも容易に利用できたのです。また、エルモードは、ニュースや天気予報、乗り換え案内などの生活に役立つ情報を提供するだけでなく、電子掲示板を通じて利用者同士が交流する場も提供していました。 しかし、時代の流れは速く、より高性能な持ち運び電話や持ち運びできる情報処理機械が普及するにつれて、エルモードの役割は次第に薄れていきました。人々は、いつでもどこでも情報にアクセスできる持ち運び電話を手にし、エルモードは次第に忘れられていったのです。そしてついに、平成22年(2010年)にサービスは終了しました。 専用の機械を通じて提供される限られた情報だけでは、人々の多様化するニーズに応えられなくなったとも言えます。動画配信や大容量ファイルの送受信など、高速な情報網の時代に対応できなかったことも、サービス終了の要因の一つと言えるでしょう。今となっては、過ぎ去りし時代の技術の一つとして記憶の中に残るのみとなっています。エルモードは、かつて多くの人々に手軽な情報アクセスを提供したという功績と共に、技術革新の激しさを物語る象徴と言えるでしょう。